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怒りの咆哮

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それでも、なんとか逃げ切った二人は東軍に入ってすぐの博物館に身を潜めた。


見てわかる程の傷を負っている黒井。ナイトの攻撃を回避し切れなかったのだろう。


安心して集中力が途切れた瞬間、真治の腕と足に痛みが走る。


「うわ……これ、折れてるのかな。凄く腫れてる……」


触っただけでもわかる。


どの攻撃にこれほどのダメージがあったのかはわからないが、全て回避したと思っていただけにこれは衝撃だった。


「ここからは敵地だからな。油断せずに回復してから行こう」


「そうですね。この程度なら、通常回復でも少し休めば……あれ?」


PBMを取り出し、画面に視線を落とした真治は、ソウルが一つ増えている事に気が付いたのだ。


確か……ソウルは7個だったはずだが、今は8個に増えている。


「どうした? 何かおかしな事でも……あれ? ソウルが一つ増えてる。敵軍の人間を殺したわけじゃないのに」


真治と同じ疑問を、黒井もPBMを見て感じているようだ。


「く、黒井さんもですか? 俺も増えてるんですけど……何でしょう、これ」


そう尋ねたが、同じように首を傾げた黒井には、それがどういうことなのかわかるはずがなかった。
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