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踊り場の大鏡
四人目
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「アエリちゃん、手伝うよ。本当に酷いよね皆」
「カガくん……いいよ。カガくんまで皆にいじめられちゃうよ。それにほら、もう終わったから、平気」
「そう、なんかごめん。止められなくて」
机を元に戻し、その中に教科書を入れ直したアエリは小さく首を横に振った。
自分と関わることで、他の人までいじめの標的になってしまうのが怖かったから、それ以上は話さなかった。
少なくとも、自分のことを心配してくれる人がいるというのがわかっただけでも、アエリは救われている気がしたから。
カガはアエリとは少し違い、クラスメイトから無視されている存在だった。
まるで空気のように、いないように扱われていたのだ。
チャイムが鳴り、教室の入り口から先生が入って来て、授業が始まった。
一番後ろの廊下側に座るカガをチラリと見て、小さく微笑んだ。
思えばアエリは、自分と同じ大人しいカガに、同じ匂いを感じていたのかもしれない。
仲間が出来たような気がして、それが嬉しかったから。
そんなアエリを見て、サラは面白くなさそうに口をへの字に歪めていた。
なぜいつも、ヘラヘラと笑っていられるのかがわからずに、それに対してさらにイラつくという悪循環に陥っているようだった。
「カガくん……いいよ。カガくんまで皆にいじめられちゃうよ。それにほら、もう終わったから、平気」
「そう、なんかごめん。止められなくて」
机を元に戻し、その中に教科書を入れ直したアエリは小さく首を横に振った。
自分と関わることで、他の人までいじめの標的になってしまうのが怖かったから、それ以上は話さなかった。
少なくとも、自分のことを心配してくれる人がいるというのがわかっただけでも、アエリは救われている気がしたから。
カガはアエリとは少し違い、クラスメイトから無視されている存在だった。
まるで空気のように、いないように扱われていたのだ。
チャイムが鳴り、教室の入り口から先生が入って来て、授業が始まった。
一番後ろの廊下側に座るカガをチラリと見て、小さく微笑んだ。
思えばアエリは、自分と同じ大人しいカガに、同じ匂いを感じていたのかもしれない。
仲間が出来たような気がして、それが嬉しかったから。
そんなアエリを見て、サラは面白くなさそうに口をへの字に歪めていた。
なぜいつも、ヘラヘラと笑っていられるのかがわからずに、それに対してさらにイラつくという悪循環に陥っているようだった。
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