9 / 22
第9話 ガレナさん
しおりを挟む
「こんにちはー」
カンッ!カンッ!と何かを叩く大きな音がする工房に今日、俺とアンリさんは訪れていた。
理由はガレナさんがお弁当を忘れたからだ。
「ドフレさん、こんにちは」
「あぁん?・・・何だ管理人じゃねーか!!!おい、お前ら管理人と魔族の嬢ちゃんが来たぞ!」
ドフレと呼ばれた男が後ろに声をかけると何人ものドワーフ達が現れ、瞬く間に二人を囲った。
「久しぶりじゃねーか!」「何だ何だ今日は何しに来たんだ!」「魔族の嬢ちゃんも相変わらずだな!」
「管理人よ。ドワーフと言うのは何故こうも馴れ馴れしいんであろうな」
「あはは、すみませんガレナさんって今何処にいますか?」
「あのお嬢ちゃんなら、今日も大将と一緒だぜ?」
「ありがとうございます」
礼を言って俺たちは二階へと上がっていった。ここはドワーフ達が営んでいる工房で、ここでドワーフ達は冒険者に取って必要な道具や日常に必要な道具を作っており、この街に住んでいる人々にとって、なくてはならない重要な場所になっている。
「モルグラスさん、お久しぶりです。娘さんとはどうですか?」
「邪魔するぞ」
「あぁ?何だ管理人とアンリじゃねーか。あいつの事は言うなっていつも言ってんだろ!」
二階に上がると部屋中に工具や武具などが散らばってある中に一人、背の低い男性、大将と呼ばれているここのリーダーモルグラスさんが近づいて来た。
二階は彼専用の部屋となっており、基本的に彼と彼に入る事を許されている人しか来れない場所になっている。
「たっく、で?今日はどうしたんだよ?」
「ガレナさんがお弁当を忘れてしまっていて、届けにきたんですよ」
「そう言うことか。ちょっと待ってろ、おーい!ガレナァ!管理人が来たぞ!」
「・・・」ヒョコ
モルグラスさんの声を聞きつけ、山のように積まれている武具の後ろからガレナさんが顔を出して、こちらに近づいて来た。
「はい、これ忘れちゃダメですよ」
「・・・」コクンッ
彼女は喋れないわけではない。エルフ族の中でも特異であった彼女は迫害されていたらしく、その影響で言葉を発するのが怖くなり今のような状態になったらしい。
「お、そう言えばお前がこの前、教えてくれたフライパンとか言う奴も今回バカ売れしてぜ?」
「あ、本当ですか?良かったです」
「ほら、報酬だ」
投げられた札束をキャッチした。
俺はアパートの管理人の他に前の世界にあった日用品なだけの情報をモルグラスさん達に渡して、それを作って貰い、売れた分の半分の報酬を貰っている。
「いつもありがとうございます」
「なぁに気にすんな!今回も中々骨のある仕事だったからな!」
この世界のドワーフ族は物作りに関して、非常に拘っており、作る品物はどれも一級品の価値があるものとなっている。その為、彼らは見た事もない、聞いた事もないような物に関して他種族以上の関心がある。
「また何かあったら教えてくれよな!」
「勿論、俺の生活もかかってますからね!」
実のところアパートはほぼほぼ無償で貸しているところがあり、毎月しっかりと支払ってくれるのはモニちゃんとガレナさんの二人だけだったりする。
フェンリルさんは二人よりも断然稼いでいる筈なのだが、毎回何故か金欠に陥って支払いが現在も滞納している。アンリさんに関しては見た目が子供な事から働けないので支払えていない。
だからこうして偶に色々と手広くやっている。
「じゃあ俺達は弁当渡しましたし、そろそろ行きますね」
「頑張れよーガレナー」
「・・・」コクンッ
ガレナさんが頭を下げた時だった。窓の外から一本の矢が飛ばされガレナさんの頭を通り抜け反対側にあった柱に刺さった。
「「「「・・・・・」」」」ぶるっ
その場にいた全員が凍りついた。
「ッ!オイコラ誰だ!!!」
「が、ガレナさん!?大丈夫ですか!?」
誰よりも速くモルグラスさんは動き、窓を開け外に向かって怒鳴り込んだ。
その声にはっとさせられ、俺はガレナさんに駆け寄って声をかけた。
「・・・」カタカタ
「怪我は無いようですね。良かった」
「おいテメェら!外から弓撃った奴探してこい!」
モルグラスさんは一階にいたドワーフの皆んなに声をかけ、一階にいたドワーフ達はすぐさま外に出て行った。
「管理人よ、これを見てみろ」
「ん?アンリさんいつの間に」
アンリさんに呼ばれて矢が刺さった柱の方に行くと矢には白い紙が結ばれていた。
「これは・・・矢文?時代錯誤なやり口ですね・・・」
「殺しに来といて手紙とはまた随分な奴だな」
「大将、すんません!逃げられました!」
「ちっ、まぁいい。ガレナに怪我はなかったか」
「ありませんでしたよ」
「おい、お前達これ見てみろ」
アンリさんに再び呼ばれ、二階にいた俺を含めた皆んなは一斉にアンリさんの元に集まった。
「何ですか?って広げちゃったんですか」
「そうしなければ見れんだろ」
「それで誰からなんだ?」
モルグラスさんがそう聞くとアンリさんは手紙を俺達の方に向けて見せてくれた。
「エルフからだそうだ」
「・・・」ッ!?
