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新たな脅威

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ニカッと笑い、男は真治の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。


「ところで、この子は敵軍よね。どうするの? 殺すの? 殺さないの?」


血を流しながら女の子は真治に近付いて、冷たい視線を向けて見下ろす。


まだ動くことも出来なず、もしも今、攻撃されてしまえば為す術もなく死ぬことになるだろう。


「まあまあ、せっかく助けたんだしさ。それに、一人で南軍から東軍に入って来たんだ。きっと理由があるんだよ。それを聞いてからでも遅くはないだろ?」


パーマがかかった髪を掻き上げて、女の子を見て煙を吐く。


この女の子は、言葉の強さは違えど恵梨香に似たような性格だ。


口調も全然違うのだが、物事をはっきりさせたいという感じが。


「そうかしら。大した理由はないと思うのだけど。自分が強いと思い込んで、よその軍で弱い人間を殺してソウルを稼ごうとしたのではない?」


「いやいや、俺はそうは思わないね。わざわざ中央部を越えてでも東軍に来ようってんだ。きっと、女だな。うん」


二人とも、真治がまだ話せないからと好き勝手言っている。


だが、正解に近いのは男の方だ。


どこにいるかもわからない理沙を、見付け出して守るつもりで来たのだが、それはナイトによってあえなく打ち砕かれそうになっている。
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