Holonic 〜百鬼夜行と僕との調和された世界〜

阿弥陀ヶ峰 風月

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1章 悪しき化け物は花火と化して咲いて散る

18話 望遠の記憶

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 無数の化け物どもからなる骸の頂に、天狗と不死鳥は立っていた。
 
 
 この辺りでこの二体を知らぬ者なし。
 
 仙術師 天狗の牛丸。
 不死の鳥 神獣の鳳凰。
 
 と聞けば、あらゆる化け物も泣いて逃げていくだろう。

 この頃二体を知らず喧嘩を売ってくるのは、大陸から日本を攻めてくる化け物くらいだろうか。
 またこの二体も己達の強さに自信を持ち、向かうところ敵なしの状態だ。

 「牛丸よ、最近はよそ者ばかりが余達の相手だ。正直なところ面白くないぞ」
 
 「確かにな、鳳凰よ。もうこの国には我々を相手してくれる化け物は居らぬのだろう」
 
 「噂では酒呑童子、九尾の狐、土蜘蛛、鵺が、この国最強の化け物四天王と呼ばれておるらしいぞ」
 
 「四天王か。彼らが相手なら少しは楽しい戦いができるのだろうか?」

 牛丸は類稀な妖力量を持ち、冥府より召喚した鳳凰に己の妖力を餌として与え続けて、使役することに成功した。
 また人間から化け物になった稀有な存在なため、新興勢力として目立ち始めていた。

 四天王なら誰から殺るべきか?
 など、牛丸と鳳凰はそんな会話をいつも楽しんでした。

 手短な相手で考えると、糸傀儡の術で有名は土蜘蛛が近くにいるようだ。
 
 牛丸と鳳凰は入念な下調べを行い、土蜘蛛から手を付けることを決めた。


 ――――――


 その頃の土蜘蛛はベテランの陰陽師の姿をしており、宮内で人間として勤めていた。

 ある夜、牛若たちは土蜘蛛に仕掛ける。
 深夜に町の橋の上におびき寄せ、戦いを挑もうとしたのだ。

 「お主たち、私を朝廷直属陰陽師 樹下幽玄《きのした ゆうげん》 と知ってのことか?」
 
 「お前、土蜘蛛だろ?」
 
 「なにを戯けたことを……」
 
 「仙術で相手の気の流れを読める儂にはわかるのだ。お前の気の流れは人間のものではない」

 土蜘蛛は牛丸と鳳凰を眺めている。
 焦っている様子や殺気をまるで感じない。
 2体は土蜘蛛の出方を警戒した。

 「土蜘蛛だとしたらなんの用だ?」
 
 「殺しに来た」
 
 「なぜだ?」
 
 「四天王といわれるお前を倒して、最強の化け物に近づくためだ」
 
 「そうか、なら負けを認めよう」
 
 「……!」

 なんだコイツは?
 と2体は思った。戦いもせず勝ちを譲る意味が理解できなかった。
 恥ずかしくないのか?格好悪く思わないのか?

 「土蜘蛛よ。四天王としての誇りはないのか?」

 土蜘蛛はその一言で豹変する。
 
 「んなもんあるかい!なんやねん四天王って、興味もないわ」
 
 「儂はなんとしてでもお前と戦って……」
 
 「そやから俺に勝ったと言いふらしたらええやないか、俺は朝廷直属陰陽師やで!いっそがしいねん」

 陰陽師など人間の仕事だ、決して化け物の仕事ではない。
 この化け物は陰陽師に扮して何を企んでいるのか?

