東京バベルブレイカー～殺戮都市バベル～

怒りの咆哮

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何があっても対処出来るように、真治は日本刀を抜いて数歩後退した。


黒井は狩野に意識を集中させていて、もう周りは見えていないようだ。


十分に戦えるほど広くはない幅の路地で、どうやって戦うのだろうか。


「さあ、やるか！　狩野明！」


そう叫ぶと同時に、黒井が高速で距離を詰めた。


ランスの尖端が狩野の腹部に触れて、そこから突き出される。


一瞬で勝負がついたかと思われたが、狩野はその攻撃が当たる瞬間にクルリと身体を回転させ、ランスを撫でるように回避する。


それと同時に横に振るった日本刀が、回転の勢いに乗って黒井に迫った。


だが、そこは黒井だ。


ソードブレイカーで日本刀を受け止めて、グイッと下に押し付けた。


まだ回転が止まらない狩野が、日本刀から手を放し、再び引き抜き、ソードブレイカーをかわして黒井の首を狙う。


防御が間に合わないと感じたのだろうか。


狩野に飛び込んで、細い身体を抱くようにして体当たりをし、攻撃を回避したのだ。


そのまま地面に倒れ込むかと思われたが、狩野はそれすらも読んでいたかのように。


倒れるまでに黒井の腹部に膝蹴りを入れ、地面に倒れると同時に、黒井を上方へと蹴り上げたのだ。