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襲い来る野獣
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しおりを挟む「ああああああああああああああああああああっ!! うわあああああああああああっ!!」
あまりの激痛に、悲鳴を上げる事しか出来ない。
やっと短刀が肩から離れたと思った瞬間、今度はその傷口を蹴り上げられて悶絶する。
「どうだ? これでもまだ塔に行こうと思っているのか? あの女の口車に乗せられただろうが、二度と塔を目指せないようにここに監禁しておくから、お前は安心して死ね。大人しく自軍で、生きる為だけに人を殺していれば良い」
「ふ、ふざけるな……俺は絶対に塔に行くんだ! 恵梨香さんを助けて……塔に行って、元の世界に戻るんだ!」
こんな所で諦めたくはない。たとえ今は無理でも、もっと強くなって行けば良いだけだと真治の心は折れなかった。
この男が今、弱いやつには塔に向かう資格がないと言っているのならば、そう言えないように強くなるだけだと。
フラフラしながら立ち上がり、津堂を睨み付ける。
左肩から噴き出す血が尋常な量ではない。
このままでは確実に殺されてしまうと感じ、真治は磔にされている恵梨香を見上げた。
「恵梨香さん!! 絶対に助けに来ますから!! それまで待っててください!!」
デパートに入って数分。
圧倒的な津堂の力の前に、なすすべもなくなった真治が出来ることは……もうこれしかなかった。
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