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第21章 その存在は前代未聞らしいですよ⁉︎
311話 封印
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「アラヤ君、これはどういう状況でしょう?」
背中からハグをするアラヤ分身体によって、アヤコは自由を奪われていた。
というのも、ボリスンの街から帰還したアヤコは、大人しく縛られているアーリマンを見つけるなり、薬キットと手術道具を取り出したからである。
「気持ちは嬉しいですが、今は人前ですよ?夜まで待てませんか?」
「い、いや、違ってね?アーリマンは封印することで決まったから。尋問は無しで情報提供もしてくれるから実験は無しの方向でって…」
「へぇ~、そうだったんですかぁ。どうして素直に話す気になったんですかね~?」
笑顔のままアヤコの視線がアーリマンへと向けられる。アーリマンの大きな単眼が、まるで邪眼を受けたようにブルっと震えた。
「その感じ、強欲魔王…か?それに、色欲魔王も居るな」
「だったら何ですか?」
「いや、今まで魔王3人が手を組んだという話など、見た事も聞いた事も無いと思ってな」
「手を組んでいるのではありません。夫婦になっているのです」
「人間の形式的な契約など当てにならぬだろ?魔王が手を組むとは、そんな個々の意味とは違う」
夫婦関係など当てにならないと言われ、嫁陣の機嫌が明らかに悪くなってきている。
「悪魔には伴侶なんて要らないんでしょうね?だから、その価値が分からない」
喜怒哀楽を共にして、形には見えない愛を育む。その価値は、当事者達にしか分からない。
アヤコ達は理解できないことを哀れむように言うが、アーリマンは鼻で笑った。
「分かっているじゃないか。俺は、その価値とやらに興味は無い。まぁ、アスモデウスやレヴィアタンは興味を持っていたようだが。そんな話は今は無意味だろ?俺が言いたいのは、大罪の魔王が3人も1箇所で共存できている事だ」
「ん?普通に問題無く暮らせているけど?」
「…大罪に名を冠に持つ大罪教が、何故民衆に支持されていると思う?」
「それはもちろん、フレイア神の加護である職種の恩恵です。それと、大罪に挙げられる7つの罪が、生を感じるに必要な欲望だからでしょう」
カオリの答えに、アーリマンは感心したように頷く。
「その通りだ。罪と称されているが、それは生への執着からなる本能だ。それに執着することが破滅へと繋がると人間が考えた事から、大罪と呼ばれるようになった。その大罪と欲望の権化とされてきたのが、我々、厄災の悪魔とお前達魔王だ。その執着した欲望の権化がこんなにも集まり、本来なら衝突が起きないわけが無いのだ。現に、我々厄災の悪魔同士も協力などするわけ無く、同時期に召喚された際も、潰し合いを興じた」
それが楽しく、且つ存在意義だとアーリマンは嬉しそうに語る。
「ん~言わんとする事は分かるけど、俺達はあんまり欲に固執してないからね?」
アラヤは確かに大食いではあるけれど、無差別に食い散らかしているわけじゃない。暴食がただの大食いという意味とは限らないけど。
「……分からんな。何故執着し溺れない?」
