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第一章 空の島

11話 怪鳥と格闘(1)

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 翌日、日の出の光を浴び、藁を敷いた床で目覚める。レティシアとついでにクーにも用事があるので中央の神殿に向かう。

「おはよう! アルフィー」

「おはよう、レティシア」


「君から来るのは珍しいね。何を企んでる?」


(一応企んでるけど、クーに言われるとなんか嫌だな)

「グリフォンをもっと仲間にしたくてな。大まかな位置が分からないかと思って」


「じゃあ」

「駄目だよレティシア。危険なことは控えてってあれほど」

「……分かった」


 レティシアに大体の位置を聞く。早速向かう事にした。

「なぁクー」

「なに?」


「他の皆はベッドらしいな」

「……へー」


「俺……未だに藁なんだけど……」

「クー!? それほんと!」


「え? あ! 嗚呼ぁ思い出した! 少し前までは容量が足りなくて、最期にアルフィーの部屋作ったら素材がね! 寝、だけに! ごめんごめん忙しくて忘れてた。すぐに作り直すよー」

「あははは、このおっちょこちょいめー。この、この!」

「あははは、イタイーイタイーよー!」

 二人とも軽くポン、ポンと軽く拳を握って交互に押し合う。


「二人とも仲良くなったんだね。良かったー。何か相性が悪そうだったからー」

「まぁねー」


「アルフィー。お水は?」

「欲しいっ。丁度喉がカラカラだったんだ。ありがとう」


 レティシアが飲み物を出そうと奥の部屋に入った。クーの頬をつねろうとスッと腕を伸ばするが、その前に弾かれた。

 一瞬、二人は動きが停止する。アルフィーが高速で腕を伸ばすと弾かれた。そして、両手を使い、頬をつねろうと連続で手を伸ばすが、全て華麗に弾かれる。

 奥からレティシアが出て来た瞬間、二人は肩を組んでリズムに乗り始めた。


「「~♪~♪」」


「本当に仲が良いね♪」



【姉妹】


 飼育場に向かう道中、エルナがキョロキョロと建物を見ていた。

「何処に住んでるのよあいつ……」


「エルナ嬢。何してるんですか?」

 アルフィーに気が付くと僅かに照れた表情で近づいて来た。


「丁度良かったわ。家何処よ?」

「……ここ全然違いますけど……もしかして迷ったんですか?」

「なッ!? そんな訳ないでしょっ! 私が迷子なんてありえないわ!」


「それなら道案内要りませんね」

「そ、それとこれは話が別! ……敬語」

 最後にボソッと言ったが、ここは正式な場ではないが。色々人が居るのでやりにくい。適当に話を変えようと思いたつ。


「昨日、陛下にお会いしましたよ。色々と助言を頂いて、感謝しきれないです」

「お、お、おおお父様に!?」

「どうかされました?」


「し、仕方ないわね! ア、アルフィーがそのつもりなら!」

 彼女の顔が真っ赤になった。陛下に何か言われたのだろうか。その時、背後から声をかけられた。

「エルナ姫! ここにでしたか!?」

「やばっ……」

 ディアナが近づいて来た。

「お勉強の時間ですよ。しっかりと学んで……」


 そこでディアナと目が合った。彼女の顔が同じく真っ赤になる。

「あああ、あ、しょ……勝ぷぅだ!?」

 酷く声が裏返っていた。


「何故そうなるのです……」

「ふ、相応しいかどうか見極めが必要だ!」

(なんの話だろう?)


 この二人に構っていたら、地上に行けなくなると感じた。そこで陛下の幻覚を見たことする。もしくは精霊陛下だ。

「あ、陛下。どうされたのですか……」


 その言葉に反応する。二人は動揺し、そちらを見る。

「こここ、これには訳が!?」

「すぐにエルナ姫を連れて……あれ?」


 背後を見ても誰もおらず、アルフィーは既に逃走していた。



【グリフォン】


 だらしない表情で寝そべったクライヴが立ち上がる。

「よう、アルフィー」

「もっとグリフォンを探しに行こうと思ってる。先を見越して、足りない物ってあるか?」

「ありまくりだ。小屋だろ、餌の量と種類。遊び場に。飼育に人員……それからー」


「分かった。急には難しいけど何とかする」

「お! 頼りにしてるぜ」


「それよりも腕、なまってないだろうな」

「誰に言ってる? 力がないと守れねぇからな」

「頼りになる」


 二人は準備をするといつの間にか彼女等が居た。

「……よくも騙してくれたな」

「……見間違いでした。すみません」


「だめー。今度埋め合わせしてもらうから」

 エルナもいた。ただ彼女を止めるべきのディアナもグリフォンに乗っていた。

「これは……?」


「エルナ姫はおっしゃった。開拓をアルフィー殿だけに任せると後々、国力の差が開いてしまう。私が護衛をすれば姫はある程度自由に動ける、と。そう、すっかり忘れていた。御守りの前に、私は誇り高き騎士である!」


(見事に言いくるめられてるな。エルナ嬢は陛下似かな……)


 クライヴが言う。

「レティシア抜け出したみたいだな。早く行かないとクーが来るぞ」

 しっかりとアルフィーの後ろに騎乗していた。彼等は地上へと向かう。


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