上 下
509 / 682
襲い来る野獣

system_0509

しおりを挟む
「お、おい……池田さんまずくねぇか?」


「ああ、ガキの方がやっぱり強いんじゃねぇの?」


「1分も経ってないのに、池田さんが負けるのかよ」


周囲がざわつき始めた。


だが、こうなることがわかっていたのか、黒井はニコニコしながら見ているだけ。


そんな中で、池田が不利だと声を出した人の頭部に、ボルトが突き刺さったのだ。


「何呑気な事を言ってるの!? 万が一浩太が負けたら、全員で掛かって何が何でも殺すのよ!」


「明美さん、あんたって人は!」


自分達のトップが負けそうなら、手下を逃がすのが普通なのではないか。


仲間に死ねと言っているのだ明美は。


「ふざけるなよっ!! そんな考え方しか出来ないから、俺はあんたを許せないんだ!!」


日本刀を振り上げ、池田の攻撃を弾いた真治が、明美に向かって怒りの咆哮。


「テメェこそふざけんな! 相手は俺だろうがよ!!」


池田が腕を引き、溜めの後に放った右ストレート。


だが、すでに真治は日本刀を振り上げていて。


フッ! と息を吐くと同時に、迫る拳目掛けて日本刀を振り下ろした。


メリケンサックと日本刀が接触した瞬間、ピシッと音が聞こえて一刀両断。


武器を破壊し、池田の腕を斬り裂いたのだ。
しおりを挟む

処理中です...