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襲い来る野獣

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「前にも言ったでしょ? 私は死にたくないの! 弱いやつと一緒にいても死ぬだけじゃない! あんたを殺さないと、安心して暮らせないのよ!」


明美は、自分を守ってくれる人しか評価しないのだろう。


少しでも強い人に寄り添って、今まで守ってくれた人が少しでも弱いと思えば切り捨てる。


あれだけ仲が良さそうだった奈央まで人質にしているのだ、その性根の悪さは浮き彫りになっている。


「おいコラァッ! 俺を無視すんじゃねえぞ!! 明美ぃっ! テメェも調子に乗って喋ってんじゃねぇ!」


池田の怒鳴り声に、ビクッと怯えたように反応した明美。


そこまで大きな声ではないのにこの反応。


明美も暴力で支配されているということがわかったが、そうだとしても真治には関係ないことだった。


明美を許せないことに変わりはないし、奈央を助けることが目的だから。


「池田、俺がムカつくなら、決闘しよう。これなら他の人を傷付ける事なく戦えるだろ」


PBMを取り出して、見えるように振って見せたが池田の答えは。




「はっ! 嫌だね。テメェは日本語がわからねぇのかよ! 俺はテメェを殺したいんじゃねぇ! 殺さないようにいたぶり続けたいだけなんだよ!!」
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