Holonic 〜百鬼夜行と僕との調和された世界〜

阿弥陀ヶ峰 風月

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2章 夢を見ましょうか

27話 夢を見ましょうか

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 それは偶然だったのさ。
 本当にいつも通りの偶然。

 ランダムだからね。

 一度夢を見せた人間には二度と関わらない。
 それが私のポリシーだ。

 気まぐれで誰かを選び、好きな夢を見せる。
 ただそれの繰り返し。
 でもそれでいいのだよ、私は夢を見せられる特殊な力を持っている。
 だから私はその日も聞いたのさ。
 物心つく前に事故で両親を亡くした4歳の女の子にね。

 

 夢を見ましょうか?
 どんな夢がお望みでしょうか?
 ご希望がございましたら何なりとお申し付けください。

 ここは夢の中。
 どんな事だって思いのままです。
 好きな人とのデート。
 テーマパークで1日中友達と遊ぶ。
 スーパーヒーローになって悪人を倒す……等々お好きな内容で夢が見られます。

 方法は簡単です。
 この私からチケットを一枚受け取り、そのチケットを握りしめながら夢でみたい内容を思い描いてください。
 そのまま、先にある改札口を潜ればいいだけ。
 
 それだけで、貴方はみたい夢を見ることが……!?。


 「ちぃーちゃんに痛いことをしない人の家で暮らす夢が見たいの」


 私はね、ある日そんな夢を希望する4歳の女の子と出会ってしまったのさ。
 今までどんな生き物でも1度会えば2度会うことは無かった。
 しかし私は、期間も空けずにまた彼女の夢に現れてしまうのだ。

 「美味しいごはんとおかずとお菓子をいっぱい食べる夢を見たい」

 「本当のパパとママと一緒におうちで暮らす夢を見たい」

 「ちぃーちゃんが痛いことをされている時にパパとママが助けに来てくれる夢を見たい」

 信じられるかい?4歳の子供が夢で願う内容がこれだよ。
 衝撃さ。
 何百人と子供の夢を見てきたけれども、私の知っている子供の夢ではなかった。

 数々の虐待を受け続け、夢で会う度にやせ細り生傷が増えていく彼女の命が尽きそうなある日、私は彼女に正夢の術の話を持ち掛けた。
 彼女の命の対価としての叶えたかった夢は何だったと思う?

 「死んだらパパとママとずっと一緒にいたい」……だ。

 自分の命と引き換えに恨みある者の死を願うではなく、死んだあとの世界で両親と暮らすことを願ったのだ。
 彼女の正夢の術は見事に成就したよ。
 まさにハッピーエンドだ……。

 ハッピーエンド?
 違う。
 彼女はハッピーエンドだったのかもしれない。
 しかし私は違う、なにか言い切れない感情が残り続けた。

 彼女は山姥と坂口の快楽のため激しい暴力を毎日受けていた。
 坂口という男は性的虐待まで与えていた。
 私はね、色々な種族が生きるためにせざるを得ない善悪に関して何もいうつもりはない。

 ただね。
 この2匹には純粋に嫌悪感を抱いた。
 私は人間で言うところの正義を執行せずにいられなくなったのさ。

 私には戦闘をする力がない。
 だから坂口という男にはサキュバスを取り憑かせた。
 幼女に淫行する夢を生気が吸い取られることを理解しながら毎夜毎夜リクエストしていたよ。
 サキュバスによって時間をかけてでも、ゆっくりと坂口に引導を渡す計画だった。
 山姥に関しては、坂口が死んでから正夢の術を持ちかけ、坂口を生き返らせるために命をかけるかどうかに賭けようと思っていた。
 まぁ可能性はかなり低かっただろうけどね。
 
 最悪、夢遊空間にて意識を監禁して、その間に生身の山姥の身体にダメージを与えることも考えていた。
 ただ、いかんせん現実世界では力が出せない私に、山姥を殺せるほどのダメージを与えられるのかどうかの不安はあった。
 現実世界でもある程度自由に動ける枕返しが羨ましく思うよ……。

