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新たな脅威
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その話は雪子が教えてくれたが、それなら話してくれれば良かったのにと、真治は不満そうに口をへの字に曲げる。
沼沢と戦い始めてから、奈央を大切に想っているのだというのは感じていたが、その時にはもうお互いに本気で、武器を収めることは出来なくなっていた。
「だから、沼沢くんは奈央さんに手を出さなかった……んじゃないね。出せなかったんだよ。沼沢くんは口では強く言ってるけど、女の子に大しては凄く奥手で繊細なの。手を握ること出来ないんだから」
自分以上に恋愛に臆病な人初めて見たと、そこでやっと真治は全てを理解して、吹き出して笑った。
「雪子さんはどうして話してくれなかったんですかね? 言ってくれれば、無駄に争う事もなかったかもしれないのに」
「それだよね。真治君は優しいから、事情を知れば沼沢くんと戦わないかもしれないでしょ? もしも戦ったとしても、本気では戦えなくなるかもしれないし」
戦わなくて済むなら、それにこしたことはないのだが、それを隠すとなると何としてでも沼沢と戦わせようとしているように思えてしまう。
「真治くんに足りないのは、本当に強い人との戦闘経験。それも、負ける可能性が高い相手との、絶対に逃げられない戦いだって雪ちゃんが言ってた。負ければ奈央さんを奪われるんだもの。沼沢くんも本気になるよね」
沼沢と戦い始めてから、奈央を大切に想っているのだというのは感じていたが、その時にはもうお互いに本気で、武器を収めることは出来なくなっていた。
「だから、沼沢くんは奈央さんに手を出さなかった……んじゃないね。出せなかったんだよ。沼沢くんは口では強く言ってるけど、女の子に大しては凄く奥手で繊細なの。手を握ること出来ないんだから」
自分以上に恋愛に臆病な人初めて見たと、そこでやっと真治は全てを理解して、吹き出して笑った。
「雪子さんはどうして話してくれなかったんですかね? 言ってくれれば、無駄に争う事もなかったかもしれないのに」
「それだよね。真治君は優しいから、事情を知れば沼沢くんと戦わないかもしれないでしょ? もしも戦ったとしても、本気では戦えなくなるかもしれないし」
戦わなくて済むなら、それにこしたことはないのだが、それを隠すとなると何としてでも沼沢と戦わせようとしているように思えてしまう。
「真治くんに足りないのは、本当に強い人との戦闘経験。それも、負ける可能性が高い相手との、絶対に逃げられない戦いだって雪ちゃんが言ってた。負ければ奈央さんを奪われるんだもの。沼沢くんも本気になるよね」
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