Holonic 〜百鬼夜行と僕との調和された世界〜

阿弥陀ヶ峰 風月

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1章 悪しき化け物は花火と化して咲いて散る

12話 百目の怪

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 迷い家の客間に、天狗と妖狐と僕の3人で集まった。

 天狗へ先輩からもらった情報、組織名はぐれに関してと幹部である百目の存在、また百目の目的、羅刹鳥との関係等、今分かっている情報はすべて伝えた。
 
 今まで羅刹鳥を殺すことだけを考えていたが、どうもそれだけを考えていてはいけない状況になりつつある。
 羅刹鳥の監視を手伝ってくれていた店長と先輩に刺客が送られた。
 そして妖狐も僕と一緒に襲われてしまい、僕のために動いてくれたひと達に迷惑が掛かって来ているのだ。

 「やはり百目が裏におったか……厄介な。それに流浪の化け物組織はぐれとな。ふざけよって」
 
 「下っ端からの情報だからさ、組織内のことはこれ以上聞けなかったようだね」

 情報収集に失敗した妖狐が自分の手柄のようにプレゼンしている。
 
 「しかし、咲がお前たちと接点を持っていたことには驚いたぞ」
 
 「アルバイト先の先輩でした。そして母さんの昔からの友人だったようです」
 
 「そうか、あの時の娘がお前の母親だったとはな……なんという縁よ」

 座敷童が迷い家から出て行った理由は、母さんと座敷童の仲を注意したことがきっかけだった。天狗は、まさか家を飛び出すとは思わなかった……のような口ぶりで話す姿は、少し寂しそうに見えた。
 父と娘みたいな感じだろうか?
 
 「咲が元気にしていると聞けて安心したぞ」
 
 「咲にもここに来るように誘ったんだけど、断られてねぇ」
 
 「構わん、あの娘が今後お前たちを手伝うのだと聞いて、これほど嬉しいことはない」

 先輩の闘いを見ていないので強いのか、弱いのかわからないが、天狗が絶賛しているところを見ると相当に強いのだろう。
 
 「して、火鳥 煉よ。初の実践にて鬼を相手に見事な闘いぶりだったようだな」
 
 「いえ……決して褒められたものではないと思います」

 妖狐はどんな報告をしているのか?
 
 「さとりの眼の力と鳳凰の力をうまく使い、勝負に勝って生きていれば、戦いの内容などどうでも良い。お主はこれからさらに強くなるだろう」
 
 期待が高いのではないか。
 と不安に思うが、確かにどんな方法であれ、先ほどの闘いは僕を大きく変えるものなのは間違いない。
 悪党であれ、化け物であれ、生き物を初めてこの手で殺したのだから。

 「爺様、百目の所在を見てもらうことは可能かしら?」
 
 「あぁ、試してみよう。あかなめ、管狐を持って参れ」
 
 「はっ!かしこまりました。牛丸様」

 管狐?そんな化け物ここにいたっけ?
 2週間以上毎日迷い家に通っているが、見たことも、聞いたこともない。
 狐繋がりで妖狐は詳しいのだろうか。

 「氷花さん。管狐ってなんですか?」
 
 「竹筒や携帯できる持ち物に生息させて育てる小型の化け物さ、戦闘力は無いけど一匹ずつ個性的な能力を持っている連中さ」

 しばらくするとあかなめが一本の竹筒を大事そうに持ってきた。
 筒には千里眼と記載されており、この筒には遠く見る力を持つ管狐がいるようだ。
 
 天狗は筒の蓋を外して、中にいる管狐の封印を解いた。
 筒の中から突風が吹き、一匹のイタチのような獣が姿現せた。
 天狗はその管狐の頭を撫でながら、依頼を告げた。

 「ここにいる3人と視覚共有し、千里眼にて土蜘蛛が示す羅刹鳥の根城を見せよ」

 管狐は頷き、黒かった目が赤く変色した。
 僕たちの視界は管狐とリンクしたようで、今見える景色からすさまじい速さですべての障害物を貫くように視界が進んでいく。
 そしてあっという間に視界は羅刹鳥までたどり着いた。

 「こいつが羅刹鳥!母さんの仇」

 「そうだ、こいつがお主の母を屠った化け物だ」
 
 目の前に見える仇へ手が届かない状況に感情が震えている。
 妖狐は僕の背中に手を置いて、落ち着かせようとした。

 「ここから百目の居場所を千里眼で映せるか?」

 再度、天狗が管狐に依頼を告げる。
 視界の方向を変えてすごい勢いで進み始めた。
 なかなか見つからないのか、右往左往している状況が続いていた。
 
 その時、管狐の全身が震え口を動かし喋り始めた。

 「こんにちは火鳥煉、私は百目。貴君の持つさとりの眼をいただく者です」
 
 「!」
 
 「羅刹鳥をずっと監視しているようですが早く行動を起こさないと、次は貴君のご親戚やご友人の眼を食べに向かうようですよ。お母様と同じように」
 
 管狐の口を借りて、百目が明らかに挑発をしてきている。

 「深夜12時を回っても動きがなければ、羅刹鳥や無数の使い魔があなたの周りの人間を襲いに向います」
 
 「黙れ!今すぐに殺しに行ってやるから、待ってろ!」
 
 「嬉しいですね。羅刹鳥も楽しみにしていることでしょう。でも素直に眼を差し出してもらえるのでしたら、私が羅刹鳥を消してあげても良いのですが」
 
 「羅刹鳥の次はお前だ、百目!」
 
 「交渉決裂、残念です。では羅刹鳥が楽しみにしているので急いであげてください」
 
 そう言い伝えると、管狐の目が破裂し息絶えた。
 管狐は千里眼を乗っ取られ、呪いを掛けられて殺されみたいだ。
 百目の強さはそこらの化け物とはまったく違うことがわかる。
 