「それは彼の影響でしょうね。私は早い段階で、溺れる感覚すら知らないまま一度死んだ身だし、アヤコさんに至っては初めは魔王ですら無かった。にいやと再会してから、私達は魔王としての快楽を体験している。だから、お互いが干渉することで快楽を抑制できている。そういうことだと思うわ」
カオリの答えだと、逆に1人のままだったなら欲望に溺れていたということだ。その可能性は確かに高かったかもしれないな。
「…そうか。…フレイア神が我々を顕現させてから、初めての事態かもしれんな。女神の思惑通りかは分からないが、気難しいと聞く大精霊からも好かれるとは前代未聞の存在だ。俄然、お前に興味が湧いたぞ」
「話が脱線しているぞ。俺達のことは気にしなくていい。いくら興味を持たれようとも、封印は必ず行う。今は質問に答えるだけにしろ」
悪魔に興味を持たれるなんてお断りだ。さっさと情報を聞き出して封印してしまおう。
「先ず最初に、誓いの呪文は掛けられていないか?」
「俺に呪いは効かない。邪眼による呪いが俺の得意分野だからな。まぁ、この場所では一切呪いが効かなかったが。俺は今まで召喚者に服従したことはない。気が合えば多少の協力をしてやるだけだ」
アーリマンは召喚者に従わない悪魔か。まぁ、そのおかげで簡単に情報提供できるのだろうけど。
「お前を召喚したのは誰だ?」
「ダクネラ=トランスポートさ。ヌル虚無教団教皇、知っているだろ?世界の敵だからな」
「この街に来たのは、ダクネラの指示だろ?他に指示はあったのか?」
「いいや、この港は帝国の海の玄関口だから、足止めだけしていれば良いってよ?まぁ、表向きはそうだろうが、今の帝国には飛行戦艦がある。海だけ抑えたところで、侵攻は止められない事は分かっている筈だ。奴の本当の狙いは、俺があの街で大虐殺を行うことを見込んで、禁呪魔法を放って、俺ごと帝国を潰す計画だったんだろうよ」
「船に遺体を分けて積んだのは、禁呪対策だったのか?」
「まぁな。お前達が来なければ、今頃は多方面の海域に出港して沈めていたところだ」
「ヌル虚無教団の中で、禁呪を使える奴は誰なんだ?」
「ダクネラはもちろんだが、娘のダフネ=トランスポートも使えるようだ。後は、魔力量的に居ないな」
娘というと、アスピダ達が居た魔王配下候補の養成所責任者だったな。
とりあえず2人が禁呪使用可能か。別地点での同時発動の危険も出てきたな。
「あの、ヌル虚無教団の移動手段で、海中を航行可能な乗り物はありましたか?」
「ああ、あれか。奇妙な箱の乗り物があったな。ソードムの魔導化学とやらの乗り物だ。まぁ、数はあまり無かった」
「潜水艦みたいなやつだろうね。転移者の知識か、ソードムが独自に開発したのかは分からないけど」
アヤコは、以前確認できなかった乗り物の正体が分かっただけでも、少しだけ安心できた。
「ヌル虚無教団の兵力はどの程度?」
「教団自体の兵員数は1000人程度だ。後は各地から集めた奴隷や冒険者を魔人化させた雑兵が1万足らずだな」
「魔人って、魔力量だけ多くても魔法が使えない奴も居たな。強さ的にはC級冒険者くらいかな?わざわざ魔人化させた意味ってあるの?」
「あれは弱くても関係ない。教団兵士の魔力補給用だからな」
「魔力補給用?それって⁉︎」
「そのままの意味だ。教団兵士が魔法連発、魔力量が減れば魔人から魔力を奪う。また連発を繰り返すというように、魔力回復の道具扱いなのさ」
「魔力補給用人…ってことか」
教団が非人道的なのは初めから分かってはいるが、そうまでして戦争を起こしたい理由は何だ?
「ヌル教団の真の目的は何なんだ?」
「さぁな。ある男の話だと、世界中を混沌に染めて、何かを召喚しようとしているって言ってたな。まぁその前に、俺が消え、禁呪も不発となった今、グルケニア帝国とパガヤ王国に侵攻されて、ソードムも虚無教団も終わりだろ」
確かに、奴等が妙な動きをする前に叩けば済む話だ。言うほど簡単な話ではないのは分かっているが、指針はハッキリしている。
「あと、教団の中には魔王や勇者の血を継ぐ者達がいる。その強さは寛容の勇者より上だ。奴は差を縮める為にレヴィアタンに手を出したらしいが、敗れたらしいな。バカな奴だ」
寛容の勇者より強い?奴を倒したのは俺とカオリだけど、ギリギリ勝てたに過ぎない。
更に上の強さとなると、一筋縄ではいかないな。
「では、そろそろ始めるわよ?」
アーリマンから、他の悪魔の祭壇や遺跡の新たな情報は無く、とうとう封印することになった。
「クックックッ…。お前達の事は確と覚えたぞ。封印が解かれた日には、お前達の子孫に恐怖を…」
「今更凄んだって無駄だよ?それとも、永久被験体になりたいの?」
「…言ってみたかっただけだ」
アーリマンは大人しく目を瞑って終わりを待つ事にした。
封印方法はカオリが知っていて、アーリマンを中央に置き、六芒星の位置にアラヤとアラヤ分身体、嫁4人が術者としてそれぞれの配置に立つ。
それぞれが異なる属性の魔力を持って術式を完成させると封印が発動するのだ。
先程と同様に、カオリとの感覚共有で魔力を練り上げる。
「「「「「六芒降魔封印‼︎」」」」」
虹色の光にアーリマンが包まれて、バシュッ‼︎という音と煙を出した。
煙が消えると、そこにアーリマンの姿は無く、見覚えのある筋肉質な腕が落ちていた。
「…バンドウの腕が媒体だったか」
「…後はこの腕を更に結界で囲むだけよ」
今は保管場所もまだ決まっていないので、とりあえず亜空間収納に入れておく。
「これで、ボリスンの街から厄災の悪魔を討伐するミッションは終了ですが、両教団には封印したと伝えるんですか?できれば、討伐したと伝える方が私は得策だと思います」
「アヤコさん、そうなると証拠がいるわよ?封印した時点で、証拠となる物が無いわ」
「あ、これ使える?」
アラヤは亜空間収納から石化した大蛇を大量に出した。これは、アーリマンが本体に大蛇を戻した際には、既に亜空間の内部にあった為に吸収されずに残っていたのだ。
「アーリマンと同様の単眼の大蛇だし、街の住民や兵士達も目撃している。上半身は砕けたとすれば、充分な証拠となるでしょう」
最初の利用目的は違ったけれど、役に立って良かった。
これで、美徳教団教皇のヨハネスと光の大精霊から報酬を得られる。
その報酬は、各厄災の悪魔の祭壇場所の情報と、火の大精霊の住処の情報だ。
今回は加護のおかげで、難なくアーリマンに勝てて良かった。後は帝国に丸投げして、次はムルキベル様に逢いに行こうかな?
背中からハグをするアラヤ分身体によって、アヤコは自由を奪われていた。
というのも、ボリスンの街から帰還したアヤコは、大人しく縛られているアーリマンを見つけるなり、薬キットと手術道具を取り出したからである。
「気持ちは嬉しいですが、今は人前ですよ?夜まで待てませんか?」
「い、いや、違ってね?アーリマンは封印することで決まったから。尋問は無しで情報提供もしてくれるから実験は無しの方向でって…」
「へぇ~、そうだったんですかぁ。どうして素直に話す気になったんですかね~?」
笑顔のままアヤコの視線がアーリマンへと向けられる。アーリマンの大きな単眼が、まるで邪眼を受けたようにブルっと震えた。
「その感じ、強欲魔王…か?それに、色欲魔王も居るな」
「だったら何ですか?」
「いや、今まで魔王3人が手を組んだという話など、見た事も聞いた事も無いと思ってな」
「手を組んでいるのではありません。夫婦になっているのです」
「人間の形式的な契約など当てにならぬだろ?魔王が手を組むとは、そんな個々の意味とは違う」
夫婦関係など当てにならないと言われ、嫁陣の機嫌が明らかに悪くなってきている。
「悪魔には伴侶なんて要らないんでしょうね?だから、その価値が分からない」
喜怒哀楽を共にして、形には見えない愛を育む。その価値は、当事者達にしか分からない。
アヤコ達は理解できないことを哀れむように言うが、アーリマンは鼻で笑った。
「分かっているじゃないか。俺は、その価値とやらに興味は無い。まぁ、アスモデウスやレヴィアタンは興味を持っていたようだが。そんな話は今は無意味だろ?俺が言いたいのは、大罪の魔王が3人も1箇所で共存できている事だ」
「ん?普通に問題無く暮らせているけど?」
