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狂い始める歯車
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「はっはー! 終わったぜ真治! 悪いが、とどめは俺のもんだ!」
津堂の胸に突き刺さったランスを引き抜き、ニヤリと笑って真治を見る黒井。
次の一撃を出す前に黒井にやられたが、それは自分の力不足だろう。
理沙の仇を討ちたい、津堂を殺したいと強く思っても、後一撃が届かなかった。
「でも、津堂を倒せました……理沙も少しは気が晴れたでしょうか」
今となっては、理沙の為に殺したのか、自分の為に殺したのかはわからない。
それでも、津堂を倒せたことは、真治の中では大きいことだった。
一度敗北した相手に、二人がかりとは言え勝てたというのは、少しずつ強くなっているということだから。
「理沙って……誰だ? 真治くんは死神を助けに来たんだろ? 違うのか?」
武器を離し、普段の気弱な雰囲気に戻った黒井に首を横に振って見せた。
「色々あって……彼女が、東軍にいたんですよ。それで……」
死んでしまったという言葉が出ないのは、まだ認めたくないという想いか。
光の粒に変化して行く津堂を見て、また少し悲しくなる。
どうして理沙はこうならないんだろう、どうして復活しないんだろうと、何度も心の中で呟いて。
PBMが壊れてしまっては、そうならないことはわかっていても、納得など出来るはずがなかった。
津堂の胸に突き刺さったランスを引き抜き、ニヤリと笑って真治を見る黒井。
次の一撃を出す前に黒井にやられたが、それは自分の力不足だろう。
理沙の仇を討ちたい、津堂を殺したいと強く思っても、後一撃が届かなかった。
「でも、津堂を倒せました……理沙も少しは気が晴れたでしょうか」
今となっては、理沙の為に殺したのか、自分の為に殺したのかはわからない。
それでも、津堂を倒せたことは、真治の中では大きいことだった。
一度敗北した相手に、二人がかりとは言え勝てたというのは、少しずつ強くなっているということだから。
「理沙って……誰だ? 真治くんは死神を助けに来たんだろ? 違うのか?」
武器を離し、普段の気弱な雰囲気に戻った黒井に首を横に振って見せた。
「色々あって……彼女が、東軍にいたんですよ。それで……」
死んでしまったという言葉が出ないのは、まだ認めたくないという想いか。
光の粒に変化して行く津堂を見て、また少し悲しくなる。
どうして理沙はこうならないんだろう、どうして復活しないんだろうと、何度も心の中で呟いて。
PBMが壊れてしまっては、そうならないことはわかっていても、納得など出来るはずがなかった。
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