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持つべき信念

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二毛の視線は真治の背後に向けられているが、あまのじゃくな二毛のことだからと、真治は必死に騙されまいと視線を逸らさなかった。


振り返った瞬間、攻撃を仕掛けて来る可能性が高いと。


「おいおい、早く誰がどっちを殺すか決めろ! 美味しい所を全部持ってかれるぞ!」


「わわっ! もう、じゃんけんで良いんじゃない!?」


警戒する真治の前で慌て始める三人。


ますます意味がわからず、どこまでが演技で、どこからが演技ではないのかがもうわからない。


わけがわからないまま日本刀を握り締めて、じゃんけんをしている三人の動きを警戒していた時だった。



「あー、やっぱり真治だ。吹雪の反応を追って来てみたんだけど、あんたが吹雪と一緒にいてくれたんだね」



背後から聞こえたその声に、ようやく二毛達の反応は演技ではなかったと気付いた真治は、振り返ってそこにいる人物を見た。


「先に行ってごめんねえ。ほら、助けても良かったんだけどさぁ、私が西軍だから、出来れば西軍のやつらとは戦いたくないんだよねぇ。後処理が面倒だしさ」


タバコを口にくわえて、太刀を肩に担いで真治達に近付いたのは雪子。


三人組は、なぜ南軍の真治と西軍の雪子が話をしているのかわからない様子で、慌てふためき始めたのだ。
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