「…大罪に名を冠に持つ大罪教が、何故民衆に支持されていると思う?」
「それはもちろん、フレイア神の加護である職種の恩恵です。それと、大罪に挙げられる7つの罪が、生を感じるに必要な欲望だからでしょう」
カオリの答えに、アーリマンは感心したように頷く。
「その通りだ。罪と称されているが、それは生への執着からなる本能だ。それに執着することが破滅へと繋がると人間が考えた事から、大罪と呼ばれるようになった。その大罪と欲望の権化とされてきたのが、我々、厄災の悪魔とお前達魔王だ。その執着した欲望の権化がこんなにも集まり、本来なら衝突が起きないわけが無いのだ。現に、我々厄災の悪魔同士も協力などするわけ無く、同時期に召喚された際も、潰し合いを興じた」
それが楽しく、且つ存在意義だとアーリマンは嬉しそうに語る。
「ん~言わんとする事は分かるけど、俺達はあんまり欲に固執してないからね?」
アラヤは確かに大食いではあるけれど、無差別に食い散らかしているわけじゃない。暴食がただの大食いという意味とは限らないけど。
「……分からんな。何故執着し溺れない?」
「それは彼の影響でしょうね。私は早い段階で、溺れる感覚すら知らないまま一度死んだ身だし、アヤコさんに至っては初めは魔王ですら無かった。にいやと再会してから、私達は魔王としての快楽を体験している。だから、お互いが干渉することで快楽を抑制できている。そういうことだと思うわ」
カオリの答えだと、逆に1人のままだったなら欲望に溺れていたということだ。その可能性は確かに高かったかもしれないな。
「…そうか。…フレイア神が我々を顕現させてから、初めての事態かもしれんな。女神の思惑通りかは分からないが、気難しいと聞く大精霊からも好かれるとは前代未聞の存在だ。俄然、お前に興味が湧いたぞ」
「話が脱線しているぞ。俺達のことは気にしなくていい。いくら興味を持たれようとも、封印は必ず行う。今は質問に答えるだけにしろ」
悪魔に興味を持たれるなんてお断りだ。さっさと情報を聞き出して封印してしまおう。
「先ず最初に、誓いの呪文は掛けられていないか?」
「俺に呪いは効かない。邪眼による呪いが俺の得意分野だからな。まぁ、この場所では一切呪いが効かなかったが。俺は今まで召喚者に服従したことはない。気が合えば多少の協力をしてやるだけだ」
アーリマンは召喚者に従わない悪魔か。まぁ、そのおかげで簡単に情報提供できるのだろうけど。
「お前を召喚したのは誰だ?」
「ダクネラ=トランスポートさ。ヌル虚無教団教皇、知っているだろ?世界の敵だからな」
「この街に来たのは、ダクネラの指示だろ?他に指示はあったのか?」
「いいや、この港は帝国の海の玄関口だから、足止めだけしていれば良いってよ?まぁ、表向きはそうだろうが、今の帝国には飛行戦艦がある。海だけ抑えたところで、侵攻は止められない事は分かっている筈だ。奴の本当の狙いは、俺があの街で大虐殺を行うことを見込んで、禁呪魔法を放って、俺ごと帝国を潰す計画だったんだろうよ」
「船に遺体を分けて積んだのは、禁呪対策だったのか?」
「まぁな。お前達が来なければ、今頃は多方面の海域に出港して沈めていたところだ」
「ヌル虚無教団の中で、禁呪を使える奴は誰なんだ?」
「ダクネラはもちろんだが、娘のダフネ=トランスポートも使えるようだ。後は、魔力量的に居ないな」
娘というと、アスピダ達が居た魔王配下候補の養成所責任者だったな。
とりあえず2人が禁呪使用可能か。別地点での同時発動の危険も出てきたな。
「あの、ヌル虚無教団の移動手段で、海中を航行可能な乗り物はありましたか?」
「ああ、あれか。奇妙な箱の乗り物があったな。ソードムの魔導化学とやらの乗り物だ。まぁ、数はあまり無かった」
「潜水艦みたいなやつだろうね。転移者の知識か、ソードムが独自に開発したのかは分からないけど」
アヤコは、以前確認できなかった乗り物の正体が分かっただけでも、少しだけ安心できた。
「ヌル虚無教団の兵力はどの程度?」
「教団自体の兵員数は1000人程度だ。後は各地から集めた奴隷や冒険者を魔人化させた雑兵が1万足らずだな」
「魔人って、魔力量だけ多くても魔法が使えない奴も居たな。強さ的にはC級冒険者くらいかな?わざわざ魔人化させた意味ってあるの?」
「あれは弱くても関係ない。教団兵士の魔力補給用だからな」
「魔力補給用?それって⁉︎」
「そのままの意味だ。教団兵士が魔法連発、魔力量が減れば魔人から魔力を奪う。また連発を繰り返すというように、魔力回復の道具扱いなのさ」
「魔力補給用人…ってことか」
教団が非人道的なのは初めから分かってはいるが、そうまでして戦争を起こしたい理由は何だ?
