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9章 鍛冶屋とバグ(チート)
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しおりを挟むそしてそれと同時に国王は周辺を察知し、己を取り囲んでいる人間の数を数秒の間に全てを把握した。
国王「・・・こんな事まで出来るとはな・・・。今までやって来た事が無駄だったようだ・・・。」
しかし、その様な憂いた言葉を相手は聞くはずも無く、次の瞬間無数の矢が茂みや岩陰から飛び出し、
そしてほぼ同じ軌道を描きながら国王の一団へ向かっていた。それはさながら流星群の様に。
国王「・・・ここで私を仕留めるつもりか?」
先程と変わらない落ち付いた口調で、既に盗賊に興味を失くしていた国王はかざしていた右手を無数の矢に向け、
振り払う様に軽く動かした。
ブオォォッ!!!
軽く動かしたとは思えない程、その手から放たれた風は横なぎに矢の軌道をずらし、そして失速させた。
騎士団長「・・・化け物が・・・だが、目くらましには丁度良かったな・・・。」
その言葉と同時に、国王の背後にいた物が一つ崩れ落ちた。
国王「・・・・・・何だ?」
国王が背後で何かが起こった事に気付き体を後ろへ向けると、先程国王に話しかけていたゴーレム・・・、
だった土であった。
国王「・・・おい、どうした?・・・・・・おい?」
騎士団長「・・・効果・・・有りだ!!」
国王はそこにしゃがみ込み、先程まで忠実な僕となっていた土を手で一掴みし、
感触を確かめるかのように動かしていた。
国王「・・・・・・・・・。」
少しの間何かを考えていた国王はゆっくりと立ち上がり再び前方に向き直った。
国王「・・・例え作られた土の人形であっても・・・、喪失感と言う物か・・・悲しい物だな・・・。」
そして国王はゆっくりと歩を進め出した。戦意を喪失した盗賊はその横を通り過ぎる国王を直視できなかった。
それ程の恐怖をこの短時間に植え付けられ、通り過ぎた後、
立ち上がり方を忘れてしまう程の脱力感に見舞われていた。
盗賊「・・・・・・・・・。」
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