73 / 223
トイレの花子さん
二個目
しおりを挟む
キィィィィ……。
金属が軋む音が空間に響いて、少女達は小さな個室の中でゆっくりと目を開けた。
なぜこんな場所にいるかもわからないといった様子で、ここがトイレの個室だと気付いて一人、また一人と個室から出て来た。
「なに……これ。なんで私、トイレにいるの」
最初に声を出したのはミラ。
面倒見の良い、クラスのまとめ役だ。
「いやいや、あんただけじゃないから。私にコハナ、メグミまでいるし。後は……なんだ、ブスもいる」
「あ? ブスって誰のことだよアイラ! 調子に乗ってるとぶっ殺すよ!」
「自覚してるから反応したんだろ。お前のことだよ、ブース!」
ブスと呼ばれたショウコは、アイラを睨み付けて言葉を返すが、アイラも負けじと応戦する。
また始まったと、他の三人は呆れたようにため息をついたが、それよりも気になるのはなぜこんな場所にいるのかということだ。
片側に三個、その対面に二個の個室がある女子トイレで、それぞれの個室から出たところで突然の口論になったのだから。
「ひ、ひっ! な、なにこれ、なにこれ!」
そんな中で声を上げたのはメグミ。
五人の真ん中にある床を見て悲鳴を上げた。
その声に、他の四人も足元を見るが……次の瞬間、全員が一斉に悲鳴に近い声を上げたのだ。
「う、うわわわわっ! な、なんだよこれ! 勘弁してよ!」
「ひ、ひ、ひ、人が、人が!」
五人の真ん中、足元にあったのは……枯れ木のように干からびた、女の子のミイラのようなものだった。
白いシャツに赤いスカート。
名も知らぬ女の子の死体が、五人の前にあったのだ。
金属が軋む音が空間に響いて、少女達は小さな個室の中でゆっくりと目を開けた。
なぜこんな場所にいるかもわからないといった様子で、ここがトイレの個室だと気付いて一人、また一人と個室から出て来た。
「なに……これ。なんで私、トイレにいるの」
最初に声を出したのはミラ。
面倒見の良い、クラスのまとめ役だ。
「いやいや、あんただけじゃないから。私にコハナ、メグミまでいるし。後は……なんだ、ブスもいる」
「あ? ブスって誰のことだよアイラ! 調子に乗ってるとぶっ殺すよ!」
「自覚してるから反応したんだろ。お前のことだよ、ブース!」
ブスと呼ばれたショウコは、アイラを睨み付けて言葉を返すが、アイラも負けじと応戦する。
また始まったと、他の三人は呆れたようにため息をついたが、それよりも気になるのはなぜこんな場所にいるのかということだ。
片側に三個、その対面に二個の個室がある女子トイレで、それぞれの個室から出たところで突然の口論になったのだから。
「ひ、ひっ! な、なにこれ、なにこれ!」
そんな中で声を上げたのはメグミ。
五人の真ん中にある床を見て悲鳴を上げた。
その声に、他の四人も足元を見るが……次の瞬間、全員が一斉に悲鳴に近い声を上げたのだ。
「う、うわわわわっ! な、なんだよこれ! 勘弁してよ!」
「ひ、ひ、ひ、人が、人が!」
五人の真ん中、足元にあったのは……枯れ木のように干からびた、女の子のミイラのようなものだった。
白いシャツに赤いスカート。
名も知らぬ女の子の死体が、五人の前にあったのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる