君に恋した1000日間の物語

hiro

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♯3出会い

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「運命の出会い」運命の出会いとはなんなのだろうか。

無自覚に運命の出会いを果たしているかもしれないし、無自覚に運命の出会いが終わってしまっているかもしれない。

赤い糸が目に見えるなら、
その糸をしっかりと掴んで手繰り寄せ、その出会いを確実な物にできるのに、
人生、世の中、そんなに甘くはない。

目に見えないから「そこ」にある糸を手繰り寄せられずに、
どんどん離れていく。
だから成就しない恋がある。

「そこ」にある赤い糸をどう見つけてどう手繰り寄せるのか、
その糸が本当に赤い糸なのか、
それを見分けれないと本物の「運命の出会い」は果たせないのだろうか。。。







悟は自分の名前が書いてあった席に座った。
席が書いてあった張り紙には、
隣の席には青柳楓(あおやぎかえで)と言う女の子が来るらしい。
人見知りの俺にとっては最初のファーストコンタクトが一番緊張する瞬間で、
ここで失敗をしてしまったら一年間気まずい空気になってしまう。
「なんとか頑張ろう」自分に言い聞かせていると、

「おはようございます」

耳にスッと入ってくる優しい声。
黒板に貼ってある張り紙を見てテクテクと近づいてくる。
「おはよう」「今日からよろしく」
そう言って俺の隣の席に座った。
青柳楓だった。

「よろしく」

スムーズに返せた。
優しい声のおかげか緊張せずにファーストコンタクトを終えた。
一言会話を交わしただけで、心がざわめいた。
このざわめきの正体はまだわからない。
ただ一つ今言える事は、「青柳楓を魅力的だと感じている事」。
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