 「戦いもせず勝ちを譲られても嬉しくもない。このまま退くわけにはいかぬな」
 
 「お前らの都合なんか知るかい。俺は今目立ちとうないねん。3年後くらいなら相手したるわ」
 
 「なんだその3年後というのは?」
 
 「関係ないやろ、お前には!」
 
 戦いを挑んだことにすごく迷惑そうだ。
 これだけ嫌がられると、流石に……という気分になった。

 「なら2年、いや1年待とう!それでどうだ」
 
 「俺の弟子の成長次第や。あいつが一人前になったらかまへん」

 土蜘蛛はこの時、一人の人間に陰陽術を教えていた。
 生きていれば、安倍晴明の代わりに現代にまで名を遺すのは彼女だったかもしれない。
 のちに非業の死と遂げる巫女 堀尾 卑弥呼《ほりお ひみこ》が土蜘蛛の弟子であった。

 「代わりに九尾の居場所教えたるし、そこいけや!」
 
 「……九尾の居場所を知っているのか?」

 2体を相手にしたくない土蜘蛛は、九尾の狐に矛先を向けさせた。
 何としても四天王と呼ばれる化け物と一戦交えたい2体は、教えられた場所へ向かうのだった。


 ――――――


 九尾の狐は、土蜘蛛と同じ宮内で女中として生活していた。

 「いったいどうなっているのだ?宮内に四天王が2体も……」

 土蜘蛛に依頼し、九尾の狐を呼んでもらうのだが返事はまさかだった。

 「今の生活が好きなんだ。邪魔しないでくれるかい?勝ちなら譲るよ」

 だった。
 
 こんな腑抜けた連中が四天王?……2体は怒りを覚えた。
 酒呑童子、鵺もこんな連中なのだろう。がっかりだ。

 そこで九尾の狐がこんなことを言い出した。

 「そんな強い連中と戦いたいなら、冥府まで遠征に行けばいい。あそこなら私や土蜘蛛くらいの連中がたくさん居るんじゃないかな」
 
 「そやな、ただ閻魔の目を盗んで地獄の奥にいかなあかんで。閻魔がひとつの境界線や、奥の連中がこっちへ来られへんように見張っとるんや」

 「地獄の奥に行く馬鹿は中々いないから、警備はあまいよ。閻魔庁の壁に沿って裏に回ればいいだけさ」
 
 「俺もコイツと一緒で冥府の出やけど、地獄の30丁目くらいで引きかえした方がええで、俺は50丁目まで行って死にかけたからな」
 
 土蜘蛛を殺しかけた相手がいる冥府……。
 なんと楽しみな世界なのか。

 地獄の50丁目を超えれば土蜘蛛以上の強さになるってことだ。
 目標ができた。

 2体はすぐさま冥府へ向かう準備に入った。

 
 ――――――


 冥府への案内人は其処ら中にいる。

 案内人の化け物たちは人間界の金を渡せばすぐにでも動いてくれる。

 また三途の川の船頭もそうだ。
 金を握らせて、降り場を指定すれば閻魔庁の限りなく裏手に当たる場所まで運んでくれた。

 閻魔庁が地獄の1丁目に当たるらしいので、いとも簡単に2丁目まで来られた。
 とにかく、まっすぐに進めばいいと聞いている。
 丁と丁の境には等間隔に石が山済みされただけの塔が置いてあり、そこを通り過ぎると次の丁へ進んだことになる。地獄の大地は灰色の殺風景な景色が続いている。

 2体は50丁目を目標に進み始めた。

 1丁の感覚は広く、方向感覚も狂うので戦闘が増えれば増えるほど、進むのがむずかしい。
 20丁目までは簡単に進めたが、日数的には1か月ほどかかっている。

 さらに1か月ほど使い30丁目まで進んだ。

 なるほど、土蜘蛛が言っていたことが良くわかる。
 30丁目付近から食糧確保が難しくなった。
 また出くわす化け物も、それぞれが強い。

 土蜘蛛が言った通り、素直にここで引き下がっていれば良かったと後々思うことになる。
 
 天狗たちは土蜘蛛を追い越したいがため、そして己の力を過信し過ぎたため正確な判断ができなかった。
 35丁目を超えるころには先に進むため、2体は本気の戦いを何度も繰り返していた。

