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聞こえぬ死燕の足音
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「え、でも……」
と、亜美が不安そうに呟いた時だった。
「香澄ぃぃぃっ! 戻ってるのか!?」
診療所の玄関の方から、その声と共に誰かが入って来たのがわかった。
「あ、弓長のおじさんだ!」
こんな時にと武器を構えたが、亜美の顔がパアッと明るくなり、声の主を出迎えに走る。
弓長のおじさんという人物が、どんな人間かはわからない。
まだ完治していないこの身体で、もしも戦闘に発展したら勝てるのかと、真治は焦りの色が隠せないでいた。
慌てて部屋を出て、さらに奥の治療室へと移動して身を潜め、入口付近から聞こえる声に耳を傾ける。
「弓長のおじさん、いらっしゃい」
「亜美は相変わらず可愛いなぁ。これなら、皆にいっぱい可愛がってもらえるぞ。ところで香澄はいるかい?」
「うん、まだ寝てるけど」
入り口で大声を上げていた時とは印象が少し違う。
物腰が柔らかそうな物言いで、亜美は対しても優しそうな口調。
これなら出て行っても大丈夫なのかと考えたが、まだ結論を出すのは早い。
しばらく息を潜めて待っていると、香澄と呼ばれた女性の遺体がある部屋に向かって歩いて来る二人の足音。
そして、その部屋へと入って行ったのだ。
と、亜美が不安そうに呟いた時だった。
「香澄ぃぃぃっ! 戻ってるのか!?」
診療所の玄関の方から、その声と共に誰かが入って来たのがわかった。
「あ、弓長のおじさんだ!」
こんな時にと武器を構えたが、亜美の顔がパアッと明るくなり、声の主を出迎えに走る。
弓長のおじさんという人物が、どんな人間かはわからない。
まだ完治していないこの身体で、もしも戦闘に発展したら勝てるのかと、真治は焦りの色が隠せないでいた。
慌てて部屋を出て、さらに奥の治療室へと移動して身を潜め、入口付近から聞こえる声に耳を傾ける。
「弓長のおじさん、いらっしゃい」
「亜美は相変わらず可愛いなぁ。これなら、皆にいっぱい可愛がってもらえるぞ。ところで香澄はいるかい?」
「うん、まだ寝てるけど」
入り口で大声を上げていた時とは印象が少し違う。
物腰が柔らかそうな物言いで、亜美は対しても優しそうな口調。
これなら出て行っても大丈夫なのかと考えたが、まだ結論を出すのは早い。
しばらく息を潜めて待っていると、香澄と呼ばれた女性の遺体がある部屋に向かって歩いて来る二人の足音。
そして、その部屋へと入って行ったのだ。
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