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持つべき信念
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しおりを挟む「なんだと!?」
それはあまりに突然の出来事だった。
女の胸から飛び出したのは鎖分銅で、偶然構えていた日本刀に当たり、運良く真治は直撃を免れたが、理解が追い付かないでいた。
後方に飛び退き、状況を確認した真治の目に、異様な光景が飛び込んで来る。
女の胸から飛び出した鎖分銅が伸び切って、ダラリと力なく垂れると共に、女も地面に倒れ込んだのだ。
その背後にマフラーを首に巻いた男が、鎖分銅を手に、真治を睨み付けていた。
「今のを避けるなんてな。少しは強くなったみたいだが、まだ反応が遅い」
ボソッとそう呟いた沼沢に、日本刀を向けて唾を飲み込む。
「お前、この人は仲間じゃないのかよ! それをこんな捨て石みたいに使って!」
「だったらお前は、星5レアという光に集まっただけの蛾を仲間と呼ぶのか? 呼ばないだろ。俺には奈央がいればいい。俺の仲間は奈央だけでいい。だからお前は殺す。奈央を奪いに来たお前は殺す」
光の粒へと変わった女性から鎖分銅を引き抜き、怒りと共に素早く反対側の分銅を真治に投げ付ける。
「!!」
前回戦った時に、為す術なく殺された技だと判断した真治は、グッと足に力を込めて回避姿勢に入った。
沼沢の手から真治の眉間へと、一直線に飛んで来る距離感が掴めない攻撃だ。
当たってたまるかと左に飛んだ瞬間、鎖分銅は、今真治がいた場所を通過したのだ。
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