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個人戦
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ノラの周囲。その地面から大量の水が上空に放たれた。炎の矢は一瞬でかき消された。
「うそぉっ!」
「やっぱり、貴方は凄い……リルルナ・フールマン」
(だろだろ?)
観客席のロロたちは盛り上がっていた。
「くー! おしかった」
「ぼ、僕も水魔法にやられました!! きっと追い詰めると使うんですよ!!」
「そ、そうかもね」
違うとは言わない優しさ。ロロは少し大人になった。マグナはまるで勝負が終わったかのような反応を見せた。
「力押しに切り替えたか。ノラの魔力から繰り出される水魔法は流石にリルルナの火魔法じゃ消せない。もう小細工は通じない」
「マグナ。リルルナ君はまだ全てを出しきってませんよ。そんな早計だから何時も足をすくわれるのです」
「少なくともお前にすくわれた事は無いがな」
「ははは、記憶力低下の兆候あり。歳はとりたくないものです」
「記憶に残らない程度の事だったってことだな」
二人は笑顔を絶やさなかった。ロロは呟いた。
「もしかして先生たちって仲悪い?」
「さ、さあ……」
アイナが珍しく立ち上がった。
「どうしたの?」
「そろそろ……」
「え……」
ロロはアイナのフードを見ていた。犬のような耳と尻尾があるのはまあいい。しかし、耳と尻尾は何故か動いていた。
フードを少しずらして根元を見る。やはりアイナは人であり、フードのデザインだった。フードを戻すと、ロロは動く尻尾を凝視していた。チラリとダルそうにロロの方を向いた。
「……気に、なる?」
「え!! あ、ま、まあ」
「魔力で……動いてる……」
「な、なんでわざわざ……?」
「伝達速度……向上……」
「喋るのが面倒なだけかーいっ」
「そうとも……言える……」
ノラが放出する水魔法。天に昇る水を操り、それをぶつける。慌てて避けるリル。同時に、リルを挟むようにノラも接近する。それに気が付いて炎の槍を放つが、少量の水魔法でそれを消し飛ばす。
水魔法に挟まれ、ノラの槍が雷を帯びる。観客席の者たちは決着を予想していた。しかし、リルが小さな玉を投げる。その水をせき止めるように土の壁が発生した。ノラは接近を止める。
「魔道具……ッ」
僅かな硬直の隙に、多方面から火の矢が飛んで来た。再び強力な水魔法を使おうとした時、ドーム状に作った地の魔法でノラを閉じ込める。
水魔法を止める。地で覆われた内部を水で満たす訳にはいかない。そうすれば自分の呼吸が出来なくなり、意識を失って敗北する。しかし、中には火の魔法が入り込んでいた。
「くっ……これをずっと狙ってッ」
「うそぉっ!」
「やっぱり、貴方は凄い……リルルナ・フールマン」
(だろだろ?)
観客席のロロたちは盛り上がっていた。
「くー! おしかった」
「ぼ、僕も水魔法にやられました!! きっと追い詰めると使うんですよ!!」
「そ、そうかもね」
違うとは言わない優しさ。ロロは少し大人になった。マグナはまるで勝負が終わったかのような反応を見せた。
「力押しに切り替えたか。ノラの魔力から繰り出される水魔法は流石にリルルナの火魔法じゃ消せない。もう小細工は通じない」
「マグナ。リルルナ君はまだ全てを出しきってませんよ。そんな早計だから何時も足をすくわれるのです」
「少なくともお前にすくわれた事は無いがな」
「ははは、記憶力低下の兆候あり。歳はとりたくないものです」
「記憶に残らない程度の事だったってことだな」
二人は笑顔を絶やさなかった。ロロは呟いた。
「もしかして先生たちって仲悪い?」
「さ、さあ……」
アイナが珍しく立ち上がった。
「どうしたの?」
「そろそろ……」
「え……」
ロロはアイナのフードを見ていた。犬のような耳と尻尾があるのはまあいい。しかし、耳と尻尾は何故か動いていた。
フードを少しずらして根元を見る。やはりアイナは人であり、フードのデザインだった。フードを戻すと、ロロは動く尻尾を凝視していた。チラリとダルそうにロロの方を向いた。
「……気に、なる?」
「え!! あ、ま、まあ」
「魔力で……動いてる……」
「な、なんでわざわざ……?」
「伝達速度……向上……」
「喋るのが面倒なだけかーいっ」
「そうとも……言える……」
ノラが放出する水魔法。天に昇る水を操り、それをぶつける。慌てて避けるリル。同時に、リルを挟むようにノラも接近する。それに気が付いて炎の槍を放つが、少量の水魔法でそれを消し飛ばす。
水魔法に挟まれ、ノラの槍が雷を帯びる。観客席の者たちは決着を予想していた。しかし、リルが小さな玉を投げる。その水をせき止めるように土の壁が発生した。ノラは接近を止める。
「魔道具……ッ」
僅かな硬直の隙に、多方面から火の矢が飛んで来た。再び強力な水魔法を使おうとした時、ドーム状に作った地の魔法でノラを閉じ込める。
水魔法を止める。地で覆われた内部を水で満たす訳にはいかない。そうすれば自分の呼吸が出来なくなり、意識を失って敗北する。しかし、中には火の魔法が入り込んでいた。
「くっ……これをずっと狙ってッ」
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