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2章 僕らと新谷坂高校の怪談 ~恋する花子さん~
呼び出しは3回目で
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寮の玄関で東矢と別れたあと、自室に戻るとベッドに倒れこんだ。酷く疲れている。十分警戒していたと思ったのに、失敗した。
トイレで何かに関わった。今も首筋がチリチリと痺れている。この感触は逃げられていない。今も続いている。
これはどのくらいヤバイ奴だ? 『トイレの花子さん』なのか?
闇雲に動いても仕方がない。
俺は常軌を逸するレベルで運が悪い。身に染みている。
雷を呼び寄せる避雷針のように、悪いことは次々と俺に降りかかる。だから俺はなるべく目立たず、ひっそりと生きている。
幼馴染のアンリは俺とは真逆で、全てがアンリの思い通りだ。誰も彼もがアンリに喜んで従い、否定のない幸運の海の中でぷかぷか浮かびながら生きているような奴だ。けれども俺の過剰な不幸と同様、過剰な幸運もまた呪いに等しい。
どこで失敗した。
「ねぇあなた『面白そう』ね! 名前はなんていうんだっけ」
昼休みの終わり、アンリは俺の隣の席に話しかけた。
アンリが自主的に誰かに話しかけることは珍しい。
俺の隣は東矢一人。中肉中背。きれいな顔立ちをしているが、どこか自信なさげで目立たない奴だ。印象は薄い。
今週の初めに少し変化があった。ただでさえ目立たないのに更に目立たなくなった。空気みたいな奴っていうのかな。窓から教室に差し込む光すら東矢の存在を無視してそのまま透過するように、意識的に注意を向けなければいるのかどうかもわからないくらい、存在感が薄くなった。
何かあったのだろうかとは思ったが、人と関わってもろくなことがない。だから気にしないことにしていた。
「えっと、僕は東矢一人。坂崎さんだっけ?」
東矢は普通に困惑し、返答をためらった。アンリの幸運が影響しないその反応に、アンリは目を輝かせた。それは極めて稀なことだ。最近では俺だけだったはずだ。
俺は俺の都合で付き合っているが、アンリは狂ったトラブルメーカーだ。その狂気的な行動は、大抵の場合客観的には不幸も発生させている。アンリの求める『面白いこと』はたいていの他人にとってはろくでもない結果で終わる。それでもアンリが嫌われないのは、その強力な幸福補正で相手の認識を塗り替えるからだ。
だから俺は老婆心で無視するよう忠告した。けれども東矢は地雷を踏み続け、最悪な形でアンリのハートを撃ち抜いた。
「好きなもの、怖い話……とか」
最悪だ。東矢は俺と同じく、間違いなくアンリの『面白い奴』枠に入る。長期か短期かはわからないが、一定程度は俺も拘らざるを得ないだろう。
淡々と進む数学の講義を耳から耳へと流し、午後いっぱい頭をひねって考えた最適解。避けるのが不可避なら、良好な関係を築いてリスクを減らすのがいい。可能ならば味方に引き込む。いずれ破綻するとしても、こんなぽやぽやしたやつなら大した不利益にはならないだろう。
当面は当たりさわりなく観察して、適度に愛想を振りまいておこう。近い人間関係でもめるのは気分的にも最悪だし、それすらアンリは面白がって事態を悪化させるだろうから。
「東矢くん、私考えたよ! 今晩七不思議を探そう?」
放課後、案の定アンリは東矢に話しかけた。
アンリは深夜の学校探検に目を輝かせた。経験上も放置はやばい。不要なリスクを背負い込まないよう、極力危険を避ける方向で誘導した。うまくできたと思う。屋上やプールだと不運な俺は万一死ぬ可能性がある。
最終的に残したのは、アンリの話の間にサラリと差し込んだオーソドックスな『トイレの花子さん』だった。七不思議を探したいアンリの題材として不足はない。多分ここで、アンリの希望に沿った『トイレの花子さん』が発生した可能性が高い。
怪異ですら、大抵の場合は狂ったアンリの幸運に従う。
探検中も注意を怠らなかった。
トイレは校舎の東西の端近くにあり影が濃い。万一にも『トイレの花子さん』に巻き込まれないようトイレには入らず、アンリの探検の間、異変がないかを見張った。アンリは怪異発生を願っていて、全員がトイレに入れば逃げ道を無くす。途中休憩で東矢が迂闊なことを言ったが、前半はまあ何とかなった。
問題は3階西側の女子トイレだ。
見た目は他のトイレと同じく細い金属板で廊下と区切られたリノリウムの床が冷たく張られ、水場のせいか少しの湿り気を感じた。入り口から奥は見えない。俺には違いはわからない。
けれどもトイレに差し掛かった時から、東矢の様子は何かおかしかった。
一瞬ピクリと不自然に動きを止めて瞬きをした。目だけで左右を窺った。何かに戸惑っている表情だ。
その後アンリがドアが開かないと騒ぎ始め、東矢に様子を見に行ってもらった。しばらくは静かになったが、またガチャガチャとノブを回す音がし始める。
思わず舌打ちした。
東矢にアンリの止め方はわからないだろう。あれは強引にやらないと止まらないのだ。俺なんか以外には行動を止められたことがないからな。東矢が強引にトイレから追い出せる性格にも思えない。埒があかない。俺がさっさと回収するしかない。
トイレに入って『トイレの花子さん』はいないとアンリを説得した。
その時だ。
ふいに、首筋のざわめきが一本にまとまり、チリリと悪寒が走った。怪異に巻き込まれるときに感じる不幸の合図。
何が引っかかった?
