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前世の私と誕生日のような命日
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知恵熱で寝込んでいる間、彼女は今までになく静かだった。
今世に知り合いがいないことで、少し落ち着いてくれたのだろうか。とはいえ、何の力もない十歳の子供が調べられることはたかがしれていて、解らないことだらけだけど。
一時的に静かになったとはいえ、いつまた彼女が嘆きだすか解らない。次善の策として、私は疲れ果てるまで日中散歩をすることにしたのだった。睡眠は大事なのである。
それからというもの毎日、世話係やお兄様と植物園や図書館へ散歩へ行くようになった。もちろん、徒歩である。最初は、両親に反対されたけれど、治安の良い場所であることとお兄様と世話係の側を離れないことを約束して行くことを許して貰った。今世の両親は、なかなか過保護なのである。前世は、偶に植物園や図書館へ馬車で行く他は、外にでることもままならない箱入りだったのを考えると進歩だといえるのではないだろうか。
特に偉大な魔法使いが作ったと言われる植物園は前世の私も好きな場所で、生前何度もお忍びで足を運んでいた。今の私と違って彼女は深窓の令嬢だったから、毎日のように通うことはなかったけれど。園内を歩き回り彼女が好きだった池の近くでベンチに座って白鳥に餌をやるのは、酷く心落ち着く行為で。私の中の彼女も喜んでくれていると思う。
その日は、いつもより遅く昼過ぎに植物園に着いた。今日はピクニックもしたいというお兄様の希望で、バスケットに昼食を詰めて植物園へ来たのだった。お兄様としっかり手を結んで白鳥の池に行けば、いつものベンチに先客がいた。
せっかくの特等席に先客がいることに、十歳の私は少しむかっとする。彼女なら、鷹揚に対応するのだろけれど。
くすんだ金髪にボサボサ頭の男の人。顔は俯いていて、どんな風なのか解らない。一応貴族階級の両親よりも仕立ての良い服から、彼が特権階級に属していることが解る。こういう時、前世の『立派な淑女』な知識を持ったまま、子供として振る舞えるのは便利だと思う。
それにしても、男の人は身なりに無頓着なのか、シャツはよれよれだしネクタイはひん曲がっているし上着には皺が寄っていた。それなのにシャツや上着に汚れはなくて、別にちゃんと手入れをする人がいるように思える。結論としては、紳士じゃないように見えるのに、実は紳士な人という感じがした。
「おじさん、そこはわたしの場所」
怖い物知らずは子供の特権とばかりに胸を張って言えば、ゆっくりと男の人は顔を上げた。お兄様より年上の男の人は、今の私にとってはみんなおじさんなのである。
くすんだ金の髪に目の形が解る程度の濃い色のグラスが入った眼鏡の下の瞳と目が合ったような気がした。
その途端、ぼんやりと焦点の合ってない目が驚いたように見開かれたかと思うと、男の人はすくっと立ち上がる。まるで死人のような目だわと思っていれば、男の人は暫く私の顔をまじまじと穴の開くほど見つめた後に、足早に立ち去ってしまう。いったい、どうしたのだろうか。少なくとも私には、見覚えがない。たぶん、恐らく。
「へんなおじさんー」
「へんなおじさんー」
お兄様とふたりで首を傾げていると、世話係に「立派な淑女になれませんよ」と叱られたのは言うまでもない。もちろん、またあんな目に合う位なら、『立派な淑女』にならなくていい。将来は少しだけ持っている魔法の才を使って侍女かガヴァネスになって、老後は素敵な老嬢になるのだ。
魔法の才と言えば、どうしてあの女は『聖女』になったのだろうか。気がついたら、『聖女』と自ら称していたような気がする。聖女のしたことと言えば、見目麗しい貴族の子息を侍らしていただけとしか思い出せない。婚約者や義兄と同じ学園に在学中だった彼女の従姉妹が、日に日に聖女の崇拝者が増えていて気味が悪いと言っていたような気がする。あら、彼女には会話を交わすような仲の良い従姉妹がいたのか。どんな従姉妹だったのか思い出そうとすると、何故か思い出せない。
彼女の記憶だと、義兄の本当の妹が我が物顔で実家に君臨していたことしか思い出せない。
