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【狂気!カタツムリ女の優しさ(ウンババ)】
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「カタツムリ!カタツムリ!」
「美味しい!美味しい⁉︎」
真っ白い雪原に一際際立つ真っ赤なワンピースを着た女が立っていた。彼女はカタツムリを狂気の様子で頬張っていた。その異様な光景を目にした俺は、全身の毛穴から汗を吹き出しながら思わず後ずさりしてしまった。
「あら?あなたはだあれ?」
「あ、いや…………ただの通りすがりです」
「そう。通りすがりね。でも、せっかくだからお話しない?」
「えっ…………」
「ねえ、いいでしょう?私とお茶しましょうよ」
「いや、俺ちょっと急ぐんで…………」
「お願いよぉ~」
女は甘ったるい声を出しながら俺の腕にしがみついてきた。その時だった。
「おい、待て!」
後ろの方から野太い男の声が聞こえた。振り向くとそこには黒髪短髪の筋肉質の男が立っていた。彼は何故か肩を大きく上下させていた。
「おい、そいつから離れろ!そして今すぐここから立ち去れ!」
男は目をギラつかせながら怒鳴るように言った。
「なぁにぃ~この人、いきなり失礼じゃない?」
女は眉間にシワを寄せると、不機嫌そうな表情を浮かべた。すると次の瞬間、女の顔つきが変わった。まるで獲物を見つけた猛獣のような目付きになったのだ。
「…………うふふっ、面白いわね。あなたも食べちゃおうかしら」
「なんだと?」
「私はねぇ~どんなものでも食べられる体質なの。たとえそれが人間だろうとねぇ~」
女の口調は徐々に変わっていった。それはまさに化け物そのものといった感じであった。
「お前は何者だ?」
「教えないわよそんなこと。どうせ死ぬんだもの」
「何だと?」
「私の名は『カタツムリ』。覚えておくといいわ」
「いやだー食べられたくないー」
筋肉質の男はさっきまでの勇ましさが嘘であったかのように逃げ出した。雪原には自分と『カタツムリ』だけが取り残された。とてつもない緊張感の中数十秒睨み合った後、彼女は突然ワンピースを捲り上げ意味不明な言葉を発し始めた。
「ウンババ!ウンババ!」俺は恐怖のあまりその場から動けずにいた。
「ウンババ!ウンババ!」
彼女の奇行は止まらなかった。そして遂に——
「ウンババァァァァッ!!!」
叫び声と共に彼女の下半身が丸ごと千切れ飛んだ。
「へっ?」呆気に取られているうちに、上半身だけとなった彼女が目の前まで迫ってきていた。
「ウヒャアァァァッ!!」
悲鳴を上げながら逃げ出そうとしたが遅かった。彼女の真っ白な腕が俺の首筋に触れた。途端に意識が遠退き、俺はその場に倒れ込んだ。薄れゆく視界の中で、真っ赤なワンピースを着た『カタツムリ』がゆっくりとこちらに向かってくるのが見えた。
「ごめんなさいねぇ。本当はこんなことしていけないんだけど、今日は特別に見逃してあげるわ。だってあなた、なかなか美味しそうだったもの」
そこで俺の記憶は完全に途絶えた。
翌朝、目を覚ますとそこは自宅のベッドの上だった。昨日の出来事は全て夢だったのではと思い、自分の頬をつねってみたがちゃんと痛かった。
「夢じゃなかったのか…………」
体を起こし周りを見渡すと、机の上に一枚の紙が置かれていることに気づいた。紙には真っ赤な文字でこう書かれていた。
「ウンババ」
「美味しい!美味しい⁉︎」
真っ白い雪原に一際際立つ真っ赤なワンピースを着た女が立っていた。彼女はカタツムリを狂気の様子で頬張っていた。その異様な光景を目にした俺は、全身の毛穴から汗を吹き出しながら思わず後ずさりしてしまった。
「あら?あなたはだあれ?」
「あ、いや…………ただの通りすがりです」
「そう。通りすがりね。でも、せっかくだからお話しない?」
「えっ…………」
「ねえ、いいでしょう?私とお茶しましょうよ」
「いや、俺ちょっと急ぐんで…………」
「お願いよぉ~」
女は甘ったるい声を出しながら俺の腕にしがみついてきた。その時だった。
「おい、待て!」
後ろの方から野太い男の声が聞こえた。振り向くとそこには黒髪短髪の筋肉質の男が立っていた。彼は何故か肩を大きく上下させていた。
「おい、そいつから離れろ!そして今すぐここから立ち去れ!」
男は目をギラつかせながら怒鳴るように言った。
「なぁにぃ~この人、いきなり失礼じゃない?」
女は眉間にシワを寄せると、不機嫌そうな表情を浮かべた。すると次の瞬間、女の顔つきが変わった。まるで獲物を見つけた猛獣のような目付きになったのだ。
「…………うふふっ、面白いわね。あなたも食べちゃおうかしら」
「なんだと?」
「私はねぇ~どんなものでも食べられる体質なの。たとえそれが人間だろうとねぇ~」
女の口調は徐々に変わっていった。それはまさに化け物そのものといった感じであった。
「お前は何者だ?」
「教えないわよそんなこと。どうせ死ぬんだもの」
「何だと?」
「私の名は『カタツムリ』。覚えておくといいわ」
「いやだー食べられたくないー」
筋肉質の男はさっきまでの勇ましさが嘘であったかのように逃げ出した。雪原には自分と『カタツムリ』だけが取り残された。とてつもない緊張感の中数十秒睨み合った後、彼女は突然ワンピースを捲り上げ意味不明な言葉を発し始めた。
「ウンババ!ウンババ!」俺は恐怖のあまりその場から動けずにいた。
「ウンババ!ウンババ!」
彼女の奇行は止まらなかった。そして遂に——
「ウンババァァァァッ!!!」
叫び声と共に彼女の下半身が丸ごと千切れ飛んだ。
「へっ?」呆気に取られているうちに、上半身だけとなった彼女が目の前まで迫ってきていた。
「ウヒャアァァァッ!!」
悲鳴を上げながら逃げ出そうとしたが遅かった。彼女の真っ白な腕が俺の首筋に触れた。途端に意識が遠退き、俺はその場に倒れ込んだ。薄れゆく視界の中で、真っ赤なワンピースを着た『カタツムリ』がゆっくりとこちらに向かってくるのが見えた。
「ごめんなさいねぇ。本当はこんなことしていけないんだけど、今日は特別に見逃してあげるわ。だってあなた、なかなか美味しそうだったもの」
そこで俺の記憶は完全に途絶えた。
翌朝、目を覚ますとそこは自宅のベッドの上だった。昨日の出来事は全て夢だったのではと思い、自分の頬をつねってみたがちゃんと痛かった。
「夢じゃなかったのか…………」
体を起こし周りを見渡すと、机の上に一枚の紙が置かれていることに気づいた。紙には真っ赤な文字でこう書かれていた。
「ウンババ」
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