もし空が青だったら .

りう .

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𝒐𝒏𝒆

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朝起きてからの一言目は
「遅刻だ」
でも心配することはない。
いつも通り朝飯を食って、制服に着替える。
「・・・走ろっかな」
今日はなんだか走りたい気分なので母さんに
「行ってきます」と言ってから自分の部屋のある二階に上がる。

ベランダに出て、柵を利用して屋根に上がって、走る。
風が吹いているわけではないが、俺には強風が吹いている。
上がった前髪をさらにかき上げて、額にひんやりとした風を感じる。
今日は気分がいい。
勘だけど、なにかいいことがありそうだ。

学校が見えてきたので『少しお邪魔します』と呟いてベランダに足を置いて地面に降りる。
着地は見事に成功した。 だが、
………しまった。 降りるタイミングを間違えた。

「き、きゃぁぁぁぁぁ!!!」
「西寺先輩っ!!」

俺に向けられた謎の悲鳴(?)と同時に俺の鼓膜も悲鳴をあげる。
やはりさっきの俺の勘は外れたようだ。
女子達がついてくる。ウザい。正直、すごくウザい。

「あ……!」
「雲谷くん!」

アメをくわえて眠そうに目を擦りながら寝癖をいじる俺の親友が来た。
「……おはよ…」

ᴋᴜᴍᴏᴛᴀɴɪ ᴀᴛᴜᴋɪ
   雲谷 蒼月

こいつとは赤ん坊のときから17年一緒だ。まぁつまり、俺らは高2ということだ。

「……ねぇ、れーくん」
「その呼び方で呼ぶな」
「ちぇ、別にいーじゃん」
「…で、なに?」
「生徒会の話なんだけど、人数少ないからもう少し増やしてほしいなぁって」
「ん……そうだな、そうするか」
そう、俺らは生徒会に入っている。
俺は会長、蒼月は副会長というところだ。
生徒会は全員で4人、結構少ないほうだ。

「じゃあ、今日の全校集会で言うか」
と言い終えたところで、
「バタン」と人が倒れるような音がした。

あーあ、嫌な予感がする。
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