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第1章 冒険者になります
冒険者の世界
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ギルドの書類申請は、シャルロットの根回しで簡単に終わり、その後はギルドが貸し出している防具を選んで解散となった。
ギルド内では、やたらとシャルロットの父が、以前より少しずつ範囲を広げている頭上の輝きと、昔から変わらぬ不気味な笑みを浮かべて、背後から監視をしていた。心配しなくても、彼女に危害どころか、こちらが被害者ですよと言いたかったなぁ。
「タケル、また明日ね」
別れ際に手を振る彼女は、可憐でとても美しかった。我儘や、無理矢理な押し付けが無ければ良かったのにと心から思う。
家の前に着くと、今日の仕事中に連れ出されて、そのままだったことを思い出す。少し気まずいかなと扉を開けると、いつもと変わらぬ、夕飯を食べる家族の姿があった。
「あ、帰ってきた」
「振られたのか?」
「てっきり夕飯いらないと思ってたから、何か作らないと」
「ギルド長に迷惑を掛けてないだろうな」
俺を見るなり好き放題に語り出す。店に迷惑を掛けたと思った俺は何だったんだ?
「もっと他に聞くことあるだろう?転職のこととか」
そう言うと、家族は不思議そうに目を合わせる。
「別にいいんじゃないの?鑑定士の経験値が入らなくなるだけだし、作業効率も若干落ちる程度だから」
「何も、無理に鑑定屋の仕事を手伝う必要は無いよ。母さんは、タケルがやりたい仕事あるなら応援するし」
「お前、お父さんの上級職の考古学士だって、上級職昇格の条件に、鑑定士以外にも後二つ職種が必要なんだぞ。」
何なんだ。俺って考え過ぎなのか?家を手伝うのが当たり前だと思っていたんだが。
「あの子のとばっちりが私達に来ても困る」
「それに、タケルはあの子に逆らえない気がするし」
そっちが本音か。その指摘に冷や汗が流れた。ごもっともです。
「どうせなら、家も出ちゃいなよ。冒険者するなら、生活サイクル変わっちゃうし、彼女とも会い放題だよ?!」
「例え家を出ても、彼女にだけは絶対口外しないでくれ!」
結果、突然転職する事になった俺は、冒険者となり、しかも家を出て独立生活を始める事が決まった。
次の日の朝、タケルは冒険者ギルドの前に居た。少なくとも、無理矢理よりは自分から来た方が、無難なのは間違い無いし。
「おはよう、タケル」
振向くと、ピンク色の軽装防具姿のシャルロットが現れた。彼女は来て早々にタケルの装備をチェックし始める。
「ん、大丈夫だね。後は道具を一通り揃えてから行きましょう」
道具屋では、冒険者の必需品回復薬以外にも、雑貨や食料品も取り扱っていて、クエストに挑戦する前にここで、再度確認、補充するのが鉄則だろう。
バックパックの中を整理して、買い足した食料品等を詰め込む。今日は遅くなる予定だ。
「今日のダンジョンは、斬り裂き谷のゴブリンの巣窟よ」
斬り裂き谷への道は、トーキオの東出入り口から北東に進み、小高い山々の広がるシンバ山脈へと入る。
山々の間を流れる清流からなる渓谷に、今回の目標はあった。
ゴブリンは、小鬼に属する魔物で、肌は緑で体は小柄。少しだけ知性があり、団体で生活・行動をする。
「シャルロット、戦闘二戦目がゴブリンって、レベル1の俺にはまだ早くないか?」
二人は茂みの影に身を潜め、既に発見したゴブリンの巣窟を見張っていた。
「そうね。ゴブリンは1体でもレベル3くらいの強さだから、ギリギリ勝てるくらいかしら?」
「ギリギリかよ…」
シャルロットは、タケルの肩に手を置いて優しく励ます。
「大丈夫。1体ずつ、ヒットアンドアウェイで撃破すればいいの。その度に経験値が上がるから、トントン拍子でレベルも上がるわ」
全く励ましに聞こえないが、ここまで来たらやらざるを得ない。危なくなれば、彼女が助けてくれると信じ、タケルはクエストを開始した。
巣窟の入り口付近には、1体のゴブリンが集めた木の実を咀嚼している姿が見える。タケルは、音を立てないように死角に入る。
鼓動が早まる。攻撃に出るタイミングを見計らっていると、洞窟内からゴブリンの声らしきものが聞こえてきた。
(どうする?!)
