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入試試験
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最初の幾つかの魔法を受けると、それを嫌がり動き出す。巨体とは思えぬ速度で残りの魔法を縦横無尽に動いてかわす。
「速い!」
しかし、いつの間にかリングを投げていた。輪の中央に異質な魔力が集まる。
「いいよフィンリー!! 確実にとらえたっしょ!」
だが魔物の一部が変形する。長く、しなやかに伸ばすとリングを弾き、方向をずらした。明後日の方向に星魔法が飛んで行く。
「そんな!」
二人がそれを一瞬目で追った時、リルが魔物の変化に気が付く。
「皆避けて!」
次の瞬間、鋭い棘に変化させた体をハリセンボンの如く、四方八方に伸ばした。避けきれずに皆傷を負った。地面に伏せる三人。重症でないのは不幸中の幸いだった。さらに魔物はボールのように転がる。弾き飛ばされ地面に転がる。機動力が削がれ避けられない。
「……風? ……とてもやさしい」
(淨の魔法。風と組み合わせることで直接触れなくても傷を癒す魔法、か。純粋な淨には劣るが、戦闘では重宝するだろう……ロロ、良い魔導師だ)
「これでだいぶマシになったはずよ」
「これはロロの。ありがとう!」
「問題はこれから……どうする?」
「フィンリーの魔法を当てれば貫けそうだけど……」
二人が見つめるも自信の無い答えが返って来た。
「でも……動きが早すぎて……」
(『フー、あれを使うよ』)
『あれって……おいまさか! まだ早い!』
(『大丈夫だよ……絶対に失敗はしないからっ』)
『……うん、知ってる。でも感性的にだな……もう少し磨いてからの方が』
(『もー! またよく分からないこと言う! 失敗しないからいいの!』)
そこで会話を無理やり終えたリルは二人に言う。
「私があれを抑える。ロロも援護して欲しい……動きを止めたところをフィンリー、お願い」
「え? あ、はい」
「へー、自信は?」
「ある!」
「それじゃあ、それで行きますかっ」
警戒していた魔物が攻撃する意思を感じ取ったのか、戦闘態勢に入った。リルは大きく深呼吸をして、丁寧に円を描いていた。その間、ロロは風の刃で自分に意識を向けさせる。
彼女は魔物の棘をギリギリで避ける。それを見て戦法を変わる。鋭い棘から柔軟な縄のように変化させ、捕獲重視に変更した。逃げ続けるロロが脚を取られた。
「しまった!!」
「速い!」
しかし、いつの間にかリングを投げていた。輪の中央に異質な魔力が集まる。
「いいよフィンリー!! 確実にとらえたっしょ!」
だが魔物の一部が変形する。長く、しなやかに伸ばすとリングを弾き、方向をずらした。明後日の方向に星魔法が飛んで行く。
「そんな!」
二人がそれを一瞬目で追った時、リルが魔物の変化に気が付く。
「皆避けて!」
次の瞬間、鋭い棘に変化させた体をハリセンボンの如く、四方八方に伸ばした。避けきれずに皆傷を負った。地面に伏せる三人。重症でないのは不幸中の幸いだった。さらに魔物はボールのように転がる。弾き飛ばされ地面に転がる。機動力が削がれ避けられない。
「……風? ……とてもやさしい」
(淨の魔法。風と組み合わせることで直接触れなくても傷を癒す魔法、か。純粋な淨には劣るが、戦闘では重宝するだろう……ロロ、良い魔導師だ)
「これでだいぶマシになったはずよ」
「これはロロの。ありがとう!」
「問題はこれから……どうする?」
「フィンリーの魔法を当てれば貫けそうだけど……」
二人が見つめるも自信の無い答えが返って来た。
「でも……動きが早すぎて……」
(『フー、あれを使うよ』)
『あれって……おいまさか! まだ早い!』
(『大丈夫だよ……絶対に失敗はしないからっ』)
『……うん、知ってる。でも感性的にだな……もう少し磨いてからの方が』
(『もー! またよく分からないこと言う! 失敗しないからいいの!』)
そこで会話を無理やり終えたリルは二人に言う。
「私があれを抑える。ロロも援護して欲しい……動きを止めたところをフィンリー、お願い」
「え? あ、はい」
「へー、自信は?」
「ある!」
「それじゃあ、それで行きますかっ」
警戒していた魔物が攻撃する意思を感じ取ったのか、戦闘態勢に入った。リルは大きく深呼吸をして、丁寧に円を描いていた。その間、ロロは風の刃で自分に意識を向けさせる。
彼女は魔物の棘をギリギリで避ける。それを見て戦法を変わる。鋭い棘から柔軟な縄のように変化させ、捕獲重視に変更した。逃げ続けるロロが脚を取られた。
「しまった!!」
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