異世界転生した僕、実は悪役お兄様に溺愛されてたようです

野良猫のらん

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第八話 冒険者を募集します

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 爺やがボニーが書いた作文を見せてくれた。

「ほう、三ヶ月で結構しっかりとした文章を書けるようになったじゃないか。勉学に邁進しているようで何より」

 村の様子が詳細に知れる報告書にもなっている。
 このまま育て上げれば便利な村長になってくれそうだ。
 これからは定期的にボニーに報告書を書かせるのも面白いかもしれない。
 だがボニーよ、今の時点で教会と市壁を加えただけじゃ流石に町にはランクアップしないぞ。

 木を薄く切った板は村の開発でいくらでも手に入るので、ボニーにはそれに作文を書いてもらった。
 ロベールは横から木札を覗き込むと目をつり上げた。

「あの無礼な平民め、勝手に人の伴侶を綺麗だのなんだのと言いふらして回ってるのか……!」

 ロベールがぷんぷん怒っている様子に笑いが零れてしまう。

「ロベールは小さい頃から僕の見た目を綺麗だと言ってくれていたね」
「当たり前だろう。君より綺麗なものは見たことがない」
「……!」

 ロベールにしては随分と率直な物言いに不意を突かれてしまう。頬が熱くなるのを感じる。

「?」

 ロベールは何がおかしいか分かっていないかのようにきょとんとしている。
 もしかすれば彼にとって僕が綺麗なのは当たり前のこと過ぎて褒め言葉を言ったという意識もないのかもしれない。
 くそっ、ロベールの方が平然としているのに僕ばっかり頬が熱くなってるなんて不覚だ……!

「ええーとそれで、君の実家は? 何か言ってきてるか、僕たちがここを統治することについて」

 僕は誤魔化すように話題を変えた。

「いや。母上らは私が主導してダンジョン村の経営に乗り出したと思っているようだ。戦争にはいくらでも資金が必要だから小遣い稼ぎをしておきなさい、多少の援助はするからと仰せだ」

 どうやらナルセンティア絡みのことで厄介が起きそうな気配はとりあえずのところはない。
 ゲーム内と違ってロベールと実質的に結ばれたことでどんな新しいイベントが起きるか予測できない。
 ナルセンティア方面のことにはよくよく注意を払っておかなければならない。

「よくやった。僕とロベールの蜜月がいつまでも続くように上手く騙くらかしててくれ」
「み、蜜月って、だから言葉選びがだな……」
「事実だろう? 僕たちは新婚なのだから」
「まだ正式には式は挙げていないっ!」

 今度はロベールが頬を赤らめる番だった。
 僕は何かに勝った気分になって小さくガッツポーズをしたのだった。

「さて、村の設備は整いつつある。これから冒険者集めを始め、ダンジョン村として本格的に始動していくことになる」

 狼狽えている彼を置き去りにして話を進める。

「最寄りの町の冒険者ギルドにはもう掲示を頼んだのだろう?」

 ロベールも調子を取り戻すかのように咳払いをして答える。

「ああ。フランツの宿屋が営業を開始する予定の一月後にちょうど冒険者が集まり始めるように、少し時間を置いてからグリーンヴィレッジが冒険者を求めている旨を掲示を開始するように依頼してある」

 そして町の冒険者ギルドに依頼した掲示が効果を表し始めるであろう一月後――――事件は起こった。
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