咄嗟にタケルが取った行動は、仲間が増えてチャンスを失う前に、油断をしている目の前にいるゴブリンへの速攻だった。
背後からの勢いのある刺突。剣は背中から胸を突き破り、ゴブリンを絶命させる。
「グルァァァッ!!」
目の前で、同胞が吹き飛ばされるのを目撃したゴブリン2体は、けたたましい声で叫んだ。すると、1体、また1体とゴブリンが現れる。その手には棍棒や木の槍を装備した奴もいる。
計6体、挟まれた位置にいる。
(これはヤバくないか!?)
救援してとシャルロットを見ると、彼女はティーカップを手に持ち、紅茶らしきものを味わっていた。目が合ったが、ゆっくりと微笑むだけ。
(あいつ!静観を決め込んだな!?チクショ~ッ!!)
しかし、タケルはヤケにはならなかった。頭は冷静だ。間近にいたゴブリンが棍棒で殴り掛かる。それを最小限の動きで躱し、胴体に反撃を打ち込む。そして直ぐに距離を取る。
次のゴブリンは2体同時に攻めてきた。
槍の穂先を剣で弾き、その勢いのままでもう1体の顎を蹴り上げる。よろめくゴブリンに追撃して斬り伏せた。
確実にトドメを入れて数を減らしていく。この戦い方でいくしかない。
「ギャァァァァァッ!」
ゴブリンは断末魔をあげる。2体、3体と、攻防を繰り返し何とか倒せた。残りは後2体。ゴブリンは臆したのか叫ぶだけで攻めて来ない。よし、それならと、こちらから仕掛ける。
1体のゴブリンが怯み体制を崩した。そこをすかさず上段から斬り下ろす。
ドカッ!!
鈍い音がして視界が揺れる。何が起こったか直ぐに理解した。倒れ込む間際に、ゴブリンの姿が視界に映る。自分の死角に現れたゴブリンは、拳大程の石を投石してきたのだ。
体制を立て直そうとするが、その隙を逃すはずも無く、横腹と背中に棍棒による打撃をもらった。転がるように退避するが、直ぐに詰め寄られる。3体による同時攻撃。捌ききれず、頭だけは直撃を防ぐが、ダメージは増える。
(クソッ、このままじゃ…)
剣が弾かれ、棍棒が目前に迫る。時間が遅く感じる。
(ヤバイ!死…?!)
バシィィィン!!
全ての時が止まる感覚。ゴブリンは棍棒を振り抜く直前の状態で止まっている。しかし、時間が本当に止まっているのでは無く、強制的な行動停止。ついこの間、身を以て味わったばかりだ。
「全く、見てられないわね」
やはり、シャルロットの技能が発動したらしい。長く強靭な鞭を持つ彼女が直ぐ側まで来ていた。どうやら、タケルだけは動ける状態にあった。ゆっくりと飛ばされた剣を拾う。
「それってもしかして、調教師の技能なのか?」
シャルロットは正解と笑う。タケルは、動けないゴブリン達にトドメを刺した。(なんて恐ろしい技能なんだ!本来、魔獣や魔物といった凶暴な相手に使う技を、俺に使ったなんて!)