 そうこうして計画が進んで行くうちに、君たちが夢遊空間まで現れてしまい、今に至るわけさ。
 一時はどうなるかと思いはしたが、最終的に私の計画は目標を達成した。
 満足しているよ。



 
 僕たちは夢の番人の話を黙って聴いた。
 さとりの眼を通して心の声も見えているため、嘘偽りのない話だとわかる。

 「そして人間よ。友人の仇で私を撃つかい?先も言った通りこちらの空間では私は戦う力などない。君は私を瞬殺できるだろうね」

 酷な質問だ。
 できるわけないだろうそんなこと。
 僕は事実を知った時、彼をこの場で殺すべきだと考えたほどなのだから。
 むしろ夢の番人は、手引きはしたものの全てを説明した上で相手に術を発動させている。
 つまり本人に選択肢があり、全責任が本人に委ねられた結果なのだ。
 
 夢の番人に対して、敵対心などありはしない。

 「いや、あなたには何もするつもりはないよ」

 「……そうか」
 
 「おい!夢の」

 「!」

 枕返しが夢の番人に向かって言った。

 「存在理由なんて考えっからややこしいだお前は!俺たち化け物なんだぜ。生きたいように生きて、やりたいようにやってよ、たまに化け物連中とつるんで騒いでりゃそんな難しいこと考えねえよ。いっつも1人で活動してるから深みに嵌るんだぜ」

 「……」

 「暇な時間があるなら俺んとこに来いよ。話し相手ぐらいにはなってやるぜ」

 夢の番人は少し俯いた。
 何だろう、笑っているように見えた。

 「枕の……まったく君には敵わないな。長きに渡る私の疑問を一瞬で答えを出すだなんてね」

 「迷い家の天狗とよく飲んでるんだ。今度誘ってやるぜ」

 「楽しみにしているよ」

 夢の番人がそう言うと空間に黒い渦巻が現れた。
 その渦巻を潜って帰ろうとした彼は、最後にこちらを向いた。

 「お前達には感謝している。もし夢で逢えるとしたら……サービスさせていただくよ」

 そう言い残して夢の番人は渦巻に消えた。


 ――――――


 「この家を出てしばらくしてから結界を解きます。そうすることであの家に出入りした私たちの痕跡は残りません」

 先輩が話し終えた後、我々は家を後にした。
 4人でマンションに戻るなり、妖狐はあの家の地下に蠢く子供達の成仏を天狗に依頼してくれた。

 
 「それじゃ、俺は帰るぜ」

 「枕返し、今回は本当にありがとうございました」

 「別に構わねえよ」

 「ありがとう」

 僕もお礼を言った。
 枕返しはめんどくさそうに僕を見上げて返してきた。

 「火鳥 煉な。たまに迷い家へ来てるって天狗から聞いてるぜ。そん時に飲んでやる、飲んでやっと仲間だからな」

 「うっ、うん。わかった」

 未成年だし飲めないんだ……なんて化け物には通じないか。
 
 「じゃあな」

 枕返しは迷い家の門を開けて帰って言った。

 「それでは私も失礼します」

 先輩も住み着いているお婆さんの家に戻った。
 そして僕たちはいつも通りの生活に戻る。
 

 その後授業中に飛び出したことで、学校から叔父さんと叔母さんにも連絡が入り大目玉を食らった。
 でも怒ってくれる人がいるということが、幸せなことだと僕は知っている。

 
 ――――――

 
 数日後、学校からの依頼で音信不通になった坂口くんの家に警察が向かい事件は明るみになった。

 
 里親と里子の無理心中という見出しでニュースにもなった。
 また家の地下から複数の子供たちの遺体が見つかったことで、世間を震撼させる大きな事件となり、人々の記憶に深く残るものとなった。