トイレの様子は別段変わらなかったし、特段何かした覚えはない。
アンリが希望した『トイレの花子さん』を否定したのがまずかったのだろうか?
念のため『トイレの花子さん』についての東矢の認識も聞いたが、俺の認識とそう齟齬はなかった。
『トイレの花子さん』は小さな女の子の幽霊だ。幽霊なら俺は見えない。けれども幽霊ならば別に問題はない。俺の運はこれ以上下がりようもないほど悪いから、追加で一体見えないものに付きまとわれてもたいして影響はない。
それに最悪のパターンでもトイレに引きずりこまれる程度だ。昔のぼっとん式ならともかく今の学校のトイレは水洗で引きずりこまれることはない。被害はせいぜい足元が濡れるくらいだろう。
やはり相手はおそらく『トイレの花子さん』。遭遇状況から他には考えがたい。
けれども巻き込まれた原因がわからないと対策が立てられない。
先ほどは急いで退散したが、今も首筋の違和感は続いている。怪異に巻き込まれかけている。そういえば東矢はトイレの中でも妙に緊張していた。仕方がない、明日聞いてみよう。
今はこれ以上は考えられる情報はない、か。
翌朝、眠い頭をゆすりながら学校に向かう。
太陽が眩しく目が痛い。学年別に並んだ木製の靴箱がにじんで見える。昇降口で何人かと挨拶しながら靴箱を開け、手が止まった。上履きの上にそっと茶封筒が置かれている。しわ一つない、新品の茶封筒?
日に透かしてカミソリなんかの異物が入っていないかだけ確かめて封をあける。
「放課後に待っている」
そっけなくそれだけ書かれた紙が几帳面に三つ折りになって入っていた。
俺の靴箱には時折いろいろなものが投げ込まれる。ラブレター、呪いの手紙、果たし状。不幸によってこじれた人間関係の結実で、その残滓だ。
けれどもそれらはもう少しマシなものに封入されている。ラブレターであればかわいい封筒、呪いの手紙はおどろおどろしい封筒。果たし状の場合は紙そのままで封筒には入っていないことが多いし入っていても表面に筆ペンで『果たし状』と律儀に書いてある。
いずれにしても茶封筒には入れない。紙もコピー用紙だ。
この茶封筒という形式はどことなく事務的な感じがして、外形から意図が読めない。それに肝心の名前も場所も書いてない。事務連絡に必要な用件も満たされていない。
けれども封筒を触った瞬間、首筋がちりりとざわめいた。
昨日の夜が続いている。
暗がりからの闇討ではなく、穏当に手紙で呼び出すのなら差し迫った危険はないのかもしれない。そのことに僅かに安堵する。けれどもこれは異界のものだ。人間とは異なる理屈で動いている。吸血鬼が家に入るのに招待が必要なのと同じように、手続きとして被害者が呼び出しに応じる必要があるのかもしれない。
けれども始まった以上、俺の運命は悪い方向に転がりだすものだ。
見つかってしまったのなら放置は得策じゃない。時間がたつほどにこじれても困る。会話ができるなら直接聞いてみるのが早道かもしれない。どうしたものかな。
とりあえず事態を動かそう。
働かない頭でポケットから取り出したペンで手紙の裏に書置きをして、靴箱に戻す。
『17時半に校舎西側の保健室の裏で』
トイレで何かに関わった。今も首筋がチリチリと痺れている。この感触は逃げられていない。今も続いている。
これはどのくらいヤバイ奴だ? 『トイレの花子さん』なのか?
