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9章 鍛冶屋とバグ(チート)

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国王「・・・・・・・・・。」


無言の国王、それを囲むかの様に地面が盛り上がりそこから人型のゴーレムが現れた。


騎士団長「国王。あなたが今何かを考えているのか・・・、そんな事は容易に予測できる。

だから俺達はそれを止める為にここにいるんだ。」


国王「・・・・・・・・・。」


騎士団長「あなたがあの部屋に籠っている間に対策は充分立てました。

そしてこれからあなたは、国王としての職を失う事になる。」


国王はそれまでただ静かに騎士団長の話を聞いていたが、己の職が失われると言う言葉を聞き、

閉じていたその口を開いた。


国王「職を・・・失う・・・何故?私が何をしたと言うのだ?」


騎士団長「記憶に障害でも発生しているのか・・・?あなたが今まで部下に敷いて来た事、

それ自体がこの世界の破滅へ向かわせていたと言う事なんですよ。」


国王「破滅か・・・。ならばお前達は来なくて良い。私だけで魔王軍を壊滅させてやろう。

そこを・・・ゴーレム達を退かしてくれないか?」


騎士団長「それは出来ないと言っている。ここであんたを止める。それが俺の役目だと言ったはずだ。」


国王「・・・私に向ってその様な口を聞いてくるとは・・・。随分と偉くなったのだな・・・?」


騎士団長「今はもうあんたに指揮系統は無い。だから今はただの一般市民と変わりない。」


国王「・・・そうか、・・・ならば別に何にも縛られることも無く・・・、自由に動けると言う事か・・・。」


国王がそう呟いた瞬間、国王の周辺から一瞬何かが地面を走った。


騎士団長「・・・・・・何をした?」


国王「・・・なぁに、1人で行くにしてもお供がいた方が退屈しないと思ってな・・・。

丁度目の前にいたもんで、利用させてもらうぞ?」


騎士団長「・・・・・・・・・。」


兵「き・・・騎士団長!魔術部隊から伝令。遠隔用のゴーレムの制御が失われた模様です!」


騎士団長「・・・お供にしては随分ゴツイ奴らを連れて行くんだな?」


国王「いや・・・、最初はお前でも良かったんだがな?・・・お前、何か持っているな?

お前に効き目が無かった様に見えたんだが?」


その問いかけに騎士団長は・・・。


騎士団長「言ったでしょう・・・、対策は充分に立てたと?」


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