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第1章 それは自業自得だろ?
干渉
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緊急依頼にざわつく冒険者ギルド。C級以上の冒険者は、この町には15人程度だった。
しかも、緊急につきC級以上は強制参加依頼だ。
A級冒険者は、仕事が少ないと随分と前に大きい街へと移り住み既に居ない。
頼みの綱のB級の冒険者は剣士が3人。C級は12人だが、オークのような大型の魔物との戦闘経験は皆無だ。
だからといって、雑用ばかりこなして生活しているD級以下の新人冒険者には、流石に荷が重過ぎる。
そして1番の難問が、半数以上がソロ活動をしている冒険者なのだ。
肝心の従獣の主人は、普段は仲の良い3人で組んでいるD級冒険者だが、無謀にも参戦を1人立候補した。
「報告にあったオークは3体だ!B級の3名が各リーダーとなりチーム編成を組め!報酬は、オーク1体につき最低でも金貨30枚は必ず用意する!すまないが、頑張ってくれ‼︎」
ギルドマスターらしき男が、乗り気じゃない冒険者達に頭を下げて頼む。
強制依頼とは名ばかりで、命に関わるこの依頼に、実際には拘束力は無いのが現状だ。
だからこそ、ギルド側は懇願するしかないのだ。
「金貨50枚だ‼︎それ以下はやらねーぞ‼︎」
「分かった‼︎何とかしよう‼︎」
ギルドマスターを助けるようにB級冒険者の1人が報酬を上げた事で、C級冒険者達も参戦に前向きになり始めた。
B級冒険者達が、チームメンバーの選定を始めていると、ギルドマスターが主人に近寄って来た。
「君は確か…」
「あ、ゲドといいます!普段は3人でチームを作り活動してます。近いうちに隊を作る予定です!」
「…へぇ。でも君はまだD級だろう?君もこの緊急討伐依頼に参戦するのかね?」
「はい!タハタクの村には知り合いが居るので、助けたいんです!」
「…そうか。君はテイマーだね。その従獣、猟犬のバッシュドッグだな。名は何というんだ?」
「ラックです」
主人がワシャワシャと宿主の背を撫で回すと、宿主は嬉しそうにその手に身を委ねている。
「ハハッ、幸運か。うん、それは頼れる相棒だな。だけど、かなり危険な依頼だ。くれぐれも自身にできる範囲で戦ってくれよ?」
「はい!」
ギルドマスターのその視線が、再び従獣に向けられる。
(……)
首裏に隠れているアッシュは、【潜伏者】のスキルを使用している。だが微かに、何かに干渉された気がした。
この国のギルドマスターは、冒険者ギルドだけでなく、ハンターギルド、商業ギルド、土建ギルドといった各ギルドも必ず【鑑定】のスキル持ちが最低条件だ。
故に、この冒険者ギルドマスターも当然【鑑定】ができる。
俺は【潜伏者】のスキルにより、存在は消えて姿や場所の特定はできない筈だ。
だがこのスキルにはムラがある。体以上の体毛が多い為に効果は高い筈だが、問題は範囲の規模が違い過ぎる点だ。
果たして、人間の大きさによる【鑑定】に、ダニサイズの【潜伏者】のスキルがどれだけ通用するだろうか。
主人がB級冒険者に呼ばれてチームが決まる間も、ギルドマスターは、一定距離を保ちながらも視線はこちらに向けられている。
(…気付いているのか?)