闇雲に動いても仕方がない。
俺は常軌を逸するレベルで運が悪い。身に染みている。
雷を呼び寄せる避雷針のように、悪いことは次々と俺に降りかかる。だから俺はなるべく目立たず、ひっそりと生きている。
幼馴染のアンリは俺とは真逆で、全てがアンリの思い通りだ。誰も彼もがアンリに喜んで従い、否定のない幸運の海の中でぷかぷか浮かびながら生きているような奴だ。けれども俺の過剰な不幸と同様、過剰な幸運もまた呪いに等しい。
どこで失敗した。
「ねぇあなた『面白そう』ね! 名前はなんていうんだっけ」
昼休みの終わり、アンリは俺の隣の席に話しかけた。
アンリが自主的に誰かに話しかけることは珍しい。
俺の隣は東矢一人。中肉中背。きれいな顔立ちをしているが、どこか自信なさげで目立たない奴だ。印象は薄い。
今週の初めに少し変化があった。ただでさえ目立たないのに更に目立たなくなった。空気みたいな奴っていうのかな。窓から教室に差し込む光すら東矢の存在を無視してそのまま透過するように、意識的に注意を向けなければいるのかどうかもわからないくらい、存在感が薄くなった。
何かあったのだろうかとは思ったが、人と関わってもろくなことがない。だから気にしないことにしていた。
「えっと、僕は東矢一人。坂崎さんだっけ?」
東矢は普通に困惑し、返答をためらった。アンリの幸運が影響しないその反応に、アンリは目を輝かせた。それは極めて稀なことだ。最近では俺だけだったはずだ。
俺は俺の都合で付き合っているが、アンリは狂ったトラブルメーカーだ。その狂気的な行動は、大抵の場合客観的には不幸も発生させている。アンリの求める『面白いこと』はたいていの他人にとってはろくでもない結果で終わる。それでもアンリが嫌われないのは、その強力な幸福補正で相手の認識を塗り替えるからだ。
だから俺は老婆心で無視するよう忠告した。けれども東矢は地雷を踏み続け、最悪な形でアンリのハートを撃ち抜いた。
「好きなもの、怖い話……とか」
最悪だ。東矢は俺と同じく、間違いなくアンリの『面白い奴』枠に入る。長期か短期かはわからないが、一定程度は俺も拘らざるを得ないだろう。
淡々と進む数学の講義を耳から耳へと流し、午後いっぱい頭をひねって考えた最適解。避けるのが不可避なら、良好な関係を築いてリスクを減らすのがいい。可能ならば味方に引き込む。いずれ破綻するとしても、こんなぽやぽやしたやつなら大した不利益にはならないだろう。
当面は当たりさわりなく観察して、適度に愛想を振りまいておこう。近い人間関係でもめるのは気分的にも最悪だし、それすらアンリは面白がって事態を悪化させるだろうから。
「東矢くん、私考えたよ! 今晩七不思議を探そう?」
放課後、案の定アンリは東矢に話しかけた。
アンリは深夜の学校探検に目を輝かせた。経験上も放置はやばい。不要なリスクを背負い込まないよう、極力危険を避ける方向で誘導した。うまくできたと思う。屋上やプールだと不運な俺は万一死ぬ可能性がある。
最終的に残したのは、アンリの話の間にサラリと差し込んだオーソドックスな『トイレの花子さん』だった。七不思議を探したいアンリの題材として不足はない。多分ここで、アンリの希望に沿った『トイレの花子さん』が発生した可能性が高い。
怪異ですら、大抵の場合は狂ったアンリの幸運に従う。
探検中も注意を怠らなかった。
トイレは校舎の東西の端近くにあり影が濃い。万一にも『トイレの花子さん』に巻き込まれないようトイレには入らず、アンリの探検の間、異変がないかを見張った。アンリは怪異発生を願っていて、全員がトイレに入れば逃げ道を無くす。途中休憩で東矢が迂闊なことを言ったが、前半はまあ何とかなった。
問題は3階西側の女子トイレだ。
見た目は他のトイレと同じく細い金属板で廊下と区切られたリノリウムの床が冷たく張られ、水場のせいか少しの湿り気を感じた。入り口から奥は見えない。俺には違いはわからない。
けれどもトイレに差し掛かった時から、東矢の様子は何かおかしかった。
一瞬ピクリと不自然に動きを止めて瞬きをした。目だけで左右を窺った。何かに戸惑っている表情だ。
その後アンリがドアが開かないと騒ぎ始め、東矢に様子を見に行ってもらった。しばらくは静かになったが、またガチャガチャとノブを回す音がし始める。
思わず舌打ちした。
東矢にアンリの止め方はわからないだろう。あれは強引にやらないと止まらないのだ。俺なんか以外には行動を止められたことがないからな。東矢が強引にトイレから追い出せる性格にも思えない。埒があかない。俺がさっさと回収するしかない。
トイレに入って『トイレの花子さん』はいないとアンリを説得した。
その時だ。
ふいに、首筋のざわめきが一本にまとまり、チリリと悪寒が走った。怪異に巻き込まれるときに感じる不幸の合図。
何が引っかかった?