良い思い出よりも悪い思い出の方が記憶に残りやすいと言うけれど、彼女の記憶に悪いことしかないのも同じことなのだろうか。
それはともかく、彼女のような目に合う位なら、結婚なんてしなくていい。彼女の嘆きは他人事のように眺めていたけど、実は毎夜のように彼女の末路を見ている内に、すっかり結婚する必要性を感じなくなってしまったのだった。貴族の娘としては、正しくないのかもしれないけれど。今度は、彼女のように死なないことが、私の使命なんじゃないかと思う。でなけれ憶を持って戻ってくる必要はなかった筈で。そんなことを考えていると、お兄さまから「何だか悪い顔をしているよ」と、不思議そうな顔で言われたのだった。
これで『へんなおじさん』との縁は切れたと思ったのに、それから植物園へ散歩に行くと『へんなおじさん』に良く出会うようになった。
最初は会釈、次は口に出して挨拶、その次は一緒に白鳥に餌やりをしたりボートに乗ったりと『へんなおじさん』は私たちと徐々に親しくなっていった。子供と遊んで楽しいのだろうかと思うけれど、最近はご令嬢に乞食の格好とか仮装させて写真を撮ったりするのが流行りだから、『へんなおじさん』もそういう人なのかもしれない。
因みに、顔見知しりにはなったけれど名乗り合っていないので、『へんなおじさん』がどこの誰なのか未だに知らない。知らない方がいいことは世の中には沢山あるのだ。
植物園で『へんなおじさん』と遊ぶようになって暫くすると、彼女の命日が近づいてきた。彼女の命日で、私の誕生日。毎年、彼女が死んだと思われる時間に死ぬところを彼女と一緒に追体験するので、誕生日の前の日は少し憂鬱になる。今年で、11回目になるけれど、未だに自分が死ぬ瞬間には慣れることはない。
ワスレナイデ、ワスレナイデ、ワタシヲワスレナイデ。
誰かに向かってそう繰り返す彼女は、不憫で哀れだ。恨み言を言ってもいいのに。彼女には、その権利がある。それなのに、彼女は『愛している』と言うように、『ワスレナイデ』と言う。私には、全然彼女の気持ちが解らない。彼女は私ではあったけれど、小さい頃から『冷めている子』と言われる私は彼女ではない私なのだと思う。たぶん、彼女が心折れた時に私が生まれたのだろう。だから、彼女が受けた酷い仕打ちを夢に見ても、どこか他人事に感じるのだと思う。
彼女の墓は、私が住んでいる屋敷の庭にある。
さすがに彼女が死んだ路地裏には行けないから、屋敷の庭の片隅に小さな墓を作った。小鳥の死体を見つけたから葬ってあげるんだとお兄様にねだって作って貰ったお墓は、不幸な最後を遂げた彼女に相応しいと思う。貴族名鑑では、『病死』となっていたから、もしかすると先祖代々の霊廟の中に空の棺があるかもしれないが、空っぽの墓で祈っても彼女には届かないのじゃないだろうか。
命日の前日、植物園へ行くと『へんなおじさん』が花束を手にたそがれていた。いつもの通り声を掛けると、これから墓参りへ行くのだが一緒に行ってくれないかと『へんなおじさん』は言う。
何故墓参りにさそわれなければならないのかとお兄様と顔を見合わせていると、『へんなおじさん』は世話係と交渉を始めてしまう。どうしても、私たちを墓参りつれて行きたいらしい。理由は、解らないけれど。花束を持ってたそがれていたということは、一人で墓参りに行くのが気が進まないだけなのかもしれない。その程度で、道連れにしないで欲しい。
お兄様と交渉している『へんなおじさん』と世話係をぼんやり眺めていると、世話係が突然ペコペコしだす。『へんなおじさん』は、予想よりも身分が高かったらしい。ふたりでどういう話をしたのか解らないけれど、気がつけばお兄様と私は一緒に墓参りに行くことになっていたのだった。
明らかに私の家よりも上質な二輪馬車に乗ってパカパカどこかの墓地へ行く。
目的の場所は、墓地の奥にある霊廟で。
妙に緊張した『へんなおじさん』が、霊廟の中に入って花束を置いてくるのをお兄様と待つ。手持ち無沙汰を感じ始めた頃に、『へんなおじさん』が漸く霊廟から出てくる。遅かったねと声を掛けると、「ここには、君と良く似た女性が眠っているんだよ」と『へんなおじさん』は今にも泣きそうな顔で私の頭を撫でたのだった。
その夜は、いつものように命日に彼女が死ぬ夢は見なかった。
