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入試試験
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のけぞった竜。しかし、まだまだ恐ろしい唸り声をあげていた。
「しぶといわねー」
身構えるリル。だが、竜はそこで大胆な方向転換をした。狙いは治療中の二人。凄まじい速度で接近する。距離が離れると威力も精度も落ちる。離されまいと竜を追いかける。ロロは接近する竜を見ていた。
「ちょっと! まだ動けないっての!!」
ノラを守りながらどの魔法を放つか、ロロに迷いが生じた。
『リル! それは釣りだ。止まれ』
(『え?』)
竜は振り返った。勢いよく爪の薙ぎ払う。さらに尻尾で二人を攻撃する。
(流石にこれはきつい)
『二人は守る。そのまま竜に集中だ』
(『うん!』)
急な攻撃に壁を張る事すらも間に合わない。ロロは思わず眼を閉じた。しばらくしても痛みが無い事を疑問に思う。
「あれ? 死んだから痛みが無いとか?」
眼を開くと尻尾は目の前で止まっていた。
「ひぃ! でか!」
竜も予想外、透明な何かに当たり、動きが完全に止った。その隙にリルが多数の炎で攻撃を加える。余りの量に嫌がって一時的に空へと逃げる。
不思議な現象の前に無言のノラは、リルルナを鋭い眼差しで見ていた。ロロとフィンリーの状況を理解していない唖然とした反応。二人はしばらく動きを止めていた。そんな中、何事もなかったかのように動く者が一人。
「……貴方は……一体……」
竜は大きく息を吸い込む。
『ブレスが来るぞ。今の魔力は相殺は難しいぞ』
(『うん……』)
ロロたちと距離を取りながら杖の先に炎を宿す。それを目で追う竜。
(受け流す気だな。成功は五分ってところか。失敗すればこの戦闘に復帰出来ないだろうな……しかし)
灼熱のブレスが繰り出される。杖を前に出しした。触れた瞬間、全神経を集中して方向を変えようと力を込める。
「っ……駄目……受け流せない……」
そのままブレスに押し込まれそうになった時、変化が起きた。体が楽になったのだ。重い物を持ち上げようとした時に重量が減った感覚に近い。すぐ後ろにノラが立っていた。そして、氷の壁を差し込んで威力を軽減していた。
「やられっぱなしってのは嫌いよ」
「えへへ、私も」
そして、力を込めるとブレスを何とか反らした。リルはノラの左腕を見ていた。流石にそこまでは完治できない様だ。
「ああ、これ? 心配しないで。片手で十分。それより、あの竜を叩き落とすから協力しなさい」
せっかちなのか、そう言いながら前に進み出し、槍に雷を宿していた。
「分かった」
槍を柄を地面に突き刺した。地面から土が盛り上がる。飛ぶための足場を複数作ったようだ。彼女は間入れずにそれを蹴って空へと舞い上がる。リルは杖を振り、炎の槍でノラを援護する。
「しぶといわねー」
身構えるリル。だが、竜はそこで大胆な方向転換をした。狙いは治療中の二人。凄まじい速度で接近する。距離が離れると威力も精度も落ちる。離されまいと竜を追いかける。ロロは接近する竜を見ていた。
「ちょっと! まだ動けないっての!!」
ノラを守りながらどの魔法を放つか、ロロに迷いが生じた。
『リル! それは釣りだ。止まれ』
(『え?』)
竜は振り返った。勢いよく爪の薙ぎ払う。さらに尻尾で二人を攻撃する。
(流石にこれはきつい)
『二人は守る。そのまま竜に集中だ』
(『うん!』)
急な攻撃に壁を張る事すらも間に合わない。ロロは思わず眼を閉じた。しばらくしても痛みが無い事を疑問に思う。
「あれ? 死んだから痛みが無いとか?」
眼を開くと尻尾は目の前で止まっていた。
「ひぃ! でか!」
竜も予想外、透明な何かに当たり、動きが完全に止った。その隙にリルが多数の炎で攻撃を加える。余りの量に嫌がって一時的に空へと逃げる。
不思議な現象の前に無言のノラは、リルルナを鋭い眼差しで見ていた。ロロとフィンリーの状況を理解していない唖然とした反応。二人はしばらく動きを止めていた。そんな中、何事もなかったかのように動く者が一人。
「……貴方は……一体……」
竜は大きく息を吸い込む。
『ブレスが来るぞ。今の魔力は相殺は難しいぞ』
(『うん……』)
ロロたちと距離を取りながら杖の先に炎を宿す。それを目で追う竜。
(受け流す気だな。成功は五分ってところか。失敗すればこの戦闘に復帰出来ないだろうな……しかし)
灼熱のブレスが繰り出される。杖を前に出しした。触れた瞬間、全神経を集中して方向を変えようと力を込める。
「っ……駄目……受け流せない……」
そのままブレスに押し込まれそうになった時、変化が起きた。体が楽になったのだ。重い物を持ち上げようとした時に重量が減った感覚に近い。すぐ後ろにノラが立っていた。そして、氷の壁を差し込んで威力を軽減していた。
「やられっぱなしってのは嫌いよ」
「えへへ、私も」
そして、力を込めるとブレスを何とか反らした。リルはノラの左腕を見ていた。流石にそこまでは完治できない様だ。
「ああ、これ? 心配しないで。片手で十分。それより、あの竜を叩き落とすから協力しなさい」
せっかちなのか、そう言いながら前に進み出し、槍に雷を宿していた。
「分かった」
槍を柄を地面に突き刺した。地面から土が盛り上がる。飛ぶための足場を複数作ったようだ。彼女は間入れずにそれを蹴って空へと舞い上がる。リルは杖を振り、炎の槍でノラを援護する。
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