 そして38丁目にて大きな誤算が生じる。

 そこは灼熱の大地。
 溶岩を吹き出す大きな山が見え、地中も燃えているのか地面からも煙がでている。
 
 天狗は身体の水分を奪われ、冷静な判断を失いつつあった。
 35丁目を超えたあたりから、できる限り戦いを避けて進む方針に変えていたが、心身ともに疲労は限界を迎えていた。
 せめて40丁目にたどり着けば、人間界に戻ろう。
 その自分自身で立てた最低限の目標も足かせになっていた。
 
 そんな中、38丁目に現れた火竜によってすべてが崩される。

 人や化け物など、一飲みできそうなくらいの大きな身体をした炎の竜。
 空を飛び、火を吐き、岩を投げる。
 その規格外の強さに、2体は追い込まれた。

 仙術師 天狗の牛丸は、己の妖気を鳳凰に与え続けることで使役している。
 その2体の最強の戦闘スタイルは、牛丸の身体に鳳凰を取り込むことにあった。
 それこそが天狗の最大の術であり、新興勢力として恐れられた所以であった。

 「鳳凰よ、身体に入るがよい」
 
 「おう!」

 相手は火竜、鳳凰の炎では叩きにくいことはわかっているが、何よりも超回復の能力が必要だった。
 火竜への攻撃には仙術や陰陽術の陽の法を使う。

 牛丸は鳳凰を体内に取組み、火竜に挑んだ。


 ――――――


 半死半生の牛丸の目に、鳳凰が火竜に喰われる瞬間が写っていた。

 「牛……丸、にげ……ぇぇ」

 ――ブチッ!――

 鳳凰の片足が火竜の口から落ちてきた。

 鳳凰が喰われた。
 牛丸は激しいダメージを受け続け、鳳凰を使役できる妖力がなくなり、分離した瞬間に鳳凰は狙われた。
 そして本体を喰われた鳳凰は片足だけが残った。

 「あぁ……あ」

 牛丸はようやく恐怖した。
 まるで勝ち目がない相手だと、ようやく認識ができた。
 牛丸は我を失い、鳳凰の脚を拾って泣きながら火竜に対して振り回した。

 「くるなぁー!こっちへ来るなぁー!あ、あっちへ行けぇー!!」
 
 最強を求めた仙人とは思えない体裁。
 日本の化け物四天王に、喧嘩を売ってまで戦いを求めていた者とは思えない悲しい現実。

 牛丸は叫びながら走った。
 恐怖に飲み込まれながら、叫びながら、泣きながら、鳳凰の脚を振り舞わしながら逃げた。

 「お前に飼われていた霊獣の方が余程の武士だったようだ……お前など殺すにも値せん。二度と我の前に現れるな醜き者よ!」

 火竜に憐れみをかけられるくらい、醜い姿で牛丸は走った。
 走って、走って、走り続けて逃げた。
 気が付いたころには三途の川の船頭に人間界へ戻してくれと懇願し泣きついていた。
 
 
 この日、天狗は一人だけ生き残って人間界へ帰って来たのである。


 ――――――


 鳳凰は僕の中で遠い記憶を思い出していた。

 体内に入り、妖力を与えられる代わりに己の力を貸す出す戦闘スタイルは牛丸と同じものだ。
 
 そこに百目は「誰も文句を言ってこれない圧倒的な力で、冥府も、神界もねじ伏せてやるわ」と言った。

 鳳凰は無知で愚かな遠い昔の自分たちを思い出してしまったのだろう。
 今でも自分自身を戒めたくなる記憶……だからこそ鳳凰は言ったのだ。

 
 「あの馬鹿にな……無知で愚かなアイツに引導を渡してやれ」
 
 「了解です!」

 全身を燃やし、右手と両脚に全妖力を集中させる。

 「この技を最後の一撃にします!」
 
 「さぁーて、わたしもいくかねぇ」
 
 「そうですね。そろそろ家にも帰りたいですから」

 
 この戦いもいよいよ終わる。
 
 次の攻撃ですべてが終わらせる。
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