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持つべき信念

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もしかするとまた星5レアが出るかもしれないという淡い期待をして、せっかく貯めたアイテムを全部ぶっ込んでしまって後悔するというのが、このガチャというシステムだ。


アプリゲームでは良くある事で、そして真治もまた、その「良くある事」に後悔して頭を抱えていた。


「なんで……なんで七回連続で星2が出るんだよ……最初に星3が二回出たから調子が良いかと思ったのに」


ここで、まだソウルがあったなら、意地になってやっているところだろうが引けるのは後一回。


これを引けばソウルの残りが4個になり、後のことを考えると回復するのも悩むことになるだろう。


しかし日本刀のレベルを上げるという大義名分がある以上、ガチャを引くことに心苦しさを感じることはない。


逆に考えるなら、強い武器を引いたとしてもレベルは低く、強化するにも時間がかかってしまう。そう頭の中で言い訳を並べながら、今手に入れた武器をPBMで強化用の素材として使用した。


日本刀のレベルは32まで上がった。


これが全部星3レアならば、後3くらいはレベルが上がったかもしれない。


「……日本刀を強化する為にも武器は必要なんだし、一つでも多い方が良いよな」


「ハハハ。見事にガチャの誘惑に負けているようだな少年。しかし強くなる為にガチャを引くのは間違いではないぞ」


恵梨香に笑われながらも、プレミアムガチャの文字を押して、PBMから光の渦を発現させる。


諦め半分というか、強い武器は出ないだろうとその中に手を入れた。
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