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4.いいのか?
そうこうしていれば店に到着する。
木々に囲まれたログハウス風の建物がそれだ。それなりに風雪に晒され、過ぎた時間を感じさせるが、それがまたいい味をだしている。
ここはそう街から離れてはいないのに、まるで森の中にいるようで、ほっとひと息つける店だった。テラスには簡易だがコーヒーが飲める場所も作られている。
「ここ?」
「あ? あっ…ああ、うん。ここ、ここ」
大希の表情に気を取られていた俺は、慌てて返事を返した。大希は駐車場に車を停める。
この店は規模こそ大きくないが内容は充実していて、他にはない商品も取り揃えていた。
より実用的な品揃えで、玄人受けする物が多い。それ目当てに遠方からも客は訪れるらしい。
「で、大希は今日、なにを見たいんだ?」
「えっと、靴をね。今度、行こうと思っている山、低山なんだけど、スニーカーだと心もとなくてさ。でも、あんまりがっつりなのもどうかなと思うし…。何がいいかなって」
「それは悩むな…。祐二、他で接客してなきゃいいけど…」
車を降り、中に入って店内を見渡す。
店内は柔らかい間接照明に照らされ、温かい雰囲気に充たされていた。やはり、居心地がいい。客もチラホラ見かけられる。
俺は目的の人物を探すが──。
「いらっしゃいませ──って、大和か。早かったな?」
その目的、祐二の方から声をかけて来た。棚の間から顔を見せ、おやと眉を上げて見せる。
まだ春先なのにすっかり日に焼けていた。スキー焼けもあるらしいが、逆パンダ焼けになっていないのは、夏場の日焼けのお陰なのだろうか。
スキーは一度、誘われて岳と共に行ったのだが、二人とは余りにレベルが違いすぎて。
初心者レベル、子どもゲレンデでソリ滑りでもしていた方がお似合いの俺は、もう少し上達してから一緒に行こうと決めていた。
「祐二、こっちはさっき連絡した大希。登山用の靴、探しに来たんだ。見てもらえるか?」
「勿論」
そこへ大希が進み出て軽く会釈して見せる。
「浅倉大希です。前に大和が住んでいたアパートに入ったんです。大和が登山関係知ってそうだったから相談したらここがいいって。今日はよろしくお願いします」
「俺は瀬良祐二。よろしく。じゃあ、早速だけどこっち、来てくれるか?」
丁寧なあいさつに、祐二は快く引き受けると、大希の要望にあった靴を一緒に見てくれた。
そこへ俺も加わり、同じく祐二の説明をふむふむと腕を組みながら聞く。客としてちゃんと聞いたことがなかったからなかなか勉強になった。
それから小一時間ほど検討し、靴を選び終えテラスに出て一息つく。
大希の横には買ったばかりの靴の入った袋が置かれていた。祐二は二人分、コーヒーを淹れ、それぞれの前に置くと。
「コーヒーはサービスだ。俺は戻るけど、ゆっくりしてってくれよ。じゃあな」
「おう。ありがとな! また連絡する」
祐二は笑みでそれに応えて店内に戻って行った。大希はその背中を見送ったあと、ひそりと。
「…瀬良さん、いい男だね。大和の周りって、もしかして格好いいひと揃ってる?」
「まあ…、そうだな。岳含め、みんな揃うとなかなか壮観だぞ。…俺の存在なんて、出がらしのお茶みたいに薄いな…」
これは今でもそう思ってる。
比べて卑屈になることはないが、凄いなぁと相変わらず思うのだ。
しかし、大希は俺の顔を覗き込む様にして。
「そうかな? 大和は大和でかわいいと思うよ? 大和にパートナーがいなかったらお願いしてたかも…」
「はっ、はぁ!? おま、何言って──」
「冗談だって。真に受けすぎ。大和、ノンケに近いもん。初めから分厚い壁があるって分かってるのに行かないって。──でも…」
「でも…?」
「俺だったら日中、ずっと一緒に居られるけどね。仕事は夜だし。大和をひとりボッチにはさせてないかも。前、元気なかったじゃん。それって、寂しいからでしょ?」
大希はそう言ってこちらを見返す。
痛い所を突かれ思わずドキリとした。俺はわざとらしいくらい、笑顔になって。
「でも…こればっかりは、仕方ないし。割り切ってるって!」
「そう?」
大希は尚も何か言いたそうにしたが、俺は別の話題を振って、それ以上の追求を避けた。
けれど、確かに俺の中には寂しさが燻っていて──。
これは早々に自分の中で消化しないと、尾を引きそうだな。
心のうちでため息をついた。
+++
あれ、いいのか?
