2 / 9
第1章:魔法は爆発だ
第2話:学術クラステスト(改稿版)
しおりを挟む
学術クラスのテストを受けるために第3教室に向かいました。
特別な教室を除くと、普段のクラスで使う教室は、1学年5教室あり、全9学年分で45教室あります。
ちなみに、1クラスは40名くらいなので、アカデミー全体では1800名の学生がいることになります。
そう考えると結構大きいアカデミーなんじゃないかと思います。
教室はクラス固定で使われる訳ではなく、授業担当の先生によって変わったりして、ローテーションで使われています。
今日のテストはそのうちの第3教室で行われるようです。
教室に行くと、先生が、恐らく学術クラス担当の先生だと思いますが、テスト用紙を配っていたので、それを受け取って教室に入っていきます。
教壇には監視ふくろうがいて、テストで不正が行われないように、まばたき一つせず見張っています。
学術クラス担当の先生のふくろうかもしれませんね。
席は特に決まってないので、近くに空いてた席に座ってテスト用紙を机に置きました。
テスト用紙を置くと、問題と残り時間がテスト用紙に浮かんできて、残り時間がカウントダウンされていきます。
ちなみに使っているペンは個々人の魔力のパターンが記録されているインクが入ったペンで偽造不可能なものになっています。
無駄に高度な魔法が使われてる気もしますが、不正防止の一環らしいです。
『席に着いた途端に始まるって、余裕なさすぎじゃない?』
とか思いますが・・・
文句も言ってられないのでさっさと始めたいと思います。
一応僕も商店の息子なので、算術は小さい頃からやらされていて、脳筋なルクス兄さんとは違ってそこそこできます。
学年の中では、トップ10に入れるかどうかくらいの成績なので、自慢できるようなできないようなという感じです。
『本当は、学年トップの成績だよとか言いたいとこなんですけどね・・・』
算術テスト自体はそれほど難しい問題もなかったので、さくさくと問題を解いていき、時間を半分残して見直しまで終了しました。
周りを見ると、何人か終わったのか立ち上がって教室を出ていく人がいます。
僕も次に行きたいので、終わることにします。
席を立つと、テスト用紙がすっと消えていきます。
これも不正防止の一環らしく、席を立つと自動でテスト用紙が回収されるようになっています。
いやはやどれだけ学生を信用してないんだよ、と言いたいとこですが、魔法があるこの世界では、様々な手段で不正を働く人がいたらしく、年々不正防止対策が厳しくなっているという話です。
『それって多分、無茶苦茶やりすぎた先輩達のせいだよね・・・』
噂で聞いた話だと、変身魔法使って替え玉したとか、トイレに行くと言って念写した問題文を外部に送って、回答を送ってもらったとか、目と手を同期させる魔法を使って、読み取った問題を同期させた手で遠隔回答するとか、なんでそこまでするんだとか思うような話がいっぱいあります。
学生は高度な魔法を使える訳ではないので、親が高額な費用と引き換えに裏の筋の魔法使いに頼むようですが。
確かに、学術クラスから進学して、商業アカデミーを無事に卒業できれば、自動的に商業ライセンスが貰えるというメリットはあります。
ライセンスは商店自体にではなく個人への発行なので、代々商店をやってると言っても、後継ぎがライセンスを取れなければ廃業になってしまうのです。
そういう意味では、廃業の危機に立たされて不正を働きたくなるという気持ちもわからなくはないです。
ただ、不正を働いて発覚した場合、二度とテストを受けることができないので、そこは諸刃の剣というやつです。
実際、去年も数人の学生が不正を働いて退学措置となっているので、様々な事情で禁忌に手を出してしまう人がいるのは否めません。
今年はどうなんでしょうね?
