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新たな脅威
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「どうして死んだかは聞かないけど、一馬の事だから人を助けようとしたんだよね、きっと」
うつむいて、小さくそう呟いた奈央は少し悲しそうに。
この街で、ずっと新崎と一緒にいて、辛い時も楽しい時も、時間を共有して来たのだから悲しむのは無理もない。
だからこそ、何が起こったかは言えない。
「はい。俺を守ってくれました」
「そっか」
真治の言葉に、無理に作ったであろう笑顔で答える。
きっと、こんな別れを何度も繰り返して来たのであろうということは、その無理に笑った顔から容易に想像出来た。
「では行くか。なに、今生の別れではないんだ。私達の目的は、バベルの塔を攻略する事なんだからな」
ポンと真治の肩を叩き、恵梨香は階段の方へと歩いて行った。
「じゃあ頼むよ真治。恵梨香ちゃんさ、どうも危なっかしくて。あんたがしっかり抑えるんだよ」
「は、はは……自信はないですけど、頑張ってみます」
そう囁いた雪子にペコリと頭を下げて、階段の方へと走った。
その途中、先程の言葉に気付いて真治は慌てて階段を駆け下りた。
「え、恵梨香さん! 今、『私達の目的』って言いましたよね!? それって、俺も仲間って認めてくれたんですか!?」
「……偶然かもしれないが、ランキング一桁の沼沢に勝ったのだ。認めるしかあるまい」
ヘルメットのシールドを上げて、恵梨香はフッと笑みを浮かべた。
うつむいて、小さくそう呟いた奈央は少し悲しそうに。
この街で、ずっと新崎と一緒にいて、辛い時も楽しい時も、時間を共有して来たのだから悲しむのは無理もない。
だからこそ、何が起こったかは言えない。
「はい。俺を守ってくれました」
「そっか」
真治の言葉に、無理に作ったであろう笑顔で答える。
きっと、こんな別れを何度も繰り返して来たのであろうということは、その無理に笑った顔から容易に想像出来た。
「では行くか。なに、今生の別れではないんだ。私達の目的は、バベルの塔を攻略する事なんだからな」
ポンと真治の肩を叩き、恵梨香は階段の方へと歩いて行った。
「じゃあ頼むよ真治。恵梨香ちゃんさ、どうも危なっかしくて。あんたがしっかり抑えるんだよ」
「は、はは……自信はないですけど、頑張ってみます」
そう囁いた雪子にペコリと頭を下げて、階段の方へと走った。
その途中、先程の言葉に気付いて真治は慌てて階段を駆け下りた。
「え、恵梨香さん! 今、『私達の目的』って言いましたよね!? それって、俺も仲間って認めてくれたんですか!?」
「……偶然かもしれないが、ランキング一桁の沼沢に勝ったのだ。認めるしかあるまい」
ヘルメットのシールドを上げて、恵梨香はフッと笑みを浮かべた。
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