だがギルドから主人と宿主が出たので、彼によるそれ以上の追跡も無く、バレたという確信は持てなかった。
(…まぁ、気持ちを切り替えるか。移動先で高条件の宿主が見つかれば良いが…)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
冒険者ギルド会館から、一斉に冒険者達が出払うと、室内は一変して閑散とした。
「あ、あの、ギルドマスター。今回の緊急依頼、ハンターギルドへの協力要請はしなくてもよろしいのですか?」
就職して初めての緊急事態に、受付嬢の彼女は不安で堪らなかった。
「うん?ハンターギルドに協力?そんな無駄な事をする必要は無い。奴等は、報酬が見合わなければ、一切応じる事は無いからな。それに、獲物を狩る為ならば平気で住民を囮にする奴等だ。共闘など無理なんだよ」
「お、囮に…」
言葉を失う彼女に、ギルドマスターは少し思索に耽ると、気にするなと肩を軽く叩いた。
「君、ちょっとゲドというテイマーのラックという登録名の従獣の登録資料を持って来てくれる?」
「はい」
しばらくして、資料室から彼女が薄い資料を持って来た。
「登録して間もないので、大した実績も記録されてませんが…」
「ああ、いいのいいの。ただの確認だから」
資料を笑顔で受け取ると、そのペラペラとした些細な情報を捲る。
(う~ん。やはり、おかしいな。確認していたスキルは従獣契約で得られる【意思疎通】の一つのみだ。…あの時は、俺も立ち会っている。見落としはない筈だが…)
しかし、彼が先程見たラックは、スキルを複数持っていた。
所々で文字化けしてはいたが、最低でも7つのスキル持ちである事は確かだ。
考えられるのは、魔獣がネームドに進化した場合だ。
しかし、バッシュドッグは魔獣ではない。テイマーでなくとも、村や町でも家畜の番犬としても飼われている一般的な猟犬である。
当然、バッシュドッグの複数スキル持ちなど、未だかつて聞いた事がない。
(…大目に見て、【気配感知】【嗅感知】【聞き耳】は、犬という生物特有の身体能力の急成長によって仮に会得したとする。まぁ、その時点で魔獣のフォレストハウンドを上回る身体能力になるわけだが…。【吸血】という犬にあるまじきスキルがある意味が分からない。これはもはや魔獣ではないか?それに、表示された二つ目の名前……アッシュとは?)
その名が、ネームドモンスターを指しているのなら、D級の彼には御しきれないだろう。
これは、早急に監視対象としなければならない案件かもしれない。
「もし、彼とこの従獣が今回の討伐を無事に終えて来たら、再鑑定を行うか」
そう。先ずはオーク討伐が無事に完了してからの話だ。
何よりも今は、依頼元である領主に掛け合い、報酬金の上乗せと医療隊の準備だ。
それに、もし失敗した場合には、王都や近隣の街の冒険者ギルドに報告し、新たな討伐隊を組まねばならない。
そうなれば、責任持って自分も討伐隊に参加は免れない。(因みに元A級冒険者ではある)
「とにかく、やる事が山積みだな…」
この時はまだ、この町の冒険者ギルドは特にハンターギルドと関係を持たないが為に、ギルドマスターは知らなかったのだ。
ハンターギルドに、鑑定で見たアッシュという名と同じのハンターがいる事を。
しかも、緊急につきC級以上は強制参加依頼だ。
A級冒険者は、仕事が少ないと随分と前に大きい街へと移り住み既に居ない。
頼みの綱のB級の冒険者は剣士が3人。C級は12人だが、オークのような大型の魔物との戦闘経験は皆無だ。
だからといって、雑用ばかりこなして生活しているD級以下の新人冒険者には、流石に荷が重過ぎる。
そして1番の難問が、半数以上がソロ活動をしている冒険者なのだ。
肝心の従獣の主人は、普段は仲の良い3人で組んでいるD級冒険者だが、無謀にも参戦を1人立候補した。
「報告にあったオークは3体だ!B級の3名が各リーダーとなりチーム編成を組め!報酬は、オーク1体につき最低でも金貨30枚は必ず用意する!すまないが、頑張ってくれ‼︎」
ギルドマスターらしき男が、乗り気じゃない冒険者達に頭を下げて頼む。
強制依頼とは名ばかりで、命に関わるこの依頼に、実際には拘束力は無いのが現状だ。
だからこそ、ギルド側は懇願するしかないのだ。
「金貨50枚だ‼︎それ以下はやらねーぞ‼︎」
「分かった‼︎何とかしよう‼︎」
ギルドマスターを助けるようにB級冒険者の1人が報酬を上げた事で、C級冒険者達も参戦に前向きになり始めた。
B級冒険者達が、チームメンバーの選定を始めていると、ギルドマスターが主人に近寄って来た。
「君は確か…」
「あ、ゲドといいます!普段は3人でチームを作り活動してます。近いうちに隊を作る予定です!」
「…へぇ。でも君はまだD級だろう?君もこの緊急討伐依頼に参戦するのかね?」
「はい!タハタクの村には知り合いが居るので、助けたいんです!」
「…そうか。君はテイマーだね。その従獣、猟犬のバッシュドッグだな。名は何というんだ?」
「ラックです」
主人がワシャワシャと宿主の背を撫で回すと、宿主は嬉しそうにその手に身を委ねている。
「ハハッ、幸運か。うん、それは頼れる相棒だな。だけど、かなり危険な依頼だ。くれぐれも自身にできる範囲で戦ってくれよ?」
「はい!」
ギルドマスターのその視線が、再び従獣に向けられる。
(……)
首裏に隠れているアッシュは、【潜伏者】のスキルを使用している。だが微かに、何かに干渉された気がした。
この国のギルドマスターは、冒険者ギルドだけでなく、ハンターギルド、商業ギルド、土建ギルドといった各ギルドも必ず【鑑定】のスキル持ちが最低条件だ。
故に、この冒険者ギルドマスターも当然【鑑定】ができる。
俺は【潜伏者】のスキルにより、存在は消えて姿や場所の特定はできない筈だ。
だがこのスキルにはムラがある。体以上の体毛が多い為に効果は高い筈だが、問題は範囲の規模が違い過ぎる点だ。
果たして、人間の大きさによる【鑑定】に、ダニサイズの【潜伏者】のスキルがどれだけ通用するだろうか。
主人がB級冒険者に呼ばれてチームが決まる間も、ギルドマスターは、一定距離を保ちながらも視線はこちらに向けられている。
(…気付いているのか?)
だがギルドから主人と宿主が出たので、彼によるそれ以上の追跡も無く、バレたという確信は持てなかった。
(…まぁ、気持ちを切り替えるか。移動先で高条件の宿主が見つかれば良いが…)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
冒険者ギルド会館から、一斉に冒険者達が出払うと、室内は一変して閑散とした。
「あ、あの、ギルドマスター。今回の緊急依頼、ハンターギルドへの協力要請はしなくてもよろしいのですか?」
就職して初めての緊急事態に、受付嬢の彼女は不安で堪らなかった。
「うん?ハンターギルドに協力?そんな無駄な事をする必要は無い。奴等は、報酬が見合わなければ、一切応じる事は無いからな。それに、獲物を狩る為ならば平気で住民を囮にする奴等だ。共闘など無理なんだよ」
「お、囮に…」
言葉を失う彼女に、ギルドマスターは少し思索に耽ると、気にするなと肩を軽く叩いた。
「君、ちょっとゲドというテイマーのラックという登録名の従獣の登録資料を持って来てくれる?」
「はい」
しばらくして、資料室から彼女が薄い資料を持って来た。
「登録して間もないので、大した実績も記録されてませんが…」
「ああ、いいのいいの。ただの確認だから」
資料を笑顔で受け取ると、そのペラペラとした些細な情報を捲る。
(う~ん。やはり、おかしいな。確認していたスキルは従獣契約で得られる【意思疎通】の一つのみだ。…あの時は、俺も立ち会っている。見落としはない筈だが…)
しかし、彼が先程見たラックは、スキルを複数持っていた。
所々で文字化けしてはいたが、最低でも7つのスキル持ちである事は確かだ。
考えられるのは、魔獣がネームドに進化した場合だ。
しかし、バッシュドッグは魔獣ではない。テイマーでなくとも、村や町でも家畜の番犬としても飼われている一般的な猟犬である。
当然、バッシュドッグの複数スキル持ちなど、未だかつて聞いた事がない。
(…大目に見て、【気配感知】【嗅感知】【聞き耳】は、犬という生物特有の身体能力の急成長によって仮に会得したとする。まぁ、その時点で魔獣のフォレストハウンドを上回る身体能力になるわけだが…。【吸血】という犬にあるまじきスキルがある意味が分からない。これはもはや魔獣ではないか?それに、表示された二つ目の名前……アッシュとは?)
その名が、ネームドモンスターを指しているのなら、D級の彼には御しきれないだろう。
これは、早急に監視対象としなければならない案件かもしれない。
「もし、彼とこの従獣が今回の討伐を無事に終えて来たら、再鑑定を行うか」
そう。先ずはオーク討伐が無事に完了してからの話だ。
何よりも今は、依頼元である領主に掛け合い、報酬金の上乗せと医療隊の準備だ。
それに、もし失敗した場合には、王都や近隣の街の冒険者ギルドに報告し、新たな討伐隊を組まねばならない。
そうなれば、責任持って自分も討伐隊に参加は免れない。(因みに元A級冒険者ではある)
「とにかく、やる事が山積みだな…」
この時はまだ、この町の冒険者ギルドは特にハンターギルドと関係を持たないが為に、ギルドマスターは知らなかったのだ。
ハンターギルドに、鑑定で見たアッシュという名と同じのハンターがいる事を。
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