退学になる友達とか居なければいいですけど、僕の友達の中ではそこまで切羽詰まった人はいなかったと思います。
とりあえず算術テストは大丈夫だと思うので、最悪剣術と魔術のテストがダメだったとしても、学術クラスには進むことができると思います。
クラスに入れる基準は、テストの結果順なので、自分より成績上位の人がいた場合、その人が優先になります。
ですので、40位前後の人はかなりドキドキ感を味わうことになります。
僕の場合、算術は学年でトップ10前後なので、余程の番狂わせが数十人発生しない限り、恐らく問題ないとは思います。
ちょっとずるい感じもしますけど、安全パイは確保しとかないとと思います。
教室の前の黒板には、テスト結果は夕方5つ半の刻にさっき集まった講堂に張り出されると書いてあります。
他のテスト結果も恐らく同じように発表されると思いますので、とりあえず他のテストに行きたいと思います。
「リートも終わったの?」
と声をかけてくれたのは女の子の同級生シュアでした。
「うん、そんなに難しくなかったし、他も受けないといけないからね」
「リートの家、商店だもんね。算術は得意だよね~」
「まぁ、ルクス兄さん以外は算術は問題ないんじゃないかな?」
「ルクスお兄さんは剣術に秀でてるからいいんじゃない?後、ハンサムだし」
ちょっと頬を染めながらのシュア。
シュアはルクス兄さんのことが気になってるみたいで、よく聞かれるんだよね。
人の恋路を邪魔する気はないけど、完全脳筋なルクス兄さんのどこがいいんだろうね。
まぁ、ハンサムというのが罪ってことか・・・ひがんでないよ、ひがんでない。
「じゃあ、僕は次の剣術テスト行くよ」
「え?リートって剣術できたんだっけ?」
直球でディスってくるシュアさん。。。
「ルクス兄さんほどじゃないけど、ほどほどにはできるよ。木刀での素振りは一応毎日やってるし」
「あれ?でも今日のテストって、鉄の実剣じゃなかったけ?」
「え?そうだっけ?鉄の剣なんて一度も振ったことないけど、大丈夫かな・・・」
ちょっと心配になってきました。
「まぁ、同級生としては無事を祈ってるよ」
無事を祈るって・・・ケガすること前提なんでしょうか?
「シュアは次は魔術?」
「うん、一応うちの家は魔法薬作ってるから、魔術アカデミー行きたいとこだよね」
「お互いがんばろう」
「リートもがんばってね。後、ルクスお兄さんにもよろしく言っておいてね」
そこ今必要なんでしょうか?
シュアとのたわいもない会話を切り上げて、次のテストを受けるために武道場に向かいました。
特別な教室を除くと、普段のクラスで使う教室は、1学年5教室あり、全9学年分で45教室あります。
ちなみに、1クラスは40名くらいなので、アカデミー全体では1800名の学生がいることになります。
そう考えると結構大きいアカデミーなんじゃないかと思います。
教室はクラス固定で使われる訳ではなく、授業担当の先生によって変わったりして、ローテーションで使われています。
今日のテストはそのうちの第3教室で行われるようです。
教室に行くと、先生が、恐らく学術クラス担当の先生だと思いますが、テスト用紙を配っていたので、それを受け取って教室に入っていきます。
教壇には監視ふくろうがいて、テストで不正が行われないように、まばたき一つせず見張っています。
学術クラス担当の先生のふくろうかもしれませんね。
席は特に決まってないので、近くに空いてた席に座ってテスト用紙を机に置きました。
テスト用紙を置くと、問題と残り時間がテスト用紙に浮かんできて、残り時間がカウントダウンされていきます。
ちなみに使っているペンは個々人の魔力のパターンが記録されているインクが入ったペンで偽造不可能なものになっています。
無駄に高度な魔法が使われてる気もしますが、不正防止の一環らしいです。
『席に着いた途端に始まるって、余裕なさすぎじゃない?』
とか思いますが・・・
文句も言ってられないのでさっさと始めたいと思います。
一応僕も商店の息子なので、算術は小さい頃からやらされていて、脳筋なルクス兄さんとは違ってそこそこできます。
学年の中では、トップ10に入れるかどうかくらいの成績なので、自慢できるようなできないようなという感じです。
『本当は、学年トップの成績だよとか言いたいとこなんですけどね・・・』
算術テスト自体はそれほど難しい問題もなかったので、さくさくと問題を解いていき、時間を半分残して見直しまで終了しました。
