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1章 鍛冶屋の加治屋
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しおりを挟む冒険者「我慢・・・比べ?どういう事だ?」
加治屋「お前、さっき木の杭に触っただろ?ロープが結んであった杭を。」
冒険者「あぁ・・・、触った。それがどうした?」
加治屋「触って何かを感じただろ?この世の物とは思えない程の威圧感とか?抗えない力を感じたとか?」
冒険者「・・・・・・・・・。」
冒険者は身に覚えがあり過ぎて、何をどう表現して良いのかわからず黙ってしまった。
そして、それを知ってか知らずか、冒険者の返答をその無言で受け取った気がしていた。
加治屋「・・・お前がここへ入る時、普通だったらこの囲っている中にも影響があるとも思ってたよな?
だけど今は何ともない。お前にとっては不思議だよな?」
冒険者「ここは・・・いや、あの扉の先は一体何なんだ?一体何があるんだ・・・?」
加治屋「それを知ったところで・・・、今のお前にはどうすることも出来ない。今のお前にはな・・・。」
冒険者「何だよそれ・・・。なら・・・、我慢比べってのは?一体何を我慢するんだ?」
加治屋「さっきお前が感じた威圧感、それに似た物を今からこの範囲の中にも発生させる。所謂重力に似た物だ。
それにお互いどれだけ耐えられるのか、相手より長く立つ事が出来れば勝ちとする。どうだ、簡単だろ?」
冒険者「・・・わかった。だがその代わり、俺が勝ったらここの事を教えろ。ここの全てを・・・だ。
気になってどうしようもないんだよ。」
加治屋「わかった・・・、良いだろう。その様な事で良いんならな。」
そう言って2人はある程度の距離を離し、そしてお互い門の方を向き動きを止めた。
冒険者「・・・因みに、さっきのはどうやって発生させるんだ?」
加治屋「・・・今やってるみたいだ。もう少し待て。準備をしているみたいだから。」
冒険者「???」
加治屋が言っている準備とは何なのか・・・、冒険者は言い表せない不安に駆られながらも、
いずれ来るそれに備える様に、体に力を入れ、身構え始めていた時・・・。
加治屋「・・・そろそろ来るぞ!簡単に潰されんじゃねぇぞ!?」
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