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理科準備室の人体模型

四枚目

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ウミが指差した先には、またひとりでに動くチョーク。黒板に新たな文字を書き込んでいるのだが、その文字はセイヤとキョウを震え上がらせた。




~理科準備室の人体模型~

・人体模型は人間になりたい。

・人体模型は皮が欲しい。

・ピッタリの皮を見付けるまで終わらない。




「か、皮!?  皮って……皮膚のことか!?  ピッタリの皮……なんの冗談だよこれ!」


「あ、ああ……もしかしてあの箱を開けたから!  あの人体模型は呪われていたんだ!  この中の誰かが皮を剥ぎ取られるんだ!」


そんな二人見て、余裕の表情を浮かべているのはウミとソラミ。


「これが本当だったら、あんたらのうちどっちかでしょ。あの人体模型は男だったから、私達には関係ないし」


「だよね。てか、こんな話をマジに受け取ってるとかウケるんだけど。ビビってる顔で笑わせてもらったし、早く帰ろうよ。明日、皆にこのこと教えてやろうよ」


男子二人をバカにしたように笑ったウミとソラミだったが、その男子二人は顔を引き攣らせてウミの方を見ていた。


顔面蒼白で固まったまま、その状況が飲み込めていないような様子で。


「何バカみたいな顔してこっち見てるわけ?  あの箱を開けた私のせいだとでも言いたいっての?  大体あんたた……ひひゅっ」


立ち上がったウミの頭部に、金属の棒のような物が突き刺さった。


いや違う。その背後にいた何者かによって、棒のような物を突き立てられたのだ。
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