カンッ!カンッ!と何かを叩く大きな音がする工房に今日、俺とアンリさんは訪れていた。
理由はガレナさんがお弁当を忘れたからだ。
「ドフレさん、こんにちは」
「あぁん?・・・何だ管理人じゃねーか!!!おい、お前ら管理人と魔族の嬢ちゃんが来たぞ!」
ドフレと呼ばれた男が後ろに声をかけると何人ものドワーフ達が現れ、瞬く間に二人を囲った。
「久しぶりじゃねーか!」「何だ何だ今日は何しに来たんだ!」「魔族の嬢ちゃんも相変わらずだな!」
「管理人よ。ドワーフと言うのは何故こうも馴れ馴れしいんであろうな」
「あはは、すみませんガレナさんって今何処にいますか?」
「あのお嬢ちゃんなら、今日も大将と一緒だぜ?」
「ありがとうございます」
礼を言って俺たちは二階へと上がっていった。ここはドワーフ達が営んでいる工房で、ここでドワーフ達は冒険者に取って必要な道具や日常に必要な道具を作っており、この街に住んでいる人々にとって、なくてはならない重要な場所になっている。
「モルグラスさん、お久しぶりです。娘さんとはどうですか?」
「邪魔するぞ」
「あぁ?何だ管理人とアンリじゃねーか。あいつの事は言うなっていつも言ってんだろ!」
二階に上がると部屋中に工具や武具などが散らばってある中に一人、背の低い男性、大将と呼ばれているここのリーダーモルグラスさんが近づいて来た。
二階は彼専用の部屋となっており、基本的に彼と彼に入る事を許されている人しか来れない場所になっている。
「たっく、で?今日はどうしたんだよ?」
「ガレナさんがお弁当を忘れてしまっていて、届けにきたんですよ」
「そう言うことか。ちょっと待ってろ、おーい!ガレナァ!管理人が来たぞ!」
「・・・」ヒョコ
モルグラスさんの声を聞きつけ、山のように積まれている武具の後ろからガレナさんが顔を出して、こちらに近づいて来た。
「はい、これ忘れちゃダメですよ」
「・・・」コクンッ
彼女は喋れないわけではない。エルフ族の中でも特異であった彼女は迫害されていたらしく、その影響で言葉を発するのが怖くなり今のような状態になったらしい。
「お、そう言えばお前がこの前、教えてくれたフライパンとか言う奴も今回バカ売れしてぜ?」
「あ、本当ですか?良かったです」
「ほら、報酬だ」
投げられた札束をキャッチした。
俺はアパートの管理人の他に前の世界にあった日用品なだけの情報をモルグラスさん達に渡して、それを作って貰い、売れた分の半分の報酬を貰っている。
「いつもありがとうございます」
「なぁに気にすんな!今回も中々骨のある仕事だったからな!」
この世界のドワーフ族は物作りに関して、非常に拘っており、作る品物はどれも一級品の価値があるものとなっている。その為、彼らは見た事もない、聞いた事もないような物に関して他種族以上の関心がある。
「また何かあったら教えてくれよな!」
「勿論、俺の生活もかかってますからね!」
実のところアパートはほぼほぼ無償で貸しているところがあり、毎月しっかりと支払ってくれるのはモニちゃんとガレナさんの二人だけだったりする。
フェンリルさんは二人よりも断然稼いでいる筈なのだが、毎回何故か金欠に陥って支払いが現在も滞納している。アンリさんに関しては見た目が子供な事から働けないので支払えていない。
だからこうして偶に色々と手広くやっている。
「じゃあ俺達は弁当渡しましたし、そろそろ行きますね」
「頑張れよーガレナー」
「・・・」コクンッ
ガレナさんが頭を下げた時だった。窓の外から一本の矢が飛ばされガレナさんの頭を通り抜け反対側にあった柱に刺さった。
「「「「・・・・・」」」」ぶるっ
その場にいた全員が凍りついた。
「ッ!オイコラ誰だ!!!」
「が、ガレナさん!?大丈夫ですか!?」
誰よりも速くモルグラスさんは動き、窓を開け外に向かって怒鳴り込んだ。
その声にはっとさせられ、俺はガレナさんに駆け寄って声をかけた。
「・・・」カタカタ
「怪我は無いようですね。良かった」
「おいテメェら!外から弓撃った奴探してこい!」
モルグラスさんは一階にいたドワーフの皆んなに声をかけ、一階にいたドワーフ達はすぐさま外に出て行った。
「管理人よ、これを見てみろ」
「ん?アンリさんいつの間に」
アンリさんに呼ばれて矢が刺さった柱の方に行くと矢には白い紙が結ばれていた。
「これは・・・矢文?時代錯誤なやり口ですね・・・」
「殺しに来といて手紙とはまた随分な奴だな」
「大将、すんません!逃げられました!」
「ちっ、まぁいい。ガレナに怪我はなかったか」
「ありませんでしたよ」
「おい、お前達これ見てみろ」
アンリさんに再び呼ばれ、二階にいた俺を含めた皆んなは一斉にアンリさんの元に集まった。
「何ですか?って広げちゃったんですか」
「そうしなければ見れんだろ」
「それで誰からなんだ?」
モルグラスさんがそう聞くとアンリさんは手紙を俺達の方に向けて見せてくれた。
「エルフからだそうだ」
「・・・」ッ!?
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました
チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。
完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。
【捕食】
それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。
ゴブリンを食べれば腕力を獲得。
魔物を食べれば新スキルを習得。
レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。
森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。
やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。
これは――
最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる