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持つべき信念

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国技館の根元にはポーンの群れ。


日本刀を取り出して、下手すれば死ぬという状況を前に緊張する真治とは対照的に、二人はいつもと変わらない様子。


きっと、何度か同じことをして乗り越えたという事実が自信になっているのだろうが、そんな自信はまだ真治にはない。


「じゃあ行こっか。ここで突っ立ってても何も変わらないしね」


「うむ、そうだな」


吹雪がそう言った後、二人は屋根から飛び降りて地面に着地した。


瞬間、ポーンの群れが一斉にこちらを見る。


いきなり走って来るわけでもなく、様子見と言わんばかりに距離を取って警戒している。


そんな中、二人が左側に向かって駆け出した。


その行動にポーン達が反応して二人に向かう。


「く、くそっ!」


飛び出すタイミングがわからなくて出遅れた真治も慌てて飛び降り、二人の後を追って走った。


その動きにも反応したポーンが、物凄い勢いで迫って来る。


二人はそんな事などお構いなしに西軍に向かっているが、出遅れた真治はそういうわけにもいかなかったのだ。


「総武線の高架まで死ぬ気で走れ! そこまで行けばやつらも追っては来ないだろう!」


それにはまず、光の壁を越える為に国技館に接近しなければならない。


周囲を見回しながら走る真治に、二体のポーンが迫った。
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