「ヌル教団の真の目的は何なんだ?」
「さぁな。ある男の話だと、世界中を混沌に染めて、何かを召喚しようとしているって言ってたな。まぁその前に、俺が消え、禁呪も不発となった今、グルケニア帝国とパガヤ王国に侵攻されて、ソードムも虚無教団も終わりだろ」
確かに、奴等が妙な動きをする前に叩けば済む話だ。言うほど簡単な話ではないのは分かっているが、指針はハッキリしている。
「あと、教団の中には魔王や勇者の血を継ぐ者達がいる。その強さは寛容の勇者より上だ。奴は差を縮める為にレヴィアタンに手を出したらしいが、敗れたらしいな。バカな奴だ」
寛容の勇者より強い?奴を倒したのは俺とカオリだけど、ギリギリ勝てたに過ぎない。
更に上の強さとなると、一筋縄ではいかないな。
「では、そろそろ始めるわよ?」
アーリマンから、他の悪魔の祭壇や遺跡の新たな情報は無く、とうとう封印することになった。
「クックックッ…。お前達の事は確と覚えたぞ。封印が解かれた日には、お前達の子孫に恐怖を…」
「今更凄んだって無駄だよ?それとも、永久被験体になりたいの?」
「…言ってみたかっただけだ」
アーリマンは大人しく目を瞑って終わりを待つ事にした。
封印方法はカオリが知っていて、アーリマンを中央に置き、六芒星の位置にアラヤとアラヤ分身体、嫁4人が術者としてそれぞれの配置に立つ。
それぞれが異なる属性の魔力を持って術式を完成させると封印が発動するのだ。
先程と同様に、カオリとの感覚共有で魔力を練り上げる。
「「「「「六芒降魔封印‼︎」」」」」
虹色の光にアーリマンが包まれて、バシュッ‼︎という音と煙を出した。
煙が消えると、そこにアーリマンの姿は無く、見覚えのある筋肉質な腕が落ちていた。
「…バンドウの腕が媒体だったか」
「…後はこの腕を更に結界で囲むだけよ」
今は保管場所もまだ決まっていないので、とりあえず亜空間収納に入れておく。
「これで、ボリスンの街から厄災の悪魔を討伐するミッションは終了ですが、両教団には封印したと伝えるんですか?できれば、討伐したと伝える方が私は得策だと思います」
「アヤコさん、そうなると証拠がいるわよ?封印した時点で、証拠となる物が無いわ」
「あ、これ使える?」
アラヤは亜空間収納から石化した大蛇を大量に出した。これは、アーリマンが本体に大蛇を戻した際には、既に亜空間の内部にあった為に吸収されずに残っていたのだ。
「アーリマンと同様の単眼の大蛇だし、街の住民や兵士達も目撃している。上半身は砕けたとすれば、充分な証拠となるでしょう」
最初の利用目的は違ったけれど、役に立って良かった。
これで、美徳教団教皇のヨハネスと光の大精霊から報酬を得られる。
その報酬は、各厄災の悪魔の祭壇場所の情報と、火の大精霊の住処の情報だ。
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