イレンシ~壱~

ホージー

文字の大きさ
上 下
5 / 63
case1 公園の少年

4

しおりを挟む



鹿神の手は紙の周りを行ったり来たり、

何かを探るかの様に動いていたが、その手が突然止まった。


鹿神「ここだな・・・。」


何かを感じ取ったのか、鹿神は手が止まった場所にハサミを差し込み・・・。


鹿神「・・・・・・・・・。」


集中しているのか鹿神は急に黙り込んだ。


そして


ジョキッ!!


鹿神が持っていたハサミが封紙を切る音がした。


すると途端に、封紙はただの紙の様にヘナヘナと地面に崩れ落ちて行った。


竹田「・・・あれ?紙が・・・。鹿神さん何をしたんですか?」


鹿神「・・・ふぅ・・・、お婆ちゃん出来ましたよ!」


その様子を見ていた老婆は特に驚く訳でも無く、逆に少し微笑んでいた。


老婆「ふふっ・・・、まぁこれくらい簡単にやってもらわないとのぅ?」


そう言うと老婆はゆっくりと立ち上がり、鹿神へ近づいてきた。


老婆「・・・ほれっ、これがきっと役立つじゃろう。」


老婆は新聞の切り抜きの様な物を2枚鹿神に渡してきた。



しおりを挟む

処理中です...