「私より、メンタルが弱い相手にしか通用しないわよ。貴方相手にも、役に立ったし。むしろ、それ目的だったかしらね」
タケルの心を読んだかのように彼女は答えた。タケルは背筋が凍る。
「使える技能は何でも利用する。これが冒険者の世界よ」
タケルは、全身のダメージと疲労でそのまま座り込む。ふとバッジを見ると、レベルが3に上がっていた。
「いきなりレベルが2上がった。ハハハ…」
「命を賭した戦いなら、特に上がりやすいの。この調子で頑張りましょう」
満面の笑みで語る彼女に、いつか殺されるなと確信して、ゆっくりと意識を手放した。
ギルド内では、やたらとシャルロットの父が、以前より少しずつ範囲を広げている頭上の輝きと、昔から変わらぬ不気味な笑みを浮かべて、背後から監視をしていた。心配しなくても、彼女に危害どころか、こちらが被害者ですよと言いたかったなぁ。
「タケル、また明日ね」
別れ際に手を振る彼女は、可憐でとても美しかった。我儘や、無理矢理な押し付けが無ければ良かったのにと心から思う。
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「あ、帰ってきた」
「振られたのか?」
「てっきり夕飯いらないと思ってたから、何か作らないと」
「ギルド長に迷惑を掛けてないだろうな」
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「もっと他に聞くことあるだろう?転職のこととか」
そう言うと、家族は不思議そうに目を合わせる。
「別にいいんじゃないの?鑑定士の経験値が入らなくなるだけだし、作業効率も若干落ちる程度だから」
「何も、無理に鑑定屋の仕事を手伝う必要は無いよ。母さんは、タケルがやりたい仕事あるなら応援するし」
「お前、お父さんの上級職の考古学士だって、上級職昇格の条件に、鑑定士以外にも後二つ職種が必要なんだぞ。」
何なんだ。俺って考え過ぎなのか?家を手伝うのが当たり前だと思っていたんだが。
「あの子のとばっちりが私達に来ても困る」
「それに、タケルはあの子に逆らえない気がするし」
そっちが本音か。その指摘に冷や汗が流れた。ごもっともです。
「どうせなら、家も出ちゃいなよ。冒険者するなら、生活サイクル変わっちゃうし、彼女とも会い放題だよ?!」
「例え家を出ても、彼女にだけは絶対口外しないでくれ!」
結果、突然転職する事になった俺は、冒険者となり、しかも家を出て独立生活を始める事が決まった。
次の日の朝、タケルは冒険者ギルドの前に居た。少なくとも、無理矢理よりは自分から来た方が、無難なのは間違い無いし。
「おはよう、タケル」
振向くと、ピンク色の軽装防具姿のシャルロットが現れた。彼女は来て早々にタケルの装備をチェックし始める。
「ん、大丈夫だね。後は道具を一通り揃えてから行きましょう」
道具屋では、冒険者の必需品回復薬以外にも、雑貨や食料品も取り扱っていて、クエストに挑戦する前にここで、再度確認、補充するのが鉄則だろう。
バックパックの中を整理して、買い足した食料品等を詰め込む。今日は遅くなる予定だ。
「今日のダンジョンは、斬り裂き谷のゴブリンの巣窟よ」
斬り裂き谷への道は、トーキオの東出入り口から北東に進み、小高い山々の広がるシンバ山脈へと入る。
山々の間を流れる清流からなる渓谷に、今回の目標はあった。
ゴブリンは、小鬼に属する魔物で、肌は緑で体は小柄。少しだけ知性があり、団体で生活・行動をする。
「シャルロット、戦闘二戦目がゴブリンって、レベル1の俺にはまだ早くないか?」
二人は茂みの影に身を潜め、既に発見したゴブリンの巣窟を見張っていた。
「そうね。ゴブリンは1体でもレベル3くらいの強さだから、ギリギリ勝てるくらいかしら?」
「ギリギリかよ…」
シャルロットは、タケルの肩に手を置いて優しく励ます。
「大丈夫。1体ずつ、ヒットアンドアウェイで撃破すればいいの。その度に経験値が上がるから、トントン拍子でレベルも上がるわ」
全く励ましに聞こえないが、ここまで来たらやらざるを得ない。危なくなれば、彼女が助けてくれると信じ、タケルはクエストを開始した。
巣窟の入り口付近には、1体のゴブリンが集めた木の実を咀嚼している姿が見える。タケルは、音を立てないように死角に入る。
鼓動が早まる。攻撃に出るタイミングを見計らっていると、洞窟内からゴブリンの声らしきものが聞こえてきた。
(どうする?!)