祐二はTシャツをたたみ直しながら、屋外のテラスで歓談する大和達に目を向けた。
大きく取られた窓の向こう、大希と話す大和の姿がある。
隣り合って座る大和と大希。何となく、その大希の距離が大和に近い。顔を寄せ、笑って肩をぶつけ合い、じゃれ合う。
仲の良い友人同士なら別に不思議な事はないが。
出会って間もないだろうに。
大和は直ぐに人と打ち解ける。
警戒心が薄いのだ。勿論、明らかに危険と思われる人物には、警戒の色を強めるだろうが。
別に大和と話している大希が、直ぐ様危険と言う訳じゃない。お互いに友達と思っているからのじゃれ合いだろう。
けど、なんか浅倉って奴のほうが距離の詰め具合がな。
気になるのだ。
ま、岳先輩が放って置きすぎってのがまずいと思うんだけど……。
「…報告だけしとくか」
岳が側にいてやれない分、周囲が協力してやるべきだろう。
先程、店のSNS用に撮った写真の中の一枚──今日来店したお客さんを許可を得て撮っているのだ──を添付して岳の端末に送る。
ただし、店のSNSに載せるものには、大希は仕事の関係で顔出しはNGと言うことで、大和は正面、大希は後ろ姿のみとなった。
しかし、岳に送ったものにはバッチリ二人の顔が写っている。
「何もないとは思うけど──」
祐二は簡単なメッセージと共に、先程撮った写真を送った。
+++
その頃、岳はようやくクライアントとの打ち合わせを終えて、事務所内の控室で遅いランチをとった後だった。
スタッフが取ってくれたデリバリーのチキンカツサンド。
すぐに食べれば美味しかったのだろうが、時間が経ったお陰で具の水分をパンが吸ってしまい、噛めば口の中でグシャリと具とパンが崩れた。正直、美味しくはない。
それでも、何も食べないのは良くないと大和に言われていたのを思い出し、無理やり詰め込んだ。
既に日が傾き始めている。ランチを通り越してアフタヌーンティーとでも呼んだほうがいいだろうか。
このあと、モデルを使っての撮影の打ち合わせが入っている。
ようやく見ることが出来た端末には、大和が友達と祐二の店へ買い物に行くという連絡と、その一時間後、祐二から『今日の大和。若い奴とデート中』と、写真と共にコメントが送られて来ていた。
相手は『浅倉大希』だ。
わざと煽るような言葉に岳への警告が含まれているような気がする。──いや、ような、ではなく、明らかに警告だ。
そこには新たな友人と買い物を終えた大和が顔を寄せ合い、笑顔で写っている。
岳は深いため息を吐き出した。
一緒にいられない言い訳など、いくつでも上げられる。
ここ最近、指名で仕事を貰える様になってきていた。断われば次はない。それに、やはりこの仕事を出来る事が嬉しい。頼まれれば、精一杯やりたいと思う。
でも、全部、言い訳だ。
お蔭でプライベートな時間はどんどん削られ、朝晩顔を見るくらいが関の山。
それでも大和は納得済みで。と言うか、応援さえしてくれる。今までの自分の思いを知っているからだろう。
けど、わかってる──。
このままでいいはずはないと。
ここの所、話す時間さえないのだから。
一緒にいる意味。それを、改めて考える。
仕事は勿論大事だ。けれど、もっと大切にすべきものがあるはず。
始めの頃こそ、忙しい事に充実感を覚えたが、それが続き始め、ふとこのままでいいのかと思うようになった。
一度は諦めて。それでも、やはり諦め切れず。
ようやく一緒になったのに。
仕事にかまかけて大切なものをないがしろにしてはいないか。気がついた時には手遅れになっていた、そんな事にはしたくない。
そこへ大和からのメッセージが入る。
『大希とラーメン食べてから帰る。岳もちゃんと食えよ~!』
カワウソが食事している絵と共に。岳は苦笑すると。
「…俺だって、ラーメン食いたいって」
大和と二人で。
ラーメンでなくとも、カップラーメンでもオニギリでも。時間が経って柔らかくなってしまったサンドイッチだっていい。
なんだっていいんだ。大和と一緒にいられるなら。
岳は思わず目の前のテーブルに突っ伏した。腕にサンドイッチの入っていた紙袋がクシャリと当たる。
大和は優しい。だから、岳を気遣って本心を押し殺してしまうだろう。
このまま行けば、また大和を失う事にもなりかねない。
「なにやってんだ? 俺は…」
端末の壁紙。
昇ってきた太陽を見つめている大和を、斜め後ろから撮った写真だ。山小屋で撮った一枚。