周りを見ると、何人か終わったのか立ち上がって教室を出ていく人がいます。
僕も次に行きたいので、終わることにします。
席を立つと、テスト用紙がすっと消えていきます。
これも不正防止の一環らしく、席を立つと自動でテスト用紙が回収されるようになっています。
いやはやどれだけ学生を信用してないんだよ、と言いたいとこですが、魔法があるこの世界では、様々な手段で不正を働く人がいたらしく、年々不正防止対策が厳しくなっているという話です。
『それって多分、無茶苦茶やりすぎた先輩達のせいだよね・・・』
噂で聞いた話だと、変身魔法使って替え玉したとか、トイレに行くと言って念写した問題文を外部に送って、回答を送ってもらったとか、目と手を同期させる魔法を使って、読み取った問題を同期させた手で遠隔回答するとか、なんでそこまでするんだとか思うような話がいっぱいあります。
学生は高度な魔法を使える訳ではないので、親が高額な費用と引き換えに裏の筋の魔法使いに頼むようですが。
確かに、学術クラスから進学して、商業アカデミーを無事に卒業できれば、自動的に商業ライセンスが貰えるというメリットはあります。
ライセンスは商店自体にではなく個人への発行なので、代々商店をやってると言っても、後継ぎがライセンスを取れなければ廃業になってしまうのです。
そういう意味では、廃業の危機に立たされて不正を働きたくなるという気持ちもわからなくはないです。
ただ、不正を働いて発覚した場合、二度とテストを受けることができないので、そこは諸刃の剣というやつです。
実際、去年も数人の学生が不正を働いて退学措置となっているので、様々な事情で禁忌に手を出してしまう人がいるのは否めません。
今年はどうなんでしょうね?
退学になる友達とか居なければいいですけど、僕の友達の中ではそこまで切羽詰まった人はいなかったと思います。
とりあえず算術テストは大丈夫だと思うので、最悪剣術と魔術のテストがダメだったとしても、学術クラスには進むことができると思います。
クラスに入れる基準は、テストの結果順なので、自分より成績上位の人がいた場合、その人が優先になります。
ですので、40位前後の人はかなりドキドキ感を味わうことになります。
僕の場合、算術は学年でトップ10前後なので、余程の番狂わせが数十人発生しない限り、恐らく問題ないとは思います。
ちょっとずるい感じもしますけど、安全パイは確保しとかないとと思います。
教室の前の黒板には、テスト結果は夕方5つ半の刻にさっき集まった講堂に張り出されると書いてあります。
他のテスト結果も恐らく同じように発表されると思いますので、とりあえず他のテストに行きたいと思います。
「リートも終わったの?」
と声をかけてくれたのは女の子の同級生シュアでした。
「うん、そんなに難しくなかったし、他も受けないといけないからね」
「リートの家、商店だもんね。算術は得意だよね~」
「まぁ、ルクス兄さん以外は算術は問題ないんじゃないかな?」
「ルクスお兄さんは剣術に秀でてるからいいんじゃない?後、ハンサムだし」
ちょっと頬を染めながらのシュア。
シュアはルクス兄さんのことが気になってるみたいで、よく聞かれるんだよね。
人の恋路を邪魔する気はないけど、完全脳筋なルクス兄さんのどこがいいんだろうね。
まぁ、ハンサムというのが罪ってことか・・・ひがんでないよ、ひがんでない。
「じゃあ、僕は次の剣術テスト行くよ」
「え?リートって剣術できたんだっけ?」
直球でディスってくるシュアさん。。。
「ルクス兄さんほどじゃないけど、ほどほどにはできるよ。木刀での素振りは一応毎日やってるし」
「あれ?でも今日のテストって、鉄の実剣じゃなかったけ?」
「え?そうだっけ?鉄の剣なんて一度も振ったことないけど、大丈夫かな・・・」
ちょっと心配になってきました。
「まぁ、同級生としては無事を祈ってるよ」
無事を祈るって・・・ケガすること前提なんでしょうか?
「シュアは次は魔術?」
「うん、一応うちの家は魔法薬作ってるから、魔術アカデミー行きたいとこだよね」
「お互いがんばろう」
「リートもがんばってね。後、ルクスお兄さんにもよろしく言っておいてね」
そこ今必要なんでしょうか?
シュアとのたわいもない会話を切り上げて、次のテストを受けるために武道場に向かいました。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる