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第18章 離れ離れが寂しいのは当然ですよ⁉︎
255話 箱の中
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『本当に久しぶりだなぁ、100年ぶりか?』
親しげに語り掛けるエンリルに対して、ニュクスは不快そうな顔で外方を向くと小声で答えた。
『それくらいだ。全く、お前は何時も騒々しいな。前回は風の大精霊を探す為に、我の寝床を壊してくれたからな』
『ああ、ニュクスの穴蔵は隠れるにはもってこいだからな。まぁ、その時は迷惑かけたな』
エアリエルがエルフの村に隠れている間、エンリルは手当たり次第に探していたようだ。
『⁉︎うつけが優しいなんて気味悪いな⁉︎』
『まぁな。エアリエル様とは会えたからな。しかも、今は一緒に暮らしているのだ!羨ましかろう?』
ドヤ顔を見せるエンリルに、ニュクスは更に不快感を表す。
『別に羨ましくもないな。我はいつでも会えるからな。プルートー様はいつも変わらず、同じ場所で、同じ表情で、引きこもっておられる。何百年経とうと変わらずな』
「あの~、思い出話が盛り上がってるところ悪いんですけど…」
カオリが申し訳なさそうに手を上げて入ってくる。
『別に盛り上がってなどいない!』
「すみません。ただ、確認したいんですけど、ニュクス様は闇の中では大きかったですが、やはり幻覚で大きく見せていたのですか?」
『それは違うぞ。此奴は影竜の亜種だ。影竜は闇を実体ある体の1部にする事ができる。とは言え、通常の影竜ならば1度実体化したら戻らないが、此奴は大小自在に変わることができるのだ。だから、見栄を張る為によく巨大化していたな』
『う、煩いぞ⁉︎それに、なんでこの場所は陽の光がこうも当たるのだ⁉︎これでは思うように動くことすらできん。ここはゴーモラではないのか⁈』
「ああ、ごめんなさい。ここでは、作物や植物を育てる為に、雲を強制的に退かしてもらっているんです。場所はゴーモラの上空ですよ」
『なっ⁉︎プルートー様の闇雲を、強制的に退かしているだと⁉︎しかも上空⁉︎』
浮遊邸にはイシルウェが居るから、天候には困らない。もちろん、エアリエルなら難無く雲を晴らすことが出来るだろうけど、大精霊は気が向かない限り、使われるのを嫌うのだ。
「あの、話を戻しますけど、ニュクス様は闇の多い場所だからこそ、あの遺跡の最奥を寝床にされたんですよね?」
『…うむ。決して引きこもりというお前達の偏見ではないぞ?我は闇の中なら不死に近いからな。彼処は水没したが故に、アンデッド以外は息ができずに入って来れん。例外はおる様だがな』
ニュクスは、カオリをお前は間違いなく例外だぞと睨む。
「でしたら、侵入者の排除をお願いしても宜しいでしょうか?」
『何?』
「もし、遺跡に魔物やアンデッド以外の侵入者があった場合、ニュクス様にとっても寝床を荒らす存在なわけですから、排除して頂けたら助かります」
『…それはつまり、侵入者が来る可能性があるという事だな?御主みたいな、例外の輩が』
「あくまでも、僅かな可能性ですが」
『フン、そのような事言われるまでもない。もし御主がまた侵入した場合は、目的も聞かずして喰らってやるわ!』
都合良く引き受けてくれた事に感謝したカオリは、魔鉱石を取り出してニュクスに見せた。
『…なんだこれは?』
「御礼です。中には闇魔法が入っています。闇が足りない時や、小腹が空いた時の腹の足しにどうぞ」
そう言って、粘度の高いバブルショットに閉じ込めてニュクスの腰辺りに取り付ける。
『なんだ、もう帰るのか?せっかくだから、高貴で何時も美しいエアリエル様にも謁見していけば良かろう?』
『お前の大精霊自慢に付き合うつもりは無い』
「では、祭壇にお送りします」
カオリはニュクスに触れると、再びテレポートで遺跡の祭壇へと飛んで行った。
『眷属竜だけであったか…』
2人が飛び立った後、ローブ姿のエアリエルが現れる。もしかしたら、引きこもりのプルートーまで来たかもしれないと、遠目から見ていたのだ。
『エアリエル様ぁ、アイツ、竜の中で1番小さいんですよ?ただ、巨大化する大きさにも制限無いですけど。変わってて面白い奴なんです』
『良いじゃないか。引きこもりの方が、私にはしつこい奴よりは好感が持てるけどな』
『寝るのは俺も好きですよ?』
当て付けに言ったつもりだが、エンリルはピンときていない様だ。引きこもっている奴が皆、寝ているだけと思っているのか?
『何にせよ、プルートーが来ていれば、話くらいはしたかったのだがな。殻から出るのはもう暫く掛かりそうだな』
残念だ、とエアリエルは再び管制室へ戻るのだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「どうだ?」
「ダメね、応答無いわ」
薄暗い船内地下室で、紫色の司祭服の3人が魔道具の水晶を覗きながら協議している。
その中でも一際体格が大きい男が、進まない話に苛立ち椅子から立ち上がる。
「オイ、もう良いだろ?囮船は沈んだ。定時連絡もない。どう考えても失敗だろ。回りくどい事せずに、レヴィアタンを先に討伐しようぜ?」
「馬鹿言わないで。船を沈められたら、戦闘すらできないじゃない。海上に足場は無いのよ?」
「隙を見て上陸した班から、連絡無い時点で今回の囮作戦は失敗で終わりだろ?さっさと司教様に報告して、次案を貰おうぜ?」
彼等は、今回のゲート連結の主任達であった。上陸作戦開始から3日、失敗の色が濃いのにも関わらず、未だにどうするか悩んでいたのだ。
「…ったく、気楽な事言わないでよね。失敗したにしても、どうして失敗に至ったかの詳細も報告には必要でしょうに」
「君の最大感知範囲内に居ないって事は、少なくとも上陸はした可能性がある。俺が送る【ハウンド16】への念話は僅かだが反応はあるんだ。ただ、ガン無視されている。リーダーの【ビルダー09】が基点設置さえ済んでいれば、受入野営地など後回しでも良いんだけどな」
「問題があったとしても、設置が済んだ後かもしれないだろ?行くだけいってみたらどうだ?設置が済んで無ければ、ゲートは開きもしないんだからさ」
「それはそうだけど…与えられたゲートの納められた魔鉱石は1つで、私達の魔力量じゃ1回が限界よ?そもそも、中間地点用の物で試験的に使用するべきじゃないわ」
「じゃぁどうするよ?この船で近付いて上陸するか?」
この船の位置的に、レヴィアタンが気付かないギリギリの範囲にいる。
「それこそ無謀な話だろ?責任は俺が取るからさ?試してみようぜ?」
「…分かったわ。【スラッシュ13】、貴方に従う(彼は元美徳教団の人間だし、勇者の遠縁だけど家系だと聞いている。この際、彼に任せてしまいましょう)」
「確認だけだし、俺も従うよ(そうだな)」
「よし来た!早速始めよう」
彼等は、ゲート用の魔法陣を甲板に記入すると、スラッシュ13率いる突入部隊を待機させた。
「いい?あくまでも、開いた場合突入よ?」
「大丈夫だ。きっと開く」
残る団員達は、魔鉱石にありったけの魔力を注入し始める。
すると、魔鉱石から魔法陣へと魔力が流れて文字が輝き出す。
「反応した!開くぞ⁉︎」
魔法陣の上に、闇属性の魔素による渦状の入り口が出現する。
「設置は完了していた様だな!だとすると、俺達の出番だ。お前達、気を引き締めろ」
「「「ハッ‼︎」」」
スラッシュ13達は完全武装した状態で、ゲートに突入した。
「「「‼︎⁉︎」」」
入り口から出た瞬間、暗闇の水中だと気付く。急ぎ這い上がると、狭いが空気を吸うだけの空間はあった。
隊員の1人が、ライトを作り出し辺りを照らす。
「石壁に囲まれてます。出入り口は…見当たりません」
「水底に、上陸班の遺体を発見!」
「これは罠か…。出口となる場所を行き止まりにしている。これはゲートの情報がバレているな。だが甘い。例え金剛石だろうと斬り裂く、我が斬撃で外へと入り口を作る!お前達は隅に避けていろ」
スラッシュ13は大きく息を吸い込むと、一気に潜り剣を構える。
(先祖直伝、【時空分断剣】‼︎)
天井に向かい四角に斬撃を飛ばす。
斬撃が鉱石に当たった刹那、辺りに轟音が響いた。
「うわっ、例の箱から轟音が聞こえたぞ!直ぐに王城に報告だ!」
元オークの集落跡を監視していた魔犬族のオルトロスが、直ぐに報告に駆け出した一方で、魔鉱石箱内のスラッシュ達は鎮まりかえっていた。
「か…か、カハッ…」
斬撃が鉱石に当たった瞬間、火花により密室内に爆発が起きた。
何が起きたかも分からないまま、仲間は爆死し、スラッシュ13自身も下半身が千切れていた。
(み、水は、窒息目的じゃなかった、誘爆性付与だったのか…)
赤く血で染まる視界で天井を見るも、斬撃による斬り込みは見えない。ただの鉱石でもないらしい。
「ぐっ…」
腕の力のみでゲートへと移動しようと手を伸ばすが、力及ばずに地に落ちる。
その直ぐ後、遺体内部にあったゲート基点用魔鉱石が、肉体と共に脆く崩れ散った事で渦が消失した。
「嘘っ、ゲートが消えたわ⁉︎」
「入って10分も経ってないぞ⁉︎」
甲板に待機していた2人の主任は、彼等が敵の罠に落ちた事を理解した。
「…司教に報告よ」
多大な被害を出したゴーモラ上陸計画班の団員達は、これ以上は無理だと船の航路を無念の帰路へと変更したのだった。
親しげに語り掛けるエンリルに対して、ニュクスは不快そうな顔で外方を向くと小声で答えた。
『それくらいだ。全く、お前は何時も騒々しいな。前回は風の大精霊を探す為に、我の寝床を壊してくれたからな』
『ああ、ニュクスの穴蔵は隠れるにはもってこいだからな。まぁ、その時は迷惑かけたな』
エアリエルがエルフの村に隠れている間、エンリルは手当たり次第に探していたようだ。
『⁉︎うつけが優しいなんて気味悪いな⁉︎』
『まぁな。エアリエル様とは会えたからな。しかも、今は一緒に暮らしているのだ!羨ましかろう?』
ドヤ顔を見せるエンリルに、ニュクスは更に不快感を表す。
『別に羨ましくもないな。我はいつでも会えるからな。プルートー様はいつも変わらず、同じ場所で、同じ表情で、引きこもっておられる。何百年経とうと変わらずな』
「あの~、思い出話が盛り上がってるところ悪いんですけど…」
カオリが申し訳なさそうに手を上げて入ってくる。
『別に盛り上がってなどいない!』
「すみません。ただ、確認したいんですけど、ニュクス様は闇の中では大きかったですが、やはり幻覚で大きく見せていたのですか?」
『それは違うぞ。此奴は影竜の亜種だ。影竜は闇を実体ある体の1部にする事ができる。とは言え、通常の影竜ならば1度実体化したら戻らないが、此奴は大小自在に変わることができるのだ。だから、見栄を張る為によく巨大化していたな』
『う、煩いぞ⁉︎それに、なんでこの場所は陽の光がこうも当たるのだ⁉︎これでは思うように動くことすらできん。ここはゴーモラではないのか⁈』
「ああ、ごめんなさい。ここでは、作物や植物を育てる為に、雲を強制的に退かしてもらっているんです。場所はゴーモラの上空ですよ」
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浮遊邸にはイシルウェが居るから、天候には困らない。もちろん、エアリエルなら難無く雲を晴らすことが出来るだろうけど、大精霊は気が向かない限り、使われるのを嫌うのだ。
「あの、話を戻しますけど、ニュクス様は闇の多い場所だからこそ、あの遺跡の最奥を寝床にされたんですよね?」
