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第三十四話 一回目の年跨ぎです
名残惜しいが、王都で新年を迎えるわけにはいかない。
ロベールと僕の新婚旅行は終わりを告げ、僕たちはグリーンヴィレッジに戻った。来た時と同じように転移神殿でナルセンティアに飛び、そこから馬車で何日かかけて戻ったのだ。
「おかえりなさいませ、ロベール様。アントワーヌ様」
僕たちの城に戻ると、爺やを含めた従者たち全員が出迎えてくれた。
「爺や、よくやった! 爺やのおかげで大金貨十枚で売れた!」
「主にお喜び頂けて何よりです」
僕は爺やを目にするなりオークションでのことを褒めた。
「うむ、私も半信半疑だったがやるではないか爺や。爺やは本当に何でもできるんだな」
ロベールもうんうんと頷いている。
ロベールは知らなかったかもしれないが、爺やは本当に何でもできるのだ。給仕も料理も掃除も整理整頓も事務仕事も狩猟も護衛も暗殺も何でもござれだ。
「新年を迎えるに辺りロベール様は十九歳に、アントワーヌ様は十七歳になります。旅の疲れもあるでしょうし、お二人はもうお休み下さい」
「分かった、そうしよう」
ロベールが素直に頷く。
前世とは違い、この国では新年を迎えるとみんな一斉に一つ年をとる仕組みになっている。生まれた瞬間はゼロ歳で、初めての一月一日を迎えた段階で一歳になる。だからもし十二月に生まれたら来月になった途端もう一歳になってしまう。
あと十二月の末日から年を跨ぐ瞬間までパーティをして徹夜する習慣があるので、その前日はたっぷり寝て休まなければならない。年越しパーティ足す誕生日会なのでそれは豪勢なパーティが開かれる。
「年跨ぎの準備は我々が進めておきます。お二方はどうか遠慮なくお休みください」
「ありがとう爺や」
僕たちのコートを預かる爺や。
爺やは今ではこの城の筆頭従者のようになっている。
他の従者たちに慕われているようで良かった。
そういうことで僕たちは寝室に戻ったのだった。旅行の荷物の荷ほどきは従者たちがやってくれている。
「いやいやいやなんで君まで私の寝室に来るんだ」
「え、ダメ?」
どさくさに紛れて一緒にロベールの寝室に入ったんだけど、指摘されてしまった。
「一緒に寝ようよロベール。僕もう十七歳になるんだよ。もういいでしょ?」
「新年を迎えるその時まで十七歳ではないし、そもそも、その……次の段階に進むときは式を挙げた後だと決めたはずだ!」
「添い寝するだけでもダメ?」
「駄目だ駄目だ!」
ロベールに寝室から追い出されてしまった……。
唇を尖らせてぷりぷりとしながら自分の寝室に戻ると、右耳から微かな雑音が聞こえたかと思うと、彼の声が聞こえ出した。
『その、イヤリングでの通信はしてもいいと思う。今はまだ明るい時間だしな』
寝室から追い出したのを後から悪いと思ったのだろうか。
彼の行動にくすりと笑ってしまう。
『うん、分かった。寝落ちるまでイヤリングで話そうね』
答えながら僕はベッドに寝転がる。
『いや眠くなったら言いなさい』
まったくロベールは固いんだから。
僕がロベールと同じベッドで寝れるようになる日はあと丸一年経って僕が十八歳になって、さらに式を挙げてからになる。
その日が待ち遠しくて堪らなかった。
ロベールと僕の新婚旅行は終わりを告げ、僕たちはグリーンヴィレッジに戻った。来た時と同じように転移神殿でナルセンティアに飛び、そこから馬車で何日かかけて戻ったのだ。
「おかえりなさいませ、ロベール様。アントワーヌ様」
僕たちの城に戻ると、爺やを含めた従者たち全員が出迎えてくれた。
「爺や、よくやった! 爺やのおかげで大金貨十枚で売れた!」
「主にお喜び頂けて何よりです」
僕は爺やを目にするなりオークションでのことを褒めた。
「うむ、私も半信半疑だったがやるではないか爺や。爺やは本当に何でもできるんだな」
ロベールもうんうんと頷いている。
ロベールは知らなかったかもしれないが、爺やは本当に何でもできるのだ。給仕も料理も掃除も整理整頓も事務仕事も狩猟も護衛も暗殺も何でもござれだ。
「新年を迎えるに辺りロベール様は十九歳に、アントワーヌ様は十七歳になります。旅の疲れもあるでしょうし、お二人はもうお休み下さい」
「分かった、そうしよう」
ロベールが素直に頷く。
前世とは違い、この国では新年を迎えるとみんな一斉に一つ年をとる仕組みになっている。生まれた瞬間はゼロ歳で、初めての一月一日を迎えた段階で一歳になる。だからもし十二月に生まれたら来月になった途端もう一歳になってしまう。
あと十二月の末日から年を跨ぐ瞬間までパーティをして徹夜する習慣があるので、その前日はたっぷり寝て休まなければならない。年越しパーティ足す誕生日会なのでそれは豪勢なパーティが開かれる。
「年跨ぎの準備は我々が進めておきます。お二方はどうか遠慮なくお休みください」
「ありがとう爺や」
僕たちのコートを預かる爺や。
爺やは今ではこの城の筆頭従者のようになっている。
他の従者たちに慕われているようで良かった。
そういうことで僕たちは寝室に戻ったのだった。旅行の荷物の荷ほどきは従者たちがやってくれている。
「いやいやいやなんで君まで私の寝室に来るんだ」
「え、ダメ?」
どさくさに紛れて一緒にロベールの寝室に入ったんだけど、指摘されてしまった。
「一緒に寝ようよロベール。僕もう十七歳になるんだよ。もういいでしょ?」
「新年を迎えるその時まで十七歳ではないし、そもそも、その……次の段階に進むときは式を挙げた後だと決めたはずだ!」
「添い寝するだけでもダメ?」
「駄目だ駄目だ!」
ロベールに寝室から追い出されてしまった……。
唇を尖らせてぷりぷりとしながら自分の寝室に戻ると、右耳から微かな雑音が聞こえたかと思うと、彼の声が聞こえ出した。
『その、イヤリングでの通信はしてもいいと思う。今はまだ明るい時間だしな』
寝室から追い出したのを後から悪いと思ったのだろうか。
彼の行動にくすりと笑ってしまう。
『うん、分かった。寝落ちるまでイヤリングで話そうね』
答えながら僕はベッドに寝転がる。
『いや眠くなったら言いなさい』
まったくロベールは固いんだから。
僕がロベールと同じベッドで寝れるようになる日はあと丸一年経って僕が十八歳になって、さらに式を挙げてからになる。
その日が待ち遠しくて堪らなかった。
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