 「えらく大事になったねぇ」

 「それはそうですよ。こんな事件滅多にないですから」

 今日はアルバイトが休みなのでマンションでゆっくりしている。
 妖狐はリビングでテレビのニュースを退屈そうに見ていた。
 叔父さんは仕事でいない。
 叔母さんは今回の事件に関して夜から開催されている保護者説明会に出席しているので、部屋には僕と妖狐の2人だけだ。
 戯れのつもりで、妖狐から質問をしてきた。

 「君にもし正夢の術が使えるとすれば、何を夢見て死んでいくんだい?」

 「えっ?」

 少しは考えていたことだ。
 自分の立場に置き換えた時、僕はどんな願いを残して死んでいくのだろう。
 でも真剣に考えてみたものの思い付かなかった。

 「考えてはみたんですけど思い付かなくて……氷花さんは?」

 「さぁねぇ、基本的に化け物は自分第一主義なんだよ。自分の命を懸けてまで求める願いなんて思いつかないね」

 夢の番人も言ってたっけ、知里ちゃんの正夢の術の願いは、自分の命と引き換えに恨みある者の死を願うのではなかった……と。
 それが彼からしたら不思議だったのだ。
 そこも人間と化け物の違いなのだろう。

 「でもさ……もしわたしに子供がいたりして、その子のためになるとするのなら……」

 「……なるとするなら?」

 「正夢の術、使っちまうのかねぇ」

 妖狐は少し優しい目をして、何かを想像しながら話した。
 わたしみたいな者に旦那ができて子供がいる、そんなこと自体が夢物語なんだ。
 と言って妖狐は微笑んだ。

 それなら僕も夢物語くらい言える。
 人間と化け物が共存している世界を造りたい。
 そしていつか人間に戻りたい。

 「そうかい。願望や希望が夢というものに該当するのなら、人間と化け物は総じて浅はかで単純な生き物だね」

 「はい、僕は真ん中の立場ですから自信を持って言えます。人間と化け物は似てるところありますよ」

 「ふふっ、叶うといいね君の夢」

 「はい。氷花さんの夢も」

 化け物より化け物な人間の存在。
 自身の存在理由を探した人間のような化け物。
 僕からすれば信じられない存在だった。

 でも夢の番人。
 彼の存在理由は素晴らしいものだと思う。
 見たい夢を見せるということは、みんなの心のケアをしていることだと思う。
 そして夢が叶った世界を前もって見せていることになるんだ。
 
 誰にだって存在理由はある。
 それに気付かないのか、それを考えないだけ……。

 彼は今夜誰に夢を見せるのか?
 夢見る化け者に、旦那と子供ができた夢を見せるのだろうか?
 それとも、夢見る馬鹿に、人間と化け物が共存している世界をみせるだろうか?
 
 
 
 
 夢を見ましょうか?
 どんな夢がお望みでしょうか?
 ご希望がございましたら何なりとお申し付けください。

 ここは夢の中。
 どんな事だって思いのままです。
 好きな人とのデート。
 テーマパークで1日中友達と遊ぶ。
 スーパーヒーローになって悪人を倒す……等々お好きな内容で夢が見られます。

 方法は簡単です。
 この私からチケットを一枚受け取り、そのチケットを握りしめながら夢でみたい内容を思い描いてください。
 そのまま、先にある改札口を潜ればいいだけ。
 
 それだけで、貴方はみたい夢を見ることができる。

 ただ報酬というわけではありませんが、チケットを受け取る際に貴方の元気と言いますか、生気と言いますか、それを少しですね……本当にほんの少しいただくことになります。
 
 そのため朝起きた時に気怠さが残ります、しかしそんなに気にするものでもありません。
 1日2日ゆっくりすれば回復します。

 さぁ、夢を見ましょう。
 現実世界は辛いことばかり、せめて夢だけは、夢の中だけは幸せな自分であろうではありませんか!
 
 お客様!本日はどのような夢を見ましょうか?

 

 たとえ泡沫の安息だとしても、それに救われる者もいるだろう。
 瞳を閉じればそこは楽園。
 彼は今夜も誰かに素敵な夢を見せている。
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