トイレの様子は別段変わらなかったし、特段何かした覚えはない。
アンリが希望した『トイレの花子さん』を否定したのがまずかったのだろうか?
念のため『トイレの花子さん』についての東矢の認識も聞いたが、俺の認識とそう齟齬はなかった。
『トイレの花子さん』は小さな女の子の幽霊だ。幽霊なら俺は見えない。けれども幽霊ならば別に問題はない。俺の運はこれ以上下がりようもないほど悪いから、追加で一体見えないものに付きまとわれてもたいして影響はない。
それに最悪のパターンでもトイレに引きずりこまれる程度だ。昔のぼっとん式ならともかく今の学校のトイレは水洗で引きずりこまれることはない。被害はせいぜい足元が濡れるくらいだろう。
やはり相手はおそらく『トイレの花子さん』。遭遇状況から他には考えがたい。
けれども巻き込まれた原因がわからないと対策が立てられない。
先ほどは急いで退散したが、今も首筋の違和感は続いている。怪異に巻き込まれかけている。そういえば東矢はトイレの中でも妙に緊張していた。仕方がない、明日聞いてみよう。
今はこれ以上は考えられる情報はない、か。
翌朝、眠い頭をゆすりながら学校に向かう。
太陽が眩しく目が痛い。学年別に並んだ木製の靴箱がにじんで見える。昇降口で何人かと挨拶しながら靴箱を開け、手が止まった。上履きの上にそっと茶封筒が置かれている。しわ一つない、新品の茶封筒?
日に透かしてカミソリなんかの異物が入っていないかだけ確かめて封をあける。
「放課後に待っている」
そっけなくそれだけ書かれた紙が几帳面に三つ折りになって入っていた。
俺の靴箱には時折いろいろなものが投げ込まれる。ラブレター、呪いの手紙、果たし状。不幸によってこじれた人間関係の結実で、その残滓だ。
けれどもそれらはもう少しマシなものに封入されている。ラブレターであればかわいい封筒、呪いの手紙はおどろおどろしい封筒。果たし状の場合は紙そのままで封筒には入っていないことが多いし入っていても表面に筆ペンで『果たし状』と律儀に書いてある。
いずれにしても茶封筒には入れない。紙もコピー用紙だ。
この茶封筒という形式はどことなく事務的な感じがして、外形から意図が読めない。それに肝心の名前も場所も書いてない。事務連絡に必要な用件も満たされていない。
けれども封筒を触った瞬間、首筋がちりりとざわめいた。
昨日の夜が続いている。
暗がりからの闇討ではなく、穏当に手紙で呼び出すのなら差し迫った危険はないのかもしれない。そのことに僅かに安堵する。けれどもこれは異界のものだ。人間とは異なる理屈で動いている。吸血鬼が家に入るのに招待が必要なのと同じように、手続きとして被害者が呼び出しに応じる必要があるのかもしれない。
けれども始まった以上、俺の運命は悪い方向に転がりだすものだ。
見つかってしまったのなら放置は得策じゃない。時間がたつほどにこじれても困る。会話ができるなら直接聞いてみるのが早道かもしれない。どうしたものかな。
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