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1章 鍛冶屋の加治屋

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冒険者は加治屋の手招きに従い店の奥、つまり店の裏側へと案内された。


冒険者「何だここ・・・?ここに何があるってんだよ?」


加治屋「・・・お前には色々と教えておいた方が良いと思ってな。」


冒険者「はぁ?教えるって何・・・を?」


冒険者が店の裏へ出た時、そこは山に近い事から、周囲には冒険者の足首程の草がそこら中に生い茂り、

身長の数倍の木々が所々に根を張っていた。

その場所はさながら、どこか別の空間にでも移動したかの様な感覚を冒険者は覚えた。

そしてそれを更に印象付けていた物が、山へと続く道があるはずのその場所に、巨大な木製の扉が存在し、

その巨大な扉の前に囲む様に、腰の高さほどの木の杭が幾つもの数が打ち込まれており、

そこに半円状にロープで結ばれ繋がっていた。


冒険者「・・・何だこれは!?ここも何かのダンジョンなのか?どこかに繋がってんのか?」


加治屋「おい、あまり近付くなよ?特にバリゲートの中には入るな。どうなっても知らんぞ。」


冒険者「バリゲート?こいつの事か・・・これに入ったら何が・・・。」


冒険者はそう言いつつ木の杭に手を触れた・・・。その瞬間。


冒険者「・・・・・・・・・!!」


冒険者は突然口をつぐみ出し、何かかつてない感覚に戸惑っている様子だった。


加治屋「・・・だから言ったろ・・・人の話を聞かないから。」


加治屋は呆れた様子で、固まったまま動く事が出来ない冒険者へ近付き。


加治屋「ほら、意識をちゃんと持てよ?少し頭がクラクラするだろうけどな。」


加治屋は冒険者の腕を引っ張り、強引に杭から手を離させた。


冒険者「うぅ・・・・・・何なんだよ一体これは・・・。」


冒険者の顔には、いつの間にか大量の汗が吹き出し、疲労が顔に現れていた。


加治屋「・・・それよりこっちだ。お前にはこっちの方が重要なんでな。」


そう言いつつ加治屋は再びスタスタと歩き始めた。


冒険者「・・・・・・・・・」


色々と聞きたい事はあったが、今はその言葉達を飲み込み冒険者は加治屋の後を追った。


加治屋「ここだ・・・、お前にここで武器の使い方を教えてやる。」


冒険者「武器の・・・使い方?」


そう言った加治屋の前には、壁の様に反り立った岩があり、2人を見下ろしているかの様な存在感さえあった。


 

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