こんなもんだろう

かぁくん

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序章7 心の環境

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舞美「ただいま!」
舞「自分の家帰れ!!」
舞美「それより心の親って何してる人なのかなぁ?」
舞「何かお父さんは普通に仕事しててお母さんは亡くなってるらしいよ」
舞美「そうなの!?何で知ってんの?」
舞「心ちゃんに聞いた」
舞美「そんな事聞いたの!?ダメじゃん!」
舞「しょうがないじゃん。流れで聞いちゃったの」
舞美「ふーん。じゃあ友達もいないって言ってたからいつも帰って来たら1人なんだ」
舞「そうらしいよ。ご飯もいつもお弁当とかラーメンなんだって」
舞美「そっか。結構大変だね」
舞「あんたご飯たべてくの?」
舞美「食べてくー。帰って作るのめんどくさいし。陣くんには家の残り物持ってくー」
舞「本当陣くんかわいそう」
舞美「大丈夫。陣くんは食べれれば何でもいいんだから」

しばらくすると元気が帰ってきた。

舞美「あ、おかえりー」
元気「またいるのか!何かお前が結婚してるのかどうかわからなくなってきた」
舞美「ガッツリ結婚してます」
元気「そういえば昨日言ってた子はどんな子だ?」

舞美は心の事を説明した。

元気「そうか。その子も大変だな。まぁいつでも呼んでやれ」
舞美「うん」

すると元気はえみに近づいていった。

元気「今日は幼稚園楽しかったか?」

えみは頷いた。

元気「ならよかった」

夕飯を食べているとえみの家のチャイムがなった。

舞「誰だろう?はーい!」

玄関に行くと心と知らない男が立っている。

舞「心ちゃん!」

すると男が喋りだす。

男「こんばんは。心の父です。今日お宅でおやつを食べたと心から聞きまして、迷惑かけました。ありがとうございました。」
舞「全然!誘ったの私ですし、気にしないで下さい!」
心の父「すみません。自分妻が亡くなってしまって中々心の面倒も見れなくていつも1人にさせちゃって帰ったら心に今日こちらの家でおやつをいただいたと聞きまして。本当ありがとうございました」
舞「いや、本当に気にしないで下さい!奥さんがいない事は心ちゃんから聞いてますし、大変でしょ?私も娘しかいなくて孫も女の子なんで男の子が来て今日は楽しかったですよ!」
心の父「ありがとうございます」
舞「よかったら、毎日家に来させてもいいですか?孫も友達がいなくて心ちゃんが来てくれると嬉しいんですけど」
心の父「けど」
舞「いいんですよ。ただ友達と遊んでるだけじゃないですか。友達の家で遊んでればおやつくらい出てくるでしょ?普通の事じゃないですか?」
心の父「はー」
舞「とりあえず気にしないで下さい」
心の父「わかりました。ありがとうございます」
舞「あ!そうだ。お父さんの連絡先教えてもらっていいですか?こちらからも何かあったら連絡しますので」
心の父「はい」

心の父は自宅の電話番号と自分が働いている会社の電話番号を教えると帰っていった。
帰り、心と心の父は話していた。

心の父「結構強引な人だったな。心、迷惑かけるなよ」
心「うん」

次の日から毎日心とえみは一緒にいた。そして毎日えみの家に心は行きおやつをもらいに行く。別に何をするわけでもなく一緒にテレビを見たり。
話す事はできないが2人はどんどん仲良くなっていった。
そして幼稚園の卒園が近づく。

ある日心がいつもどうりえみの家にいると舞美が言った。

舞美「もうすぐ小学生だね。小学校は勉強しないといけないんだよ?えみちゃんも心もできそう?」

心とえみはお互いの顔を見た。

心(えみちゃんと一緒ならなんでもいい)
えみ(心ちゃんは大丈夫かな?)

心がえみの顔を見て微笑んだ。

えみ(大丈夫そう)

2人は舞美の顔を見てこくりと頷いた。

そして卒園式の日。
保護者の席には舞。そしてなぜか舞美がいた。
心の父はいなかった。

舞美「あれ?心のお父さんは?」
舞「私も気になってさっき電話したら、仕事で来れないらしいよ」
舞美「そうなの?そんなに大変なんだ」

その頃えみ達は体育館の外で入場するのを待っていた。
えみは緊張してずっと下を見ている。

えみ(怖い。どうしよう)

するとえみは誰かに手を握られた。
振り向くとそこには心がいた。
心はなぜかコクリと笑顔で頷いた。

先生「心くん!心くんはもっと後ろ!」
心「嫌だ」
先生「なんで!?」
心「えみちゃんが」

えみのあまりにも緊張している姿に先生も気づいた。

先生「じゃあ先生がえみちゃんの事見てるから心くんは後ろに行って!」

心は首をふった。
すると先生は心たちの方に近づいて行き引き離そうとする。
だが心は離れようとしない。

えみ(心ちゃん一緒にいて!)

えみは先生の顔をじっと見た。
そして首をふった。
先生は少し黙り、困った顔をして言った。

先生「わかった。けど皆の邪魔しないように」

2人は頷いた。
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