『…うむ。決して引きこもりというお前達の偏見ではないぞ?我は闇の中なら不死に近いからな。彼処は水没したが故に、アンデッド以外は息ができずに入って来れん。例外はおる様だがな』
ニュクスは、カオリをお前は間違いなく例外だぞと睨む。
「でしたら、侵入者の排除をお願いしても宜しいでしょうか?」
『何?』
「もし、遺跡に魔物やアンデッド以外の侵入者があった場合、ニュクス様にとっても寝床を荒らす存在なわけですから、排除して頂けたら助かります」
『…それはつまり、侵入者が来る可能性があるという事だな?御主みたいな、例外の輩が』
「あくまでも、僅かな可能性ですが」
『フン、そのような事言われるまでもない。もし御主がまた侵入した場合は、目的も聞かずして喰らってやるわ!』
都合良く引き受けてくれた事に感謝したカオリは、魔鉱石を取り出してニュクスに見せた。
『…なんだこれは?』
「御礼です。中には闇魔法が入っています。闇が足りない時や、小腹が空いた時の腹の足しにどうぞ」
そう言って、粘度の高いバブルショットに閉じ込めてニュクスの腰辺りに取り付ける。
『なんだ、もう帰るのか?せっかくだから、高貴で何時も美しいエアリエル様にも謁見していけば良かろう?』
『お前の大精霊自慢に付き合うつもりは無い』
「では、祭壇にお送りします」
カオリはニュクスに触れると、再びテレポートで遺跡の祭壇へと飛んで行った。
『眷属竜だけであったか…』
2人が飛び立った後、ローブ姿のエアリエルが現れる。もしかしたら、引きこもりのプルートーまで来たかもしれないと、遠目から見ていたのだ。
『エアリエル様ぁ、アイツ、竜の中で1番小さいんですよ?ただ、巨大化する大きさにも制限無いですけど。変わってて面白い奴なんです』
『良いじゃないか。引きこもりの方が、私にはしつこい奴よりは好感が持てるけどな』
『寝るのは俺も好きですよ?』
当て付けに言ったつもりだが、エンリルはピンときていない様だ。引きこもっている奴が皆、寝ているだけと思っているのか?
『何にせよ、プルートーが来ていれば、話くらいはしたかったのだがな。殻から出るのはもう暫く掛かりそうだな』
残念だ、とエアリエルは再び管制室へ戻るのだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「どうだ?」
「ダメね、応答無いわ」
薄暗い船内地下室で、紫色の司祭服の3人が魔道具の水晶を覗きながら協議している。
その中でも一際体格が大きい男が、進まない話に苛立ち椅子から立ち上がる。
「オイ、もう良いだろ?囮船は沈んだ。定時連絡もない。どう考えても失敗だろ。回りくどい事せずに、レヴィアタンを先に討伐しようぜ?」
「馬鹿言わないで。船を沈められたら、戦闘すらできないじゃない。海上に足場は無いのよ?」
「隙を見て上陸した班から、連絡無い時点で今回の囮作戦は失敗で終わりだろ?さっさと司教様に報告して、次案を貰おうぜ?」
彼等は、今回のゲート連結の主任達であった。上陸作戦開始から3日、失敗の色が濃いのにも関わらず、未だにどうするか悩んでいたのだ。
「…ったく、気楽な事言わないでよね。失敗したにしても、どうして失敗に至ったかの詳細も報告には必要でしょうに」
「君の最大感知範囲内に居ないって事は、少なくとも上陸はした可能性がある。俺が送る【ハウンド16】への念話は僅かだが反応はあるんだ。ただ、ガン無視されている。リーダーの【ビルダー09】が基点設置さえ済んでいれば、受入野営地など後回しでも良いんだけどな」