その口元には、薄っすらと笑みが浮かんでいる。
陽を受け輝く大和の横顔を、じっと見つめた。
木々に囲まれたログハウス風の建物がそれだ。それなりに風雪に晒され、過ぎた時間を感じさせるが、それがまたいい味をだしている。
ここはそう街から離れてはいないのに、まるで森の中にいるようで、ほっとひと息つける店だった。テラスには簡易だがコーヒーが飲める場所も作られている。
「ここ?」
「あ? あっ…ああ、うん。ここ、ここ」
大希の表情に気を取られていた俺は、慌てて返事を返した。大希は駐車場に車を停める。
この店は規模こそ大きくないが内容は充実していて、他にはない商品も取り揃えていた。
より実用的な品揃えで、玄人受けする物が多い。それ目当てに遠方からも客は訪れるらしい。
「で、大希は今日、なにを見たいんだ?」
「えっと、靴をね。今度、行こうと思っている山、低山なんだけど、スニーカーだと心もとなくてさ。でも、あんまりがっつりなのもどうかなと思うし…。何がいいかなって」
「それは悩むな…。祐二、他で接客してなきゃいいけど…」
車を降り、中に入って店内を見渡す。
店内は柔らかい間接照明に照らされ、温かい雰囲気に充たされていた。やはり、居心地がいい。客もチラホラ見かけられる。
俺は目的の人物を探すが──。
「いらっしゃいませ──って、大和か。早かったな?」
その目的、祐二の方から声をかけて来た。棚の間から顔を見せ、おやと眉を上げて見せる。
まだ春先なのにすっかり日に焼けていた。スキー焼けもあるらしいが、逆パンダ焼けになっていないのは、夏場の日焼けのお陰なのだろうか。
スキーは一度、誘われて岳と共に行ったのだが、二人とは余りにレベルが違いすぎて。
初心者レベル、子どもゲレンデでソリ滑りでもしていた方がお似合いの俺は、もう少し上達してから一緒に行こうと決めていた。
「祐二、こっちはさっき連絡した大希。登山用の靴、探しに来たんだ。見てもらえるか?」
「勿論」
そこへ大希が進み出て軽く会釈して見せる。
「浅倉大希です。前に大和が住んでいたアパートに入ったんです。大和が登山関係知ってそうだったから相談したらここがいいって。今日はよろしくお願いします」
「俺は瀬良祐二。よろしく。じゃあ、早速だけどこっち、来てくれるか?」
丁寧なあいさつに、祐二は快く引き受けると、大希の要望にあった靴を一緒に見てくれた。
そこへ俺も加わり、同じく祐二の説明をふむふむと腕を組みながら聞く。客としてちゃんと聞いたことがなかったからなかなか勉強になった。
それから小一時間ほど検討し、靴を選び終えテラスに出て一息つく。
大希の横には買ったばかりの靴の入った袋が置かれていた。祐二は二人分、コーヒーを淹れ、それぞれの前に置くと。
「コーヒーはサービスだ。俺は戻るけど、ゆっくりしてってくれよ。じゃあな」
「おう。ありがとな! また連絡する」
祐二は笑みでそれに応えて店内に戻って行った。大希はその背中を見送ったあと、ひそりと。
「…瀬良さん、いい男だね。大和の周りって、もしかして格好いいひと揃ってる?」
「まあ…、そうだな。岳含め、みんな揃うとなかなか壮観だぞ。…俺の存在なんて、出がらしのお茶みたいに薄いな…」
これは今でもそう思ってる。
比べて卑屈になることはないが、凄いなぁと相変わらず思うのだ。
しかし、大希は俺の顔を覗き込む様にして。
「そうかな? 大和は大和でかわいいと思うよ? 大和にパートナーがいなかったらお願いしてたかも…」
「はっ、はぁ!? おま、何言って──」
「冗談だって。真に受けすぎ。大和、ノンケに近いもん。初めから分厚い壁があるって分かってるのに行かないって。──でも…」
「でも…?」
「俺だったら日中、ずっと一緒に居られるけどね。仕事は夜だし。大和をひとりボッチにはさせてないかも。前、元気なかったじゃん。それって、寂しいからでしょ?」
大希はそう言ってこちらを見返す。
痛い所を突かれ思わずドキリとした。俺はわざとらしいくらい、笑顔になって。
「でも…こればっかりは、仕方ないし。割り切ってるって!」
「そう?」
大希は尚も何か言いたそうにしたが、俺は別の話題を振って、それ以上の追求を避けた。
けれど、確かに俺の中には寂しさが燻っていて──。
これは早々に自分の中で消化しないと、尾を引きそうだな。
心のうちでため息をついた。
+++
あれ、いいのか?