その代わり、次の日に『へんなおじさん』から私に求婚が来て誕生日が台無しになった挙げ句にお母様が卒倒したのだった。
今世に知り合いがいないことで、少し落ち着いてくれたのだろうか。とはいえ、何の力もない十歳の子供が調べられることはたかがしれていて、解らないことだらけだけど。
一時的に静かになったとはいえ、いつまた彼女が嘆きだすか解らない。次善の策として、私は疲れ果てるまで日中散歩をすることにしたのだった。睡眠は大事なのである。
それからというもの毎日、世話係やお兄様と植物園や図書館へ散歩へ行くようになった。もちろん、徒歩である。最初は、両親に反対されたけれど、治安の良い場所であることとお兄様と世話係の側を離れないことを約束して行くことを許して貰った。今世の両親は、なかなか過保護なのである。前世は、偶に植物園や図書館へ馬車で行く他は、外にでることもままならない箱入りだったのを考えると進歩だといえるのではないだろうか。
特に偉大な魔法使いが作ったと言われる植物園は前世の私も好きな場所で、生前何度もお忍びで足を運んでいた。今の私と違って彼女は深窓の令嬢だったから、毎日のように通うことはなかったけれど。園内を歩き回り彼女が好きだった池の近くでベンチに座って白鳥に餌をやるのは、酷く心落ち着く行為で。私の中の彼女も喜んでくれていると思う。
その日は、いつもより遅く昼過ぎに植物園に着いた。今日はピクニックもしたいというお兄様の希望で、バスケットに昼食を詰めて植物園へ来たのだった。お兄様としっかり手を結んで白鳥の池に行けば、いつものベンチに先客がいた。
せっかくの特等席に先客がいることに、十歳の私は少しむかっとする。彼女なら、鷹揚に対応するのだろけれど。
くすんだ金髪にボサボサ頭の男の人。顔は俯いていて、どんな風なのか解らない。一応貴族階級の両親よりも仕立ての良い服から、彼が特権階級に属していることが解る。こういう時、前世の『立派な淑女』な知識を持ったまま、子供として振る舞えるのは便利だと思う。
それにしても、男の人は身なりに無頓着なのか、シャツはよれよれだしネクタイはひん曲がっているし上着には皺が寄っていた。それなのにシャツや上着に汚れはなくて、別にちゃんと手入れをする人がいるように思える。結論としては、紳士じゃないように見えるのに、実は紳士な人という感じがした。
「おじさん、そこはわたしの場所」
怖い物知らずは子供の特権とばかりに胸を張って言えば、ゆっくりと男の人は顔を上げた。お兄様より年上の男の人は、今の私にとってはみんなおじさんなのである。
くすんだ金の髪に目の形が解る程度の濃い色のグラスが入った眼鏡の下の瞳と目が合ったような気がした。
その途端、ぼんやりと焦点の合ってない目が驚いたように見開かれたかと思うと、男の人はすくっと立ち上がる。まるで死人のような目だわと思っていれば、男の人は暫く私の顔をまじまじと穴の開くほど見つめた後に、足早に立ち去ってしまう。いったい、どうしたのだろうか。少なくとも私には、見覚えがない。たぶん、恐らく。
「へんなおじさんー」
「へんなおじさんー」
お兄様とふたりで首を傾げていると、世話係に「立派な淑女になれませんよ」と叱られたのは言うまでもない。もちろん、またあんな目に合う位なら、『立派な淑女』にならなくていい。将来は少しだけ持っている魔法の才を使って侍女かガヴァネスになって、老後は素敵な老嬢になるのだ。
魔法の才と言えば、どうしてあの女は『聖女』になったのだろうか。気がついたら、『聖女』と自ら称していたような気がする。聖女のしたことと言えば、見目麗しい貴族の子息を侍らしていただけとしか思い出せない。婚約者や義兄と同じ学園に在学中だった彼女の従姉妹が、日に日に聖女の崇拝者が増えていて気味が悪いと言っていたような気がする。あら、彼女には会話を交わすような仲の良い従姉妹がいたのか。どんな従姉妹だったのか思い出そうとすると、何故か思い出せない。
彼女の記憶だと、義兄の本当の妹が我が物顔で実家に君臨していたことしか思い出せない。
良い思い出よりも悪い思い出の方が記憶に残りやすいと言うけれど、彼女の記憶に悪いことしかないのも同じことなのだろうか。
