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持つべき信念

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その思惑に気付いた真治は、そうはさせじと沼沢の右側に回り込むようにして素早く駆け出した。


外灯やたき火の明かりがあるとはいえ、暗いこの場所で勝つ方法を必死に考えて、一つの答えに辿り着く。


当然のようにその動きに反応し、迎え撃つように向きを変える沼沢。


だが鎖分銅を振り回している分、僅かに左腕の動きが遅れる。


その隙を突き、沼沢の懐に飛び込んだ真治は日本刀を小さく振る斬撃を放った。


しかしそこは沼沢で、真治が斬撃を放つ前に鎖分銅を地面に叩き付けて動きを止めると、鎖を巻き付けた左腕を日本刀の前に滑り込ませたのだ。


ガキンと金属音が聞こえて、日本刀の斬撃が止められる。


止めて当然だと言わんばかりに沼沢がニヤリと笑みを浮かべたが、この油断する瞬間を真治は待っていた。


まだ攻撃は終わっていないと振り上げた左腕。


それすらも沼沢は読んでいたようで、特に先程直撃を受けたスティレットは警戒していた。


「その手は食うかよ」


そう呟き、スティレットが届かないだけの距離分後退したのだ。


真治の攻撃をギリギリで回避し、鎖を巻き付けた拳を打ち込む気なのが見てわかる。


それでも真治は左腕を振った。


この時点で沼沢は勝利を確信し、鎖を巻き付けた拳を前に出す。


ゴツッ! と、辺りに鈍い音が響いた。
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