咄嗟にタケルが取った行動は、仲間が増えてチャンスを失う前に、油断をしている目の前にいるゴブリンへの速攻だった。
背後からの勢いのある刺突。剣は背中から胸を突き破り、ゴブリンを絶命させる。
「グルァァァッ!!」
目の前で、同胞が吹き飛ばされるのを目撃したゴブリン2体は、けたたましい声で叫んだ。すると、1体、また1体とゴブリンが現れる。その手には棍棒や木の槍を装備した奴もいる。
計6体、挟まれた位置にいる。
(これはヤバくないか!?)
救援してとシャルロットを見ると、彼女はティーカップを手に持ち、紅茶らしきものを味わっていた。目が合ったが、ゆっくりと微笑むだけ。
(あいつ!静観を決め込んだな!?チクショ~ッ!!)
しかし、タケルはヤケにはならなかった。頭は冷静だ。間近にいたゴブリンが棍棒で殴り掛かる。それを最小限の動きで躱し、胴体に反撃を打ち込む。そして直ぐに距離を取る。
次のゴブリンは2体同時に攻めてきた。
槍の穂先を剣で弾き、その勢いのままでもう1体の顎を蹴り上げる。よろめくゴブリンに追撃して斬り伏せた。
確実にトドメを入れて数を減らしていく。この戦い方でいくしかない。
「ギャァァァァァッ!」
ゴブリンは断末魔をあげる。2体、3体と、攻防を繰り返し何とか倒せた。残りは後2体。ゴブリンは臆したのか叫ぶだけで攻めて来ない。よし、それならと、こちらから仕掛ける。
1体のゴブリンが怯み体制を崩した。そこをすかさず上段から斬り下ろす。
ドカッ!!
鈍い音がして視界が揺れる。何が起こったか直ぐに理解した。倒れ込む間際に、ゴブリンの姿が視界に映る。自分の死角に現れたゴブリンは、拳大程の石を投石してきたのだ。
体制を立て直そうとするが、その隙を逃すはずも無く、横腹と背中に棍棒による打撃をもらった。転がるように退避するが、直ぐに詰め寄られる。3体による同時攻撃。捌ききれず、頭だけは直撃を防ぐが、ダメージは増える。
(クソッ、このままじゃ…)
剣が弾かれ、棍棒が目前に迫る。時間が遅く感じる。
(ヤバイ!死…?!)
バシィィィン!!
全ての時が止まる感覚。ゴブリンは棍棒を振り抜く直前の状態で止まっている。しかし、時間が本当に止まっているのでは無く、強制的な行動停止。ついこの間、身を以て味わったばかりだ。
「全く、見てられないわね」
やはり、シャルロットの技能が発動したらしい。長く強靭な鞭を持つ彼女が直ぐ側まで来ていた。どうやら、タケルだけは動ける状態にあった。ゆっくりと飛ばされた剣を拾う。
「それってもしかして、調教師の技能なのか?」
シャルロットは正解と笑う。タケルは、動けないゴブリン達にトドメを刺した。(なんて恐ろしい技能なんだ!本来、魔獣や魔物といった凶暴な相手に使う技を、俺に使ったなんて!)
「私より、メンタルが弱い相手にしか通用しないわよ。貴方相手にも、役に立ったし。むしろ、それ目的だったかしらね」
タケルの心を読んだかのように彼女は答えた。タケルは背筋が凍る。
「使える技能は何でも利用する。これが冒険者の世界よ」
タケルは、全身のダメージと疲労でそのまま座り込む。ふとバッジを見ると、レベルが3に上がっていた。
「いきなりレベルが2上がった。ハハハ…」
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