それはともかく、彼女のような目に合う位なら、結婚なんてしなくていい。彼女の嘆きは他人事のように眺めていたけど、実は毎夜のように彼女の末路を見ている内に、すっかり結婚する必要性を感じなくなってしまったのだった。貴族の娘としては、正しくないのかもしれないけれど。今度は、彼女のように死なないことが、私の使命なんじゃないかと思う。でなけれ憶を持って戻ってくる必要はなかった筈で。そんなことを考えていると、お兄さまから「何だか悪い顔をしているよ」と、不思議そうな顔で言われたのだった。
これで『へんなおじさん』との縁は切れたと思ったのに、それから植物園へ散歩に行くと『へんなおじさん』に良く出会うようになった。
最初は会釈、次は口に出して挨拶、その次は一緒に白鳥に餌やりをしたりボートに乗ったりと『へんなおじさん』は私たちと徐々に親しくなっていった。子供と遊んで楽しいのだろうかと思うけれど、最近はご令嬢に乞食の格好とか仮装させて写真を撮ったりするのが流行りだから、『へんなおじさん』もそういう人なのかもしれない。
因みに、顔見知しりにはなったけれど名乗り合っていないので、『へんなおじさん』がどこの誰なのか未だに知らない。知らない方がいいことは世の中には沢山あるのだ。
植物園で『へんなおじさん』と遊ぶようになって暫くすると、彼女の命日が近づいてきた。彼女の命日で、私の誕生日。毎年、彼女が死んだと思われる時間に死ぬところを彼女と一緒に追体験するので、誕生日の前の日は少し憂鬱になる。今年で、11回目になるけれど、未だに自分が死ぬ瞬間には慣れることはない。
ワスレナイデ、ワスレナイデ、ワタシヲワスレナイデ。
誰かに向かってそう繰り返す彼女は、不憫で哀れだ。恨み言を言ってもいいのに。彼女には、その権利がある。それなのに、彼女は『愛している』と言うように、『ワスレナイデ』と言う。私には、全然彼女の気持ちが解らない。彼女は私ではあったけれど、小さい頃から『冷めている子』と言われる私は彼女ではない私なのだと思う。たぶん、彼女が心折れた時に私が生まれたのだろう。だから、彼女が受けた酷い仕打ちを夢に見ても、どこか他人事に感じるのだと思う。
彼女の墓は、私が住んでいる屋敷の庭にある。
さすがに彼女が死んだ路地裏には行けないから、屋敷の庭の片隅に小さな墓を作った。小鳥の死体を見つけたから葬ってあげるんだとお兄様にねだって作って貰ったお墓は、不幸な最後を遂げた彼女に相応しいと思う。貴族名鑑では、『病死』となっていたから、もしかすると先祖代々の霊廟の中に空の棺があるかもしれないが、空っぽの墓で祈っても彼女には届かないのじゃないだろうか。
命日の前日、植物園へ行くと『へんなおじさん』が花束を手にたそがれていた。いつもの通り声を掛けると、これから墓参りへ行くのだが一緒に行ってくれないかと『へんなおじさん』は言う。
何故墓参りにさそわれなければならないのかとお兄様と顔を見合わせていると、『へんなおじさん』は世話係と交渉を始めてしまう。どうしても、私たちを墓参りつれて行きたいらしい。理由は、解らないけれど。花束を持ってたそがれていたということは、一人で墓参りに行くのが気が進まないだけなのかもしれない。その程度で、道連れにしないで欲しい。
お兄様と交渉している『へんなおじさん』と世話係をぼんやり眺めていると、世話係が突然ペコペコしだす。『へんなおじさん』は、予想よりも身分が高かったらしい。ふたりでどういう話をしたのか解らないけれど、気がつけばお兄様と私は一緒に墓参りに行くことになっていたのだった。
明らかに私の家よりも上質な二輪馬車に乗ってパカパカどこかの墓地へ行く。
目的の場所は、墓地の奥にある霊廟で。
妙に緊張した『へんなおじさん』が、霊廟の中に入って花束を置いてくるのをお兄様と待つ。手持ち無沙汰を感じ始めた頃に、『へんなおじさん』が漸く霊廟から出てくる。遅かったねと声を掛けると、「ここには、君と良く似た女性が眠っているんだよ」と『へんなおじさん』は今にも泣きそうな顔で私の頭を撫でたのだった。
その夜は、いつものように命日に彼女が死ぬ夢は見なかった。
その代わり、次の日に『へんなおじさん』から私に求婚が来て誕生日が台無しになった挙げ句にお母様が卒倒したのだった。
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