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case2 山の熊さん 前編
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しおりを挟む鹿神「あのぉ・・・すいません、失礼ですがあなたがここの女将さんですか?」
女将「えぇそうですが?」
鹿神「私達佐武さんから依頼を頂いた、イレンシ相談所の鹿神と申します。」
女将「あぁ、あなたがそうでしたか。」
鹿神「それで、あなたに少しお聞きしたい事がありまして・・・。」
女将「はぁ・・・?まぁ時間だけはありますから大丈夫ですよ。」
鹿神「では、とぐろ山について何か知っている事があれば教えて頂けませんか?」
女将「とぐろ山ですか?ええまぁ少し、山の言い伝え程度なら・・・。」
鹿神「それで十分です!是非お願いします!」
女将「・・・わかりました。」
・・・・・・・・・・・・
それは今から約200年前。
ある日突然この村の近くに巨大な岩が現れました。
その岩は山の様に巨大で、突起状の様な形をしていたそうです。
そしてその岩が現れた直後から近くに住んでいた村人達に幾つもの災いが降りかかり始めました。
ある者は病気にかかり、またある者は致命的な重傷を負ったり。
村人は恐れ、徐々に家からも出て来なくなったそうです。
そんな時
突如村に霊媒師だと名乗る青年が村を訪れました。
青年は何やら呪文の様な物を唱えだし、地面からな巨大な大蛇を呼び出しました。
その大蛇は岩へ向かい、長い体を岩へと巻き付けました。
また大蛇は口に大木を咥え、それを岩の頂上に挿したそうです。
そして岩に巻き付いたまま大蛇は動きを止め、体を石に変えてしまいました。
その直後から不思議なことに、さっきまで動くことすら出来なかった村人達が、
突如として元気に動き出したそうです。
それ以来岩は大蛇がとぐろを巻いている形から"とぐろ山"と呼ばれるようになり、
頂上の大木は御神木として祀られるようになりました。
・・・・・・・・・・・・
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