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怒りの咆哮

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前にも同じことがあった。


明美から真治を守る為に犠牲になった新崎。


だが、今回は真治を狙ってのことではない。


PBMを狙ったわけではないにしても、偶然だとしても、ボルトが奈央のPBMを貫いてしまったのは事実だった。


「仲間を仲間と思わないあんたが! 俺がいなかったらどうなってたって言うんだよ!!」


明美の眼前に着地すると同時に、怒りを乗せた日本刀が振り下ろされた。


明美の頭部を半分に割り、それが首、胸、腹と斬り裂いて……身体は真っ二つになり、その断面から血と内臓がこぼれ落ちたのだ。


唸る間もなく、地面に倒れた明美。


一度は吹雪に止められて、明美を斬ることはなかったが、ここまでされて、黙っていることは真治には出来なかった。


「くそっ!! 何なんだよ……何なんだよあんたはっ!!」


日本刀を振って血を払い、明美の亡骸を一瞥すると奈央の方に向かって走る。


どうせ明美は復活するだろう。


だが、奈央はそうではないのだ。


倒れた奈央を抱きかかえてくれている黒井。


駆け寄った真治に、悔しそうに小さく首を横に振って見せた。


黒井もまた、かつては奈央の仲間だったのだから、このような結末になって悲しくないはずがないのだ。
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