イレンシ~壱~

ホージー

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case1 公園の少年

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先程まで田山の近くに何も見えて無かった竹田の目には、別の何かを捉えていた。

そこには田山を追い詰めようとしている人の様な形をした影がいた。


竹田「み・・・見えた!あれが幽霊なんですか?」


鹿神「ああ、でもちゃんと須田さんって言う名前があるんだ。幽霊幽霊って言うもんじゃない。」


竹田「え・・・?どうしてですか?」


鹿神「今は幽霊でも、昔は現世にちゃんと生きていた人達だ。名前もある。

例えどんな事をしていたとしても、名前で呼ばないのは失礼だ。」


竹田「は・・・はぁ・・・?」


鹿神「竹田君もこの仕事をやっていけばいつかわかるよ。」


田山「こっち来るなって言ってるだろ!!」


とうとう田山は壁に追いやられ逃げ場が無くなっていた。


田山「こ・・・このヤロォォォォ!!!」


突如気が狂ったかの様に田山は幽霊に向かって走り出しスコップを振り下ろした。


田山「あぐっ!」


当然当たるわけが無く、空振りに終わった田山は勢い余って地面に転倒した。


鹿神「・・・もう終わりにしませんか田山さん?」


田山「だ・・・黙れ!私はただ除霊しろと言っただけなのに、余計なことを!」


鹿神「田山さん、あなたからはちゃんと依頼料が振り込まれたのは確認しました。

つまりこれは僕の独断です。」


田山「独断・・・?」


鹿神「僕にはどうも納得できなかったんです。このままあなたのやった事を見て見ぬ振りをして良い物かと。」


田山「証拠はどこにも無いんだ!ましてや幽霊が警察に通報も証言も出来るわけが無い!」


鹿神「ええ確かに・・・、ですから僕があなたにチャンスをあげます。」




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