39 / 48
個人戦
39
しおりを挟む
ノラの周囲。その地面から大量の水が上空に放たれた。炎の矢は一瞬でかき消された。
「うそぉっ!」
「やっぱり、貴方は凄い……リルルナ・フールマン」
(だろだろ?)
観客席のロロたちは盛り上がっていた。
「くー! おしかった」
「ぼ、僕も水魔法にやられました!! きっと追い詰めると使うんですよ!!」
「そ、そうかもね」
違うとは言わない優しさ。ロロは少し大人になった。マグナはまるで勝負が終わったかのような反応を見せた。
「力押しに切り替えたか。ノラの魔力から繰り出される水魔法は流石にリルルナの火魔法じゃ消せない。もう小細工は通じない」
「マグナ。リルルナ君はまだ全てを出しきってませんよ。そんな早計だから何時も足をすくわれるのです」
「少なくともお前にすくわれた事は無いがな」
「ははは、記憶力低下の兆候あり。歳はとりたくないものです」
「記憶に残らない程度の事だったってことだな」
二人は笑顔を絶やさなかった。ロロは呟いた。
「もしかして先生たちって仲悪い?」
「さ、さあ……」
アイナが珍しく立ち上がった。
「どうしたの?」
「そろそろ……」
「え……」
ロロはアイナのフードを見ていた。犬のような耳と尻尾があるのはまあいい。しかし、耳と尻尾は何故か動いていた。
フードを少しずらして根元を見る。やはりアイナは人であり、フードのデザインだった。フードを戻すと、ロロは動く尻尾を凝視していた。チラリとダルそうにロロの方を向いた。
「……気に、なる?」
「え!! あ、ま、まあ」
「魔力で……動いてる……」
「な、なんでわざわざ……?」
「伝達速度……向上……」
「喋るのが面倒なだけかーいっ」
「そうとも……言える……」
ノラが放出する水魔法。天に昇る水を操り、それをぶつける。慌てて避けるリル。同時に、リルを挟むようにノラも接近する。それに気が付いて炎の槍を放つが、少量の水魔法でそれを消し飛ばす。
水魔法に挟まれ、ノラの槍が雷を帯びる。観客席の者たちは決着を予想していた。しかし、リルが小さな玉を投げる。その水をせき止めるように土の壁が発生した。ノラは接近を止める。
「魔道具……ッ」
僅かな硬直の隙に、多方面から火の矢が飛んで来た。再び強力な水魔法を使おうとした時、ドーム状に作った地の魔法でノラを閉じ込める。
水魔法を止める。地で覆われた内部を水で満たす訳にはいかない。そうすれば自分の呼吸が出来なくなり、意識を失って敗北する。しかし、中には火の魔法が入り込んでいた。
「くっ……これをずっと狙ってッ」
「うそぉっ!」
「やっぱり、貴方は凄い……リルルナ・フールマン」
(だろだろ?)
観客席のロロたちは盛り上がっていた。
「くー! おしかった」
「ぼ、僕も水魔法にやられました!! きっと追い詰めると使うんですよ!!」
「そ、そうかもね」
違うとは言わない優しさ。ロロは少し大人になった。マグナはまるで勝負が終わったかのような反応を見せた。
「力押しに切り替えたか。ノラの魔力から繰り出される水魔法は流石にリルルナの火魔法じゃ消せない。もう小細工は通じない」
「マグナ。リルルナ君はまだ全てを出しきってませんよ。そんな早計だから何時も足をすくわれるのです」
「少なくともお前にすくわれた事は無いがな」
「ははは、記憶力低下の兆候あり。歳はとりたくないものです」
「記憶に残らない程度の事だったってことだな」
二人は笑顔を絶やさなかった。ロロは呟いた。
「もしかして先生たちって仲悪い?」
「さ、さあ……」
アイナが珍しく立ち上がった。
「どうしたの?」
「そろそろ……」
「え……」
ロロはアイナのフードを見ていた。犬のような耳と尻尾があるのはまあいい。しかし、耳と尻尾は何故か動いていた。
フードを少しずらして根元を見る。やはりアイナは人であり、フードのデザインだった。フードを戻すと、ロロは動く尻尾を凝視していた。チラリとダルそうにロロの方を向いた。
「……気に、なる?」
「え!! あ、ま、まあ」
「魔力で……動いてる……」
「な、なんでわざわざ……?」
「伝達速度……向上……」
「喋るのが面倒なだけかーいっ」
「そうとも……言える……」
ノラが放出する水魔法。天に昇る水を操り、それをぶつける。慌てて避けるリル。同時に、リルを挟むようにノラも接近する。それに気が付いて炎の槍を放つが、少量の水魔法でそれを消し飛ばす。
水魔法に挟まれ、ノラの槍が雷を帯びる。観客席の者たちは決着を予想していた。しかし、リルが小さな玉を投げる。その水をせき止めるように土の壁が発生した。ノラは接近を止める。
「魔道具……ッ」
僅かな硬直の隙に、多方面から火の矢が飛んで来た。再び強力な水魔法を使おうとした時、ドーム状に作った地の魔法でノラを閉じ込める。
水魔法を止める。地で覆われた内部を水で満たす訳にはいかない。そうすれば自分の呼吸が出来なくなり、意識を失って敗北する。しかし、中には火の魔法が入り込んでいた。
「くっ……これをずっと狙ってッ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる