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新たな脅威

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奈央と一緒に沼沢の所にいた里奈は、何か伝えたいことがあるのだろうか。


手招きをして、部屋の隅にあるデスクの方に歩いて行く里奈に、ソファから立ち上がってその後に付いて行く。


「どうしたんですか? 皆に聞かれたくない話ですか?」


一応気を遣い、小声で話す真治に、小さく首を横に振った。


「別にそういう話しじゃないんだけどね。ほら、真治くんがやられてからの事を知りたいんじゃないかと思ってさ」


確かに奈央が沼沢に連れ去られ、里奈が監視の為について行ったということは聞いたが、それ以上のことは何も知らない。


「奈央さんが連れ去られる時に、里奈さんも一緒に行ってくれたんですよね? 俺が来るまで手を出さないように見張る為に。すみません……なんか、巻き込んでしまって」


「うーん、ちょっと違うかな? 確かに結果だけ見たらそうなんだけどね。本当はね、皆で話し合ってそうするって決めたんだ。真治くんと奈央さんがここに入ったことが知られたからってね」


里奈の言葉に、真治はよくわからないといった感じで顔を顰めた。


何か妙だと感じる部分はあったが、奈央が連れ去られたという事実の前に掻き消されていたのだろう。


吹雪やられた時以外、雪子は戦闘には手を貸すことはなかったし、今となっては沼沢が全軍通信を使って、ここに西軍の人間が押し寄せることも知っていたように思える。
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