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第二十六話 ビデオのチェックをしておきます
王都に向けて出発する前に、忘れずヴィデ・オブスキュラで撮られた映像を確認することにする。
「ヴィデ何とかとやら、無駄に名前が長いな」
ロベールが文句を言っている。
「じゃあ略してビデオってことで」
「ビデオ。そちらの方がいいな」
そういうことでロベールとビデオを鑑賞することになった。
執務机の上に置かれた水晶玉に声をかける。
「『再生』」
水晶玉の表面に映像が映し出される。
そうして保存されていた映像の再生が始まった。
映像の撮影はフロアボスと遭遇した後から始まったようだ。
上空からフロアボスと蟻のように小さい冒険者の群れを見下ろしている。
特撮に出てくる巨大怪獣のような大きさのフロアボスがダンジョンの中に収まっていることが不思議だが、ダンジョンの大きさは収縮自在で天井がどこまでも高く伸びるらしい。
フロアボスであるグレートベヒモスは鋼のような硬質な皮膚に覆われている自分の頭よりも巨大な角を生やした一角獣である。氷河期に生息していたサイ、エラスモテリウムに近い姿をしている。
冒険者たちは既に攻撃を開始している。
魔術師や弓手がひたすらに攻撃を浴びせ、ヒーラーが傷ついた者にひたすらに回復をかけているようだ。
わちゃわちゃとしていて正確に誰が何をしているのか把握するのは難しいが、グレートベヒモスが足を上げるのに合わせてわっと下がったり一斉に防御魔術を張る様はまるで冒険者たちが一つの生き物であるかのようだった。
グレートベヒモスの角が発光すると、映像が大きく揺れる。恐らくはこの映像を撮ってくれた少年が冒険者たちに何らかの合図を出しているのだろう。例えば拡声魔術を使って声を張り上げるなどして。このビデオは音声までは録音できないから推測することしかできない。
すぐに冒険者たちが防御魔術を張る。
映像も膜が張ったように色味が変わる。少年がビデオごと自分を包む防御魔術を張ったのだろう。
瞬間、角から放たれた光線が冒険者たちに襲いかかる。ビデオの方にも一筋の光が向かってきたかと思うと、見えない壁にぶつかったかのように直前で霧散した。防御魔術で防いだのだ。
やがてグレートベヒモスは何の前触れもなくあっさりと地面に倒れ伏した。あまりにもあっさり過ぎて地面に倒れ込んだのも何らかの攻撃行動だと思ったのか、しばらく冒険者たちは防御魔術を張り続けたままグレートベヒモスに近づこうとしない。
そこで映像が止まった。
恐らくは魔力がそれ以上保たなかったのだろう。
飛行魔術を行使しながらビデオに魔力を流すのは駆け出し冒険者らしき少年には少々ハードだったか。
「なんだ。少しも苦戦してないじゃないか」
ロベールが一言感想を漏らした。
「最初のフロアボスだからね。奥深くのフロアボスほど強くなるんだよ」
最初のフロアボスで苦戦しているようでは後が怖い。僕は今後も犠牲者ゼロでクリアしようと思っているのだから。
「それに……こういうのは少しでも苦戦したと思ったら次の瞬間には戦線が崩壊して死者が続出っていうのはよくあることだから。少しも苦戦しない方がいいんだよ」
「……すまない。私の言葉が考えなしだった」
ロベールは素直に反省の言葉を口にする。
「うん。冒険者の前ではそういうこと言わない方がいいかもね」
失言してしまう考えなしなロベールも僕にとっては可愛らしいんだけど、他の人にとってはそうではないだろうから。
「ヴィデ何とかとやら、無駄に名前が長いな」
ロベールが文句を言っている。
「じゃあ略してビデオってことで」
「ビデオ。そちらの方がいいな」
そういうことでロベールとビデオを鑑賞することになった。
執務机の上に置かれた水晶玉に声をかける。
「『再生』」
水晶玉の表面に映像が映し出される。
そうして保存されていた映像の再生が始まった。
映像の撮影はフロアボスと遭遇した後から始まったようだ。
上空からフロアボスと蟻のように小さい冒険者の群れを見下ろしている。
特撮に出てくる巨大怪獣のような大きさのフロアボスがダンジョンの中に収まっていることが不思議だが、ダンジョンの大きさは収縮自在で天井がどこまでも高く伸びるらしい。
フロアボスであるグレートベヒモスは鋼のような硬質な皮膚に覆われている自分の頭よりも巨大な角を生やした一角獣である。氷河期に生息していたサイ、エラスモテリウムに近い姿をしている。
冒険者たちは既に攻撃を開始している。
魔術師や弓手がひたすらに攻撃を浴びせ、ヒーラーが傷ついた者にひたすらに回復をかけているようだ。
わちゃわちゃとしていて正確に誰が何をしているのか把握するのは難しいが、グレートベヒモスが足を上げるのに合わせてわっと下がったり一斉に防御魔術を張る様はまるで冒険者たちが一つの生き物であるかのようだった。
グレートベヒモスの角が発光すると、映像が大きく揺れる。恐らくはこの映像を撮ってくれた少年が冒険者たちに何らかの合図を出しているのだろう。例えば拡声魔術を使って声を張り上げるなどして。このビデオは音声までは録音できないから推測することしかできない。
すぐに冒険者たちが防御魔術を張る。
映像も膜が張ったように色味が変わる。少年がビデオごと自分を包む防御魔術を張ったのだろう。
瞬間、角から放たれた光線が冒険者たちに襲いかかる。ビデオの方にも一筋の光が向かってきたかと思うと、見えない壁にぶつかったかのように直前で霧散した。防御魔術で防いだのだ。
やがてグレートベヒモスは何の前触れもなくあっさりと地面に倒れ伏した。あまりにもあっさり過ぎて地面に倒れ込んだのも何らかの攻撃行動だと思ったのか、しばらく冒険者たちは防御魔術を張り続けたままグレートベヒモスに近づこうとしない。
そこで映像が止まった。
恐らくは魔力がそれ以上保たなかったのだろう。
飛行魔術を行使しながらビデオに魔力を流すのは駆け出し冒険者らしき少年には少々ハードだったか。
「なんだ。少しも苦戦してないじゃないか」
ロベールが一言感想を漏らした。
「最初のフロアボスだからね。奥深くのフロアボスほど強くなるんだよ」
最初のフロアボスで苦戦しているようでは後が怖い。僕は今後も犠牲者ゼロでクリアしようと思っているのだから。
「それに……こういうのは少しでも苦戦したと思ったら次の瞬間には戦線が崩壊して死者が続出っていうのはよくあることだから。少しも苦戦しない方がいいんだよ」
「……すまない。私の言葉が考えなしだった」
ロベールは素直に反省の言葉を口にする。
「うん。冒険者の前ではそういうこと言わない方がいいかもね」
失言してしまう考えなしなロベールも僕にとっては可愛らしいんだけど、他の人にとってはそうではないだろうから。
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