「問題があったとしても、設置が済んだ後かもしれないだろ?行くだけいってみたらどうだ?設置が済んで無ければ、ゲートは開きもしないんだからさ」
「それはそうだけど…与えられたゲートの納められた魔鉱石は1つで、私達の魔力量じゃ1回が限界よ?そもそも、中間地点用の物で試験的に使用するべきじゃないわ」
「じゃぁどうするよ?この船で近付いて上陸するか?」
この船の位置的に、レヴィアタンが気付かないギリギリの範囲にいる。
「それこそ無謀な話だろ?責任は俺が取るからさ?試してみようぜ?」
「…分かったわ。【スラッシュ13】、貴方に従う(彼は元美徳教団の人間だし、勇者の遠縁だけど家系だと聞いている。この際、彼に任せてしまいましょう)」
「確認だけだし、俺も従うよ(そうだな)」
「よし来た!早速始めよう」
彼等は、ゲート用の魔法陣を甲板に記入すると、スラッシュ13率いる突入部隊を待機させた。
「いい?あくまでも、開いた場合突入よ?」
「大丈夫だ。きっと開く」
残る団員達は、魔鉱石にありったけの魔力を注入し始める。
すると、魔鉱石から魔法陣へと魔力が流れて文字が輝き出す。
「反応した!開くぞ⁉︎」
魔法陣の上に、闇属性の魔素による渦状の入り口が出現する。
「設置は完了していた様だな!だとすると、俺達の出番だ。お前達、気を引き締めろ」
「「「ハッ‼︎」」」
スラッシュ13達は完全武装した状態で、ゲートに突入した。
「「「‼︎⁉︎」」」
入り口から出た瞬間、暗闇の水中だと気付く。急ぎ這い上がると、狭いが空気を吸うだけの空間はあった。
隊員の1人が、ライトを作り出し辺りを照らす。
「石壁に囲まれてます。出入り口は…見当たりません」
「水底に、上陸班の遺体を発見!」
「これは罠か…。出口となる場所を行き止まりにしている。これはゲートの情報がバレているな。だが甘い。例え金剛石だろうと斬り裂く、我が斬撃で外へと入り口を作る!お前達は隅に避けていろ」
スラッシュ13は大きく息を吸い込むと、一気に潜り剣を構える。
(先祖直伝、【時空分断剣】‼︎)
天井に向かい四角に斬撃を飛ばす。
斬撃が鉱石に当たった刹那、辺りに轟音が響いた。
「うわっ、例の箱から轟音が聞こえたぞ!直ぐに王城に報告だ!」
元オークの集落跡を監視していた魔犬族のオルトロスが、直ぐに報告に駆け出した一方で、魔鉱石箱内のスラッシュ達は鎮まりかえっていた。
「か…か、カハッ…」
斬撃が鉱石に当たった瞬間、火花により密室内に爆発が起きた。
何が起きたかも分からないまま、仲間は爆死し、スラッシュ13自身も下半身が千切れていた。
(み、水は、窒息目的じゃなかった、誘爆性付与だったのか…)
赤く血で染まる視界で天井を見るも、斬撃による斬り込みは見えない。ただの鉱石でもないらしい。
「ぐっ…」
腕の力のみでゲートへと移動しようと手を伸ばすが、力及ばずに地に落ちる。
その直ぐ後、遺体内部にあったゲート基点用魔鉱石が、肉体と共に脆く崩れ散った事で渦が消失した。
「嘘っ、ゲートが消えたわ⁉︎」
「入って10分も経ってないぞ⁉︎」
甲板に待機していた2人の主任は、彼等が敵の罠に落ちた事を理解した。
「…司教に報告よ」
多大な被害を出したゴーモラ上陸計画班の団員達は、これ以上は無理だと船の航路を無念の帰路へと変更したのだった。
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