祐二はTシャツをたたみ直しながら、屋外のテラスで歓談する大和達に目を向けた。
大きく取られた窓の向こう、大希と話す大和の姿がある。
隣り合って座る大和と大希。何となく、その大希の距離が大和に近い。顔を寄せ、笑って肩をぶつけ合い、じゃれ合う。
仲の良い友人同士なら別に不思議な事はないが。
出会って間もないだろうに。
大和は直ぐに人と打ち解ける。
警戒心が薄いのだ。勿論、明らかに危険と思われる人物には、警戒の色を強めるだろうが。
別に大和と話している大希が、直ぐ様危険と言う訳じゃない。お互いに友達と思っているからのじゃれ合いだろう。
けど、なんか浅倉って奴のほうが距離の詰め具合がな。
気になるのだ。
ま、岳先輩が放って置きすぎってのがまずいと思うんだけど……。
「…報告だけしとくか」
岳が側にいてやれない分、周囲が協力してやるべきだろう。
先程、店のSNS用に撮った写真の中の一枚──今日来店したお客さんを許可を得て撮っているのだ──を添付して岳の端末に送る。
ただし、店のSNSに載せるものには、大希は仕事の関係で顔出しはNGと言うことで、大和は正面、大希は後ろ姿のみとなった。
しかし、岳に送ったものにはバッチリ二人の顔が写っている。
「何もないとは思うけど──」
祐二は簡単なメッセージと共に、先程撮った写真を送った。
+++
その頃、岳はようやくクライアントとの打ち合わせを終えて、事務所内の控室で遅いランチをとった後だった。
スタッフが取ってくれたデリバリーのチキンカツサンド。
すぐに食べれば美味しかったのだろうが、時間が経ったお陰で具の水分をパンが吸ってしまい、噛めば口の中でグシャリと具とパンが崩れた。正直、美味しくはない。
それでも、何も食べないのは良くないと大和に言われていたのを思い出し、無理やり詰め込んだ。
既に日が傾き始めている。ランチを通り越してアフタヌーンティーとでも呼んだほうがいいだろうか。
このあと、モデルを使っての撮影の打ち合わせが入っている。
ようやく見ることが出来た端末には、大和が友達と祐二の店へ買い物に行くという連絡と、その一時間後、祐二から『今日の大和。若い奴とデート中』と、写真と共にコメントが送られて来ていた。
相手は『浅倉大希』だ。
わざと煽るような言葉に岳への警告が含まれているような気がする。──いや、ような、ではなく、明らかに警告だ。
そこには新たな友人と買い物を終えた大和が顔を寄せ合い、笑顔で写っている。
岳は深いため息を吐き出した。
一緒にいられない言い訳など、いくつでも上げられる。
ここ最近、指名で仕事を貰える様になってきていた。断われば次はない。それに、やはりこの仕事を出来る事が嬉しい。頼まれれば、精一杯やりたいと思う。
でも、全部、言い訳だ。
お蔭でプライベートな時間はどんどん削られ、朝晩顔を見るくらいが関の山。
それでも大和は納得済みで。と言うか、応援さえしてくれる。今までの自分の思いを知っているからだろう。
けど、わかってる──。
このままでいいはずはないと。
ここの所、話す時間さえないのだから。
一緒にいる意味。それを、改めて考える。
仕事は勿論大事だ。けれど、もっと大切にすべきものがあるはず。
始めの頃こそ、忙しい事に充実感を覚えたが、それが続き始め、ふとこのままでいいのかと思うようになった。
一度は諦めて。それでも、やはり諦め切れず。
ようやく一緒になったのに。
仕事にかまかけて大切なものをないがしろにしてはいないか。気がついた時には手遅れになっていた、そんな事にはしたくない。
そこへ大和からのメッセージが入る。
『大希とラーメン食べてから帰る。岳もちゃんと食えよ~!』
カワウソが食事している絵と共に。岳は苦笑すると。
「…俺だって、ラーメン食いたいって」
大和と二人で。
ラーメンでなくとも、カップラーメンでもオニギリでも。時間が経って柔らかくなってしまったサンドイッチだっていい。
なんだっていいんだ。大和と一緒にいられるなら。
岳は思わず目の前のテーブルに突っ伏した。腕にサンドイッチの入っていた紙袋がクシャリと当たる。
大和は優しい。だから、岳を気遣って本心を押し殺してしまうだろう。
このまま行けば、また大和を失う事にもなりかねない。
「なにやってんだ? 俺は…」
端末の壁紙。
昇ってきた太陽を見つめている大和を、斜め後ろから撮った写真だ。山小屋で撮った一枚。
その口元には、薄っすらと笑みが浮かんでいる。
陽を受け輝く大和の横顔を、じっと見つめた。
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