 そして今夜、羅刹鳥を狩りに行くこととなった。突然のことだが準備はしてきたので問題はない。
 
 「氷花よ、火鳥と咲の3人で羅刹鳥のもとへ向かうのだ。迷い家の化け物は奴らが攻め込んできた時の警護のために待機させておきたい」
 
 「わかった。爺様にこっちは任せるよ。咲と合流して行ってくる」

 僕たちは準備が整い次第、羅刹鳥のもとへ向かうことになった。


 ――――――


 先輩へ連絡すると合流することを快諾してくれた。


 僕たちは3人で羅刹鳥の根城へ向かう。

 案内役には牛車の前面に人の顔が付いている化け物、朧車《おぼろぐるま》 が勤めてくれる。
 見た目が恐ろしい乗り物なので気が引けたけど、先輩を迎えに行ってから廃墟までの移動をあっという間に可能にしてくれた。
 朧車は僕たちを廃墟前で降ろすと、夜霧の中へ消えていった。

 山奥にある3階建ての大きな建物。
 昔は個人病院を経営されていたようだ。今は見る影もなく、数km離れたところに民家が点在して見える。

 「ここにいるのですね」

 「発情鬼、今の君は冷静さに欠けている。このままでは勝てるものも勝てないよ」
 
 「そうですよ。妖気にかなりの乱れがあります。」

 2人の話を聞こうともせず建物の中に入っていった。

 肌寒い。
 外はムカつくくらい蒸し暑かったのに、廃墟の中は別世界のようだ。
 そして静かだ。何かがいる雰囲気すらない。

 先頭には妖狐、そして僕を挟むように後方には先輩という列になって1階を進んでいる。
 雑魚妖怪みたいなものがウヨウヨと出てくるのかと想像していたが違ったようだ。

 2階に向かう。
 さらに静寂が深くなり、先ほどまで聞こえていた風の音は止んだ。
 夏草も邪魔をしなくなった廊下を歩いて、何事もなく3階へ向かう階段の手前だった。

 牛の頭と馬の頭を持った2体の鬼が立っていた。

 「羅刹鳥様の元へ行きたければ、我らを倒すことだ」

 「牛頭馬頭《ごずめず》かい?先の鬼といい、地獄の連中に勝手すると閻魔が黙ってないよ」
 
 「地獄の門兵を使役することは難しいことです。百目の魔眼で操られていると考える方が妥当でしょうね」

 本当にいらいらさせてくれる。
 3階に羅刹鳥がいることは牛頭馬頭の口ぶりで確定した。コイツらを燃やして進むだけだ。

 「進むもよし、引くもよし、如何にする?」

 「引いたところで生きて返す気がないでしょう。戦いは避けられません」
 
 「もともと僕は引く気ありませんから」

 鳳凰の手を燃やす。
 今から特大の火焔玉を食らわせてやる。
 手のひらへ炎が集まる様に集中した。
 大きく、もっと大きな火の玉を……。
 
 その時、妖狐がまた背中に手を置いた。
 
 「頭に血が上りすぎだ。見かけによらず短気だねぇ君は」
 
 「僕は冷静です」
 
 「その力、後にとっときなよ」
 
 そう言うと妖狐は牛頭馬頭に向かって歩き始めた。
 
 「発情鬼に何かあった場合、陰の法で回復術を使える咲がいるべきだからね」
 
 「なにを言ってるんです。氷花さん?」
 
 「3階、2人で先に行ってなよ。これ片付けたらわたしも行くから」
 
 いくら妖狐でも2体相手は心配だ。3対2の今のうちに叩いておいた方が良い。

 「氷花に任せて進みましょう。火鳥くん」
 
 「でも……」
 
 「大丈夫ですよ。彼女強いですから」

 僕たちは別ルートの階段から3階へ向かうことにした。
 妖狐は背を向けたまま、手を振った。

 牛頭馬頭は追いかけて来ようともしなかった。

 「追わないのかい?」
 
 「追えば、お前の攻撃をまともにくらいそうだ」
 
 「あぁ、君たちはただの馬鹿ではなさそうだ。楽しめそうだねぇ」

 
 ――――――


 その頃の鞍馬山。

 ハットを被り、季節に似つかわしくないロングコートを羽織った紳士が真夜中の山道を歩いている。
 気配を消し、音も立てずに歩く異様の者は何かを探していた。

 しばらくすると足を止めニタリと笑い、開けた掌を前方にかざした。
 すると迷い家の門がうっすらと浮かび上がり、その紳士は門を開けようとした。

 
 「真夜中の訪問販売はお断りしているんですわ」

 突然の声掛けに、迷い家の門は消えた。
 
 「それは失礼しました。セールスお断りの張り紙もなかったものですから……」
 
 「あと目ん玉100個もあるお方はこの山から出ていってもらえませんかね?」

 その瞬間、四方から飛び出た無数の蜘蛛の糸が男を縛り上げた。しかし、捉えたのはロングコートだけで、本体は木の枝に移動していた。
 コートを失った紳士はタンクトップ姿となり、その全身からは無数の目玉が見えた。
 
 その紳士こそ百目本人であり、その百目の前に現れたのは店長だった。
 
 「おいコラ!せっかくのOFFの日に、しかも営業終了後の一番精神的にもゆっくりできる時間に余計な仕事増やしやがって。覚悟せいよ」
 
 「ふふふ、誰が誰に何を言っているのでしょう」

 
 深夜の鞍馬山で百目